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2024/06/27
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ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:314

薬剤抵抗性の心房細動には肺静脈隔離術が優れている

心不全患者の心房細動を治療するために、肺静脈隔離術がますます多用されるようになっているが、肺静脈隔離術による治療と、両室ペーシング+房室結節アブレーション治療との比較を検討した「PABA-CHF研究グループ」(事務局・米国イリノイ州)のMohammed N. Khan氏らは、「薬物抵抗性の心房細動を起こした心不全患者には、肺静脈隔離術のほうが優れている」とすると報告した。NEJM誌2008年10月23日号より。

患者や治療の違いがP4Pの格付けに関連

米国で医療に導入されたインセンティブ「治療成績に応じた医療費の支払い」(pay-for-performance:P4P)について、病院プロセス・パフォーマンスランキング(hospital process performance rankings:病院ランキング)との関連を調べていたデューク大学病院(ノースカロライナ州)のRajendra H. Mehta氏らは「各医療機関の患者の特徴や治療の違いが、P4Pの格付けと病院ランキングに関連することが示された」と報告した。JAMA誌2008年10月22日号より。

生物学的製剤の安全性問題の多くは感染症関連

生物学的製剤は相対的に新規クラスの薬剤で、免疫原性など特異的なリスクを伴うが、承認後の安全性の問題に関する情報入手が限られている。そこで、オランダ・ユトレヒト薬学研究所のThijs J. Giezen氏らは、米国およびEU(欧州連合)で承認された生物学的製剤の、その後にとられた安全性に関する規制措置を追跡調査し検証した。JAMA誌2008年10月22日号より。

糖尿病の妊婦にとって連続血糖モニタリングは有益

妊娠中の連続血糖モニタリングの有効性について、NHSイプスウィッチ病院(イギリス)糖尿病・内分泌学科のHelen R Murphy氏らが無作為化試験を行い検証した。「妊娠末期の血糖コントロール改善、低体重児もしくは巨大児のリスクを低減する」と報告している。BMJ誌2008年10月18日号(オンライン版2008年9月25日号)にて掲載。

降圧薬カンデサルタン、2型糖尿病の網膜症に対する有効性を確認

アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)であるカンデサルタンは、2型糖尿病における軽度~中等度の網膜症に対する改善効果を有することが、国際的な大規模臨床試験DIRECT-Protect 2により明らかとなった。糖尿病性網膜症は、依然として生産労働年齢人口の失明の主要原因である。2型糖尿病の診断時に約40%が網膜症を併発しており、6年後にはさらに22%が発症するとされる。これに対し降圧薬の有効性が示唆されているが、網膜症をエンドポイントした試験は行われていないという。デンマークOdense大学病院眼科のAnne Katrin Sjolie氏が、Lancet誌2008年10月18日号(オンライン版2008年9月25日号)で報告した。

多剤耐性結核より治療抵抗性の広範囲薬剤耐性結核、その治療は可能か?

広範囲薬剤耐性結核菌(extensively drug-resistant tuberculosis; XDR-TB)は、non-XDR-TBに比べれば治療抵抗性が高いが、積極的な治療によって治癒は可能であることが、アメリカHarvard大学医学部のSalmaan Keshavjee氏らがシベリアの地方都市で実施したコホート研究で明らかとなった。多剤耐性結核菌(MDR-TB)は1次治療に抵抗性の結核菌株であり、XDR-TBは最も効果的な2次治療にも抵抗性を示すMDR-TBのサブグループと定義される。XDR-TBの世界的な疾病負担は不明だが、MDR-TBの7%がXDR-TBとのデータがあるという。Lancet誌2008年10月18日号(オンライン版2008年8月22日号)掲載の報告。

コンピュータ支援のマンモグラム単独読影は2人読影に匹敵

マンモグラフィ検診による小さな乳癌の検出感度は、マンモグラムの読影を単独でするより2人で行うことのほうが高い。では、コンピュータ支援検出システムを使った単独読影はどうだろうか。2人読影に匹敵する検出能力を発揮できるかどうかを検証していた英国のCADET II研究グループ(Computer-Aided Detection Evaluation Trial II)のFiona J. Gilbert氏(アバディーン大学)らは「匹敵する」ことを報告した。NEJM誌2008年10月16日号(オンライン版2008年10月1日号)より。

COPD治療薬チオトロピウムの長期臨床試験報告

慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬チオトロピウムが、COPD患者の複数のエンドポイントを改善することは先行研究で示されているが、吸入用抗コリン薬を除くすべての呼吸器疾患の薬物治療を許されたプラセボ群を対照に、チオトロピウム治療の4年間にわたる長期的な効果を検証していた米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部のDonald P. Tashkin氏らが主要な治療指標であるFEV1低下率や肺機能、QOL、増悪について報告を行った。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年10月5日号)より。

アミオダロンの心房細動発症ごと投与では死亡率、入院率とも上昇

不整脈治療剤アミオダロンは、効果的に心房細動を抑制するが、有害事象が多いため使用禁忌もまた多い。そこで、心房細動を予防するために除細動後にアミオダロンを連続的に投与した患者と、発症ごとに投与した場合の主要イベントを比較していたオランダ・フローニンゲン大学のSheba Ahmed氏らは「発症ごとの投与では、心房細動再発や死亡率、心血管関連の入院率が有意に高まる」と報告した。JAMA誌2008年10月15日号より。

ビタミンBはアルツハイマー病の認知低下抑制の効果なし

アルツハイマー病(AD)ではホモシステインの血中濃度が高まり、高ホモシステイン血症が血管や神経に毒性に作用し発病に至る可能性がある。しかしホモシステイン濃度は、葉酸とビタミンB6、B12の高用量サプリメント投与で低下させることができる。このため、アメリカ・アルツハイマー病協同研究グループ(Alzheimer Disease Cooperative Study Group)のPaul S. Aisen氏(カリフォルニア大学サン・ディエゴ校)らは、AD治療におけるビタミンB群サプリメントの有効性と安全性を検証していたが、「認知機能の低下を遅らせる効果はない」と報告した。JAMA誌2008年10月15日号より。

乳幼児の骨折で原因が確認できない場合は虐待を疑うべき

子どもの骨折が虐待によるものなのか、骨折タイプから虐待の可能性を見極めることを目的とする骨折指標の同定作業が、公表論文のシステマティックレビューによって行われた。カーディフ大学(英国)ウェールズ・ヒースパーク大学病院臨床疫学学際研究グループ/ウェールズ児童保護システマティックレビューグループのAlison M Kemp氏らによる。研究報告は、BMJ誌2008年10月2日号に掲載された。

暖房器具の選び方次第で小児喘息症状は緩和する

呼吸器症状を悪化させる排ガス物質の二酸化窒素について、屋外での車の排ガスなどに注目が集まるが、屋内における暖房器具(ガスヒーター)やガスコンロなどからのほうがそれらを1,000倍も吸引する可能性があり、住環境改善は小児喘息の改善に必須であると提言し、以前に住環境改善(断熱効果を高める)介入と呼吸器症状改善との関連について報告していたOtago大学(ニュージーランド)He Kainga Oranga/住宅健康リサーチプログラムのPhilippa Howden-Chapman氏らが今回、屋内にガスを排出しない無公害タイプの暖房器具と小児喘息との関連について無作為化試験の結果を報告した。BMJ誌2008年9月23日号にて掲載。小児の約25%が喘息症状を有し、それが小児の入院要因の第2位となっているニュージーランドでの検討で、同国では3分の1の家庭が暖房器具は室内に直接排気するタイプのガスヒーターだという。

早期自然陣痛妊婦への抗生物質投与により子どもの脳性麻痺が増加:ORACLE Children II試験

羊膜に異常がない早期自然陣痛妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの脳性麻痺の発生リスクを有意に増大させることが、ORACLE Children II試験で確認された。妊娠期間26週以前に生まれた早産児の約25%が重篤な機能障害を呈し、機能障害のない小児もその多くが後年、行動障害や学習障害をきたす。また、早期自然陣痛の13~22%が周産期の子宮内感染や炎症に起因するという。そのため、このような病態の妊婦に対する抗生物質投与が母子双方に及ぼす影響の解明が重要な課題とされている。イギリスLeicester大学生殖科学のS Kenyon氏が、Lancet誌2008年10月11日号(オンライン版2008年9月17日号)で報告した。

前期破水妊婦に対する抗生物質投与は子どもへの影響はない:ORACLE Children I試験

前期破水妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの7歳時の健康にはほとんど影響を及ぼさないことが、イギリスLeicester大学生殖科学のS Kenyon氏らが実施したORACLE Children I試験で明らかとなった。ORACLE試験は妊婦への抗生物質投与が早産児に及ぼす影響を検討するもの。早産児は脳性麻痺など重大な障害のリスクが高く、妊娠期間が短くなるほどリスクは増大する。障害のない早産児でも、後年、多くが行動障害や学習困難をきたすという。Lancet誌2008年10月11日号(オンライン版2008年9月17日号)掲載の報告。

2型糖尿病の強化血糖コントロールのベネフィットは10年間持続:UKPDS

英国糖尿病前向き研究(UKPDS)では、試験期間中に登録患者を従来の食事療法群と強化血糖療法群に割り付けた結果、強化療法群のほうが血糖値は改善されることが示された。この効果と差異が試験終了後も維持されるかどうか、長期間追跡調査し検証していたオックスフォード大学チャーチル病院の糖尿病研究班Rury R. Holman氏らは「血糖値の差異は1年で消失する。しかし微小血管のリスク低下は10年後も継続しており、心筋梗塞と全死因死亡のリスク低下をもたらしている」と報告した。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年9月10日号)より。

2型糖尿病の血圧コントロールによるベネフィットは試験後2年で消失:UKPDS

英国糖尿病前向き研究(UKPDS)では、試験期間中に登録患者を厳格な血圧コントロールと緩やかな血圧コントロールに割り付けた結果、厳格コントロール群では合併症リスクが有意に低下することが示された。この差異が試験終了後も維持されるかどうか、登録患者を長期間追跡調査し検証していたオックスフォード大学チャーチル病院の糖尿病研究班Rury R. Holman氏らは「早期の血圧コントロール改善は、合併症のリスク低下をもたらすが、血圧コントロールをやめてから2年以内でそのベネフィットは消失していた」と報告した。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年9月10日号)より。

適切な終末期の説明が患者と介護者のQOLを改善

患者と、死について話すのは難しいことだが、終末期に関して適切な説明を行えば、死の直前までの積極的治療を減らし、より早期のホスピス照会につながること。ホスピス滞在期間が長いほど、患者および介護者のQOLは良好であったとする、米国ボストンのダナ・ファーバー癌研究所のAlexi A. Wright氏らによる報告が、JAMA誌2008年10月8日号に掲載された。

下肢深部静脈血栓症検出は簡便な2ポイント超音波検査でも十分

 下肢深部静脈血栓症(DVT)が疑われる患者は通常、近位静脈超音波検査(2ポイント)か、全深部静脈システムのカラードップラー超音波検査(下肢全体)で評価されるが、イタリア・Conegliano市民病院のEnrico Bernardi氏らは「両者の診断能は変わらない」と報告した。JAMA誌2008年10月8日号より。  前者の診断法は簡便だが、後者は熟練したオペレーターが必要なため、主に就業時間内しか利用できない。しかしこれまで、両検査法の診断能を評価したエビデンスはなかった。本研究は、下肢DVT発現の疑いありと診断された外来患者2,465例を対象とした、前向き無作為多施設共同試験で、データは2003年1月1日から2006年12月21日にかけて、イタリア国内の14ヵ所の大学、私立病院の超音波検査室で集められた。患者は、2007年3月20日の検査完了まで3ヵ月間追跡され、初回診断から症候性静脈血栓塞栓症の発生率を主要評価項目とした。