腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:14

日本人EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ、PD-L1高発現の影響は?(WJOG20724L)/日本肺癌学会

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の標準治療の1つとして、オシメルチニブが用いられている。しかし、1次治療でオシメルチニブ単剤を用いた進行NSCLC患者を対象とした後ろ向き観察研究(OSI-FACT)において、PD-L1高値の集団は無増悪生存期間(PFS)が不良であったことが報告された。ただし、OSI-FACTはPD-L1発現状況の影響を検討することを目的とした研究ではなかった。そこで、StageIVの肺がん患者6,751例の大規模コホート研究(REAL-WIND/WJOG1512L)のデータを用いて、初回治療としてオシメルチニブ単剤を用いたNSCLC患者の治療効果と、PD-L1発現状況の関係を検討する研究(WJOG20724L)が実施された。本研究の結果を坂田 能彦氏(済生会熊本病院)が第66回日本肺癌学会学術集会で報告した。

意外な所に潜む血栓症のリスク/日本血液学会

 2025年10月10~12日に第87回日本血液学会学術集会が兵庫県にて開催された。10月12日、井上 克枝氏(山梨大学 臨床検査医学)、野上 恵嗣氏(奈良県立医科大学 小児科)を座長に、シンポジウム6「意外な所に潜む血栓症のリスク」が行われた。Nan Wang氏(米国・Columbia University Irving Medical Center)、Hanny Al-Samkari氏(米国・The Peggy S. Blitz Endowed Chair in Hematology/Oncology, Massachusetts General Hospital/Harvard Medical School)、長尾 梓氏(関西医科大学附属病院 血液腫瘍内科)、成田 朋子氏(名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学)。

第1/2世代EGFR-TKI後にCNS進行したNSCLCへのオシメルチニブ(WJOG12819L/KISEKI)/日本肺癌学会

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療の標準治療として、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)のオシメルチニブが用いられているが、第1/2世代のEGFR-TKIが用いられる場合もある。ただし、本邦では第1/2世代EGFR-TKIを用いた1次治療で進行が認められた場合、EGFR T790M変異が確認されないとオシメルチニブは適応とならない。そこで、第1/2世代EGFR-TKIを用いて治療を開始し、進行時にEGFR T790M変異が陰性(もしくは検出不能/検査困難)となったNSCLC患者に対するオシメルチニブの有用性を検討する医師主導の国内第II相試験「WJOG12819L/KISEKI試験」が実施された。

既治療のEGFR陽性NSCLC、sac-TMTがOS改善(OptiTROP-Lung04)/NEJM

 上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による前治療後に病勢が進行したEGFR遺伝子変異陽性の進行・転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)において、抗TROP2抗体薬物複合体sacituzumab tirumotecan(sac-TMT)はペメトレキセド+白金製剤ベースの化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)とともに全生存期間(OS)をも改善し、新たな安全性シグナルの発現は認められなかった。中国・Guangdong Provincial Clinical Research Center for CancerのWenfeng Fang氏らが、第III相試験「OptiTROP-Lung04試験」の結果で示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2025年10月19日号に掲載された。

肥満とがん死亡率、関連する血液腫瘍は

 肥満は血液腫瘍を含む各種がんによる死亡率の上昇と関連しているが、アジア人集団、とくに日本人成人におけるこの関連のエビデンスは限られている。今回、北海道大学の若狭 はな氏らが、わが国の多施設共同コホート研究(JACC Study)で肥満と血液腫瘍による死亡の関連を検討した結果、日本人成人において肥満が多発性骨髄腫および白血病(とくに骨髄性白血病)による死亡率の上昇と有意に関連していることが示された。PLoS One誌2025年10月30日号に掲載。

スタチンでケモブレインを防げる?

 最も一般的なコレステロール治療薬であるスタチン系薬剤(以下、スタチン)が、がん患者を「ケモブレイン」から守るのに役立つかもしれない。新たな研究で、スタチンは乳がんやリンパ腫の患者の認知機能を最大2年間保護する可能性のあることが示された。米バージニア・コモンウェルス大学パウリー心臓センターのPamela Jill Grizzard氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に10月21日掲載された。  Grizzard氏は、「がん治療は患者を衰弱させる可能性があり、化学療法による認知機能の低下は治療終了後も長期間続くことがある」と話す。その上で、「この研究結果は、スタチン投与群に割り付けられたがん患者において、治療開始から2年間にわたり認知機能に予想外の改善傾向が認められたことを示している。がん治療中に知性を守ることは、心臓を守るのと同じくらい重要だ」と述べている。

日本人EGFR陽性NSCLC、アファチニブvs.オシメルチニブ(Heat on Beat)/日本肺癌学会

 オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の標準治療として用いられている。ただし日本人では、オシメルチニブの有用性をゲフィチニブまたはエルロチニブと比較検証した「FLAURA試験」1,2)において、有効性が対照群と拮抗していたことも報告されている。そこで、1次治療にアファチニブを用いた際のシークエンス治療の有用性について、1次治療でオシメルチニブを用いる治療法と比較する国内第II相試験「Heat on Beat試験」が実施された。第66回日本肺癌学会学術集会において、本試験の結果を森川 慶氏(聖マリアンナ医科大学 呼吸器内科)が報告した。なお、本試験の結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(2025 ASCO Annual Meeting)でも報告されている(PI:帝京大学腫瘍内科 関 順彦氏)。

がん患者のメンタル問題、うつ病と不安障害で発症期に差

 がん患者におけるうつ病と不安障害の発症率と時間的傾向を明らかにした研究結果が、International Journal of Cancer誌オンライン版2025年8月29日号に発表された。九州大学の川口 健悟氏らは日本の14の自治体から収集された診療報酬請求データを用いて、がん診断後、最大24ヵ月間の追跡期間中にうつ病と不安障害を発症した例について調査した。  2018年4月~2021年3月に新たにがんと診断された2万2,863例を対象とした。粗発症率を算出し、ポアソン回帰分析を用いて月別発症率と時間的傾向を可視化した。全患者を対象とした分析と、性別、年齢、治療法、がんの種類別の分析が行われた。

がん患者の死亡の要因は大血管への腫瘍の浸潤?

 がん患者の命を奪う要因は、がんそのものではなく、腫瘍細胞や腫瘍が体内のどこに広がるかであることを示した研究結果が報告された。腫瘍が主要な血管に浸潤すると血液凝固が起こり、それが臓器不全につながる可能性のあることが明らかになったという。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのMatteo Ligorio氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Medicine」に10月16日掲載された。  Ligorio氏らは、これが、がんが進行するとすぐに死亡する患者がいる一方で、がんが全身に転移していても生き続ける人がいる理由だと述べている。Ligorio氏は、「われわれが解明しようとしていた大きな疑問は、がん患者の命を奪うものは何なのか。なぜがん患者は、6カ月前でも6カ月後でもなく、特定の日に死亡するのかということだった」と同医療センターのニュースリリースの中で述べている。

ROS1陽性NSCLCに対するタレトレクチニブを発売/日本化薬

 日本化薬は「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)」の適応で、厚生労働省より製造販売承認を取得したタレトレクチニブ(商品名:イブトロジー)について、2025年11月12日に発売したことを発表した。タレトレクチニブは、同適応症に対する薬剤として4剤目となる。  ROS1を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を用いた治療において、耐性変異としてG2032R変異などが発現することが報告されている。そこで、これらの耐性変異体への活性を有する薬剤の開発が望まれていた。