腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:267

コーヒー豆は浅煎りを選んでがん予防

 コーヒーは世界で最も広く飲まれている飲料の1つであり、健康に有益な多くの植物性化合物を含んでいる。これまでに、浅いローストレベル(焙煎度)の豆が、高い抗酸化活性を持つという報告1)があるが、抗がん作用との関わりは明確にされていなかった。今回、米国・カリフォルニア州立大学のBenigno E. Mojica氏らの研究結果より、浅めに焙煎されたコーヒー豆が、口腔および結腸がんのような、特定のがん予防に寄与する可能性が示唆された。Journal of food science誌2018年4月号に掲載。

術直後ゲムシタビン膀胱内注入、膀胱がん再発リスク低減/JAMA

 低悪性度の筋層非浸潤性尿路上皮がん患者は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)後の再発の頻度が高いという。米国・ロチェスター大学のEdward M. Messing氏らは、本症が疑われる患者では、術直後の単回ゲムシタビン膀胱内注入療法により、4年後の再発リスクが低減することを、多施設共同試験「SWOG S0337試験」で示した。ゲムシタビンを含むレジメンは、筋層浸潤性および高度に進行性の尿路上皮がんの全身療法に使用されており、予備的エビデンスではゲムシタビン膀胱内投与は安全であり、筋層非浸潤性尿路上皮がんでは他の薬剤と同等以上の有効性が示唆されている。JAMA誌2018年5月8日号掲載の報告。

ニボルマブ・イピリムマブ併用、高腫瘍変異負荷肺がん1次治療でPFS延長/NEJM

 ニボルマブとイピリムマブは、第I相CheckMate-012試験で非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に有効性を示し、また腫瘍変異負荷(TMB)はバイオマーカーとして注目されている。そのような中、ニボルマブおよびニボルマブベースのレジメントと化学療法を比較した、無作為化オープンラベルマルチパート第III相CheckMate-227試験から、TMB高レベル患者(1メガベースあたりの変異が10個以上)における、ニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法群を比較したPart1の結果が、NEJM誌2018年4月16日号とAACR2018で同時に発表された。

赤身肉や加工肉の摂取、悪性黒色腫発症のリスクを低下?

 赤身肉および加工肉の摂取は、がんのリスク増加に関与していることが知られているが、悪性黒色腫との関連については結論が得られていない。米国・ハーバード公衆衛生大学院のHsi Yen氏らが、2つの前向きコホート研究、Nurses' Health Study(NHS)およびHealth Professionals Follow-up Study(HPFS)を使用した調査と解析の結果、赤身肉および加工肉を多く摂取することは悪性黒色腫の発症リスクを低下させる可能性があると報告した。ただし結果について著者は、「この2つのコホート研究の対象者は白人の医療従事者に限られているので、今回の結果は一般化可能性に限界があるかもしれない」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年4月23日号掲載の報告。

日本人は身長が高いと脳血管死亡リスク低い~JPHC研究

 成人の身長と死亡リスクの関連が以前の研究で示唆されているが、日本人における身長と全死因死亡率・疾患別死亡率との包括的な関連は不明である。今回、わが国の前向きコホート研究(JPHC研究)で評価したところ、成人での身長が高いと、男女共に脳血管疾患死亡リスクが低く、逆に男性のがん死亡リスクが高いことが示唆された。PLOS ONE誌2018年5月14日号に掲載。

エピシルが化学療法や放射線療法の口内炎の口腔内疼痛を緩和/Meiji Seikaファルマ

 Meiji Seikaファルマ株式会社は2018年5月16日、局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材エピシル口腔用液(以下、エピシル)の販売を開始した。  エピシルは口腔内病変の被覆および保護を目的とする非吸収性の液状機器。口腔粘膜にエピシル適量を適用すると数分以内に口腔粘膜の水分を吸収してゲル状になり、物理的バリアを形成することにより、化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛を管理および緩和する。

感染症による慢性炎症で前立腺がんリスク増加?

 前立腺炎が、慢性炎症によって前立腺がんリスクを増加させる可能性が疫学研究から示唆されている。今回、フランス国立保健医学研究機構(Inserm)のSolene Doat氏らがEPICAP研究のデータで検討したところ、慢性前立腺炎・急性腎盂腎炎の既往のある男性、NSAIDを使用していない男性で、前立腺がん発症のオッズ比がとくに高かった。この結果から、泌尿生殖器感染症により生じた慢性炎症が前立腺がん発症に関与するという仮説が補強された。International Journal of Cancer誌オンライン版2018年4月26日号に掲載。

高リスク悪性黒色腫の術後補助療法でのペムブロリズマブ:第III相試験/NEJM

 再発リスクが高いStageIIIの悪性黒色腫に対する術後補助療法において、ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと、最長1年間)はプラセボと比較して無再発生存期間(RFS)を有意に延長し、新たな毒性はないことが認められた。フランス・サクレー大学のAlexander M. M. Eggermont氏らが、術後補助療法としてペムブロリズマブの有効性および安全性を評価した無作為化二重盲検第III相試験「EORTC 1325/KEYNOTE-054試験」の結果を報告した。ペムブロリズマブは、進行悪性黒色腫患者の無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を延長することが、これまでの研究で確認されていた。NEJM誌オンライン版2018年4月15日号掲載の報告。

早期NSCLC、ニボルマブによる術前免疫療法が有望/NEJM

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の治療法には、過去10年間、ほとんど進展がないという。米国ジョンズ・ホプキンス大学のPatrick M. Forde氏らは、ニボルマブによる術前補助療法は副作用が少なく、計画された手術を遅延させず、切除腫瘍の45%に病理学的奏効をもたらしたとの研究結果を、NEJM誌オンライン版2018年4月16日号で報告した。早期肺がん患者では、PD-1経路の遮断により、宿主免疫の適合能が増大し、腫瘍のクローン不均一性が減弱するため、抗腫瘍効果が増強する可能性がある。また、原発巣は、腫瘍特異的T細胞の増殖と活性化、および微小環境の全身的な監視の抗原源として活用される可能性があるため、術前免疫療法は興味深いアプローチとされる。