腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:265

閉経前乳がん術後、卵巣機能抑制の上乗せ効果/NEJM

 閉経前の乳がん患者に対する内分泌療法では、タモキシフェン単独に比べ、タモキシフェン+卵巣機能抑制により、無病生存率と全生存率が改善することが示された。無病生存率はタモキシフェン単独に比べ、エキセメスタン+卵巣機能抑制でも改善が認められた。オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのPrudence A.Francis氏らが、閉経前乳がん患者への内分泌療法について行った2つの無作為化試験、SOFT試験とTEXT試験の最新の結果をまとめたもので、NEJM誌オンライン版2018年6月4日号で発表した。

EGFR変異肺がん1次治療、ゲフィチニブと化療併用でPFS、OSともに延長(NEJ009)/ASCO2018

EGFR変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療においては、EGFR-TKIと化学療法を十分に使用することで、さらなる全生存期間(OS)の改善が期待できると考えられる。NEJ005試験では、ゲフィチニブとカルボプラチン+ペメトレキセドの併用が有効性を示した。とくに、両者の逐次使用に比べ、同時使用は、30.7ヵ月に対し、41.9ヵ月とOSを改善した。

大腸がん死亡率、術後フォローアップ頻度の影響は?/JAMA

 StageII/IIIの大腸がん患者において、術後のフォローアップ検査(CT画像検査と腫瘍マーカーCEA検査)の頻度を多くしても、少ない場合と比べて、結果として5年全死因死亡率や大腸がん特異的死亡率は有意に低下しないことが、デンマーク・Abdominal Disease CenterのPeer Wille-Jorgensen氏らによる無作為化試験「COLOFOL試験」の結果、示された。大腸がんの根治手術を受けた患者に対するインテンシブなフォローアップは、臨床において日常となっているが、生存ベネフィットのエビデンスは限定的であった。JAMA誌2018年5月22日号掲載の報告。

皮膚がんの遠隔ダーモスコピー診断による費用対効果は?

 遠隔ダーモスコピー診断(teledermoscopy)は、皮膚がん診断の有望な方法となる可能性が報告されているが、経済的な調査はされていなかった。オーストラリア・クイーンズランド大学のCentaine L. Snoswell氏らはオーストラリアでの費用対効果を検討し、遠隔ダーモスコピー診断の利用は、1例当たり54.64オーストラリアドルの追加費用を要するものの、通常の診療情報提供書などによる依頼に比べ、臨床的な解決が26日早まることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「遠隔ダーモスコピー診断の実施を勧告するかどうかは、オーストラリア医療制度の政策決定者が、より低コストか、あるいは臨床的解決までの日数短縮か、どちらを選択するかによる」としたうえで、「臨床的解決の優先が臨床的な意義を果たし、そして患者にとって重要かどうかについての研究を行うことで、遠隔ダーモスコピー診断が推奨されるようになるかもしれない」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年5月9日号掲載の報告。

大腸がんの術後再発リスクの予測を高精度とする免疫スコア(解説:上村直実氏)-869

大腸がんの術後再発リスクに関しては、TNM分類や腫瘍組織の分化度により再発リスクが異なることが知られている。一方、最近では、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)などの免疫に関与する治療薬が、肺がんをはじめとする固形がんの治療に大きな役割を果たす時代となってきている。このような現状から、がんの再発予測因子に免疫能に関するパラメータが重要になることが予想されていた。

胃がん予防効果が得られるアスピリン投与量は?

 アスピリンが特定のがんの予防効果を有することが、多くの研究で報告されている。今回、米国・ワイルコーネル医科大学のMin-Hyung Kim氏らは、韓国の一般集団において、アスピリン使用と胃がんの用量反応関係を評価し、胃がん予防効果を得るためのアスピリン累積投与量の閾値を推定した。The American Journal of Gastroenterology誌オンライン版2018年6月1日号に掲載。

高度異型腺腫の有無で大腸がんリスクが有意に異なる(解説:上村直実氏)-868

日本で大腸がんは肺がんに次いで2番目に多い死亡原因であり、大腸がんによる死亡リスクを低下するために便潜血による大腸がん検診が施行されている。一方、欧米では、大腸内視鏡検査(CF)を行うことにより大腸がんによる死亡率およびその発症率が低下する研究成果が数多く報告され、最近では死亡リスク低下に必要なCFの間隔が話題になっている。米国のガイドラインでは、10年に1度のCFにより大腸がん死亡リスクが大幅に低下するとされており、大腸がんスクリーニングにCFを取り入れるべきで、ポリープ(腺腫)があれば5~10年後のCFが推奨されている。