皮膚がんの遠隔ダーモスコピー診断による費用対効果は?
遠隔ダーモスコピー診断(teledermoscopy)は、皮膚がん診断の有望な方法となる可能性が報告されているが、経済的な調査はされていなかった。オーストラリア・クイーンズランド大学のCentaine L. Snoswell氏らはオーストラリアでの費用対効果を検討し、遠隔ダーモスコピー診断の利用は、1例当たり54.64オーストラリアドルの追加費用を要するものの、通常の診療情報提供書などによる依頼に比べ、臨床的な解決が26日早まることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「遠隔ダーモスコピー診断の実施を勧告するかどうかは、オーストラリア医療制度の政策決定者が、より低コストか、あるいは臨床的解決までの日数短縮か、どちらを選択するかによる」としたうえで、「臨床的解決の優先が臨床的な意義を果たし、そして患者にとって重要かどうかについての研究を行うことで、遠隔ダーモスコピー診断が推奨されるようになるかもしれない」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年5月9日号掲載の報告。