腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:270

腎細胞がん、レンバチニブ・ペムブロリズマブ併用にブレークスルーセラピー指定

 エーザイ株式会社とMerck&Co.,Inc.,は2017年1月9日、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブ(商品名:レンビマ)とMSDの抗PD-1 抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法による進行性または転移性腎細胞がんの適応に対して、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を受けたと発表。

ビッグデータの分析による正常体温の個体差/BMJ

 正常体温は、加齢とともに低下し、正常体温が高いことはがんやBMIの増加と関連する可能性があることが、米国・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のZiad Obermeyer氏らによる、長期的なビッグデータを用いた検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。19世紀に開始されたヒトの深部体温の研究には長い伝統があるが、主に特定の集団の平均体温の確立に重点が置かれてきた。一方、体温は、患者によって大きく異なる多彩な因子(年齢と体内時計、代謝、排卵周期など)の影響を受けることが知られ、個々の患者のベースラインの正常体温には系統的な差異がある可能性が高まっているという。

高血糖はがん死亡に関連するが、非がん死亡とは関連せず

 高血糖はがん全体および特定のがんの発症率と関連し、糖尿病によるリスクとは異なる。フランスの大規模なプライマリケア集団(IPCコホート)において、これらの関連を全死因死亡や非がん死亡と比較し分析したところ、高血糖ががん死亡と有意に関連(とくに消化器がんと白血病)していたが、非がん死亡とは関連していなかった。またこの関連は、長期アスピリン治療を含む交絡因子を考慮しても維持された。Diabetologia誌オンライン版2018年1月5日号に掲載。

BiTE抗体ブリナツモマブ、B細胞性ALLに国内申請

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:スティーブ スギノ)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中 好彦)は、アステラス・アムジェン・バイオファーマがCD19とCD3に二重特異性を有するT細胞誘導抗体製剤ブリナツモマブについて、日本で、再発又は難治性のB細胞性急性リンパ性白血病(ALL)の治療薬として製造販売承認申請を行ったと発表した。

卵の食べ過ぎ、がん死亡率と関連~日本人女性

 NIPPON DATA80のデータ(14年間追跡)では、日本人女性において、卵の摂取量が年齢調整後の血清総コレステロール(aTCH)および全死亡と関連し、男性では関連しなかったことが報告されている。今回、これらの関連について、別の日本人女性のコホート(NIPPON DATA90)で再評価した結果、卵の摂取量とがん死亡・全死亡との関連が示された。この結果から、卵の摂取量を減らすことが、少なくとも日本人女性にとっていくつかの明確な健康ベネフィットとなる可能性が示唆された。European journal of clinical nutrition誌オンライン版2017年12月29日号に掲載。

VATS後の肺合併症の長期的影響

 肺がんは、中国におけるがん死亡の主要な原因であるが、同国における肺葉切除術後の肺合併症(pulmonary complicaions、以下PC)の発生率は15~37%にのぼる。さらに、PCが肺がん患者の長期生存に及ぼす影響の研究は少ない。中国Peking University Hospitalでは、術後NSCLC患者のPC発症、重症肺合併症(major pulmonary complicaions、以下MPC)の長期的影響などの特定を試みた。Journal of Thoracic Disease誌2017年12月号の掲載。

経口避妊薬の長期使用により、乳がん発症リスクがごくわずかに上昇(解説:矢形寛氏)-794

経口避妊薬と乳がんとの関連について研究したものはこれまでに複数存在するが、本研究はこれまでの中で一般市民を対象とした、最も規模が大きく質の高い前向き研究である。デンマークの登録データを用い、経口避妊薬の種類や使用期間、最近の使用の有無を詳細に検討している。

チェックポイント阻害薬でOSを得られる2次治療の肺がん患者

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)2次治療における、チェックポイント阻害薬の生存ベネフィットに関する臨床的・分子的な予測因子はどのようなものか。この研究は、チェックポイント阻害薬とドセタキセルの効果の関係を、全体的な観点および臨床病理的特徴によって定義されたサブグループにおいて予測するため、システマティックレビューが行われた。JAMA Oncology誌オンライン版2017年12月21日号掲載のオーストラリア・シドニー大学による研究。

出血と血栓:原病が重ければバランスも難しい(解説:後藤信哉氏)-793

自分の身の周りにもがん死が多いので、がんは特筆に重要な疾患である。日本人は幸いにして静脈血栓塞栓症が少ない。静脈血栓塞栓症を契機にがんが見つかることも多い。本論文の対象であるCancer Associated Thrombosis (CAT)は日本ではとくに重要である。がん細胞が血栓性の組織因子を産生する場合、がん組織が血管を圧迫して血流うっ滞が起こった場合など、血栓にはがんと直結する理由がある。CATでは、血栓の原因となるがんの因子の除去が第一に重要である。

ヒドロクロロチアジドの使用、非黒色腫皮膚がんと関連

 ヒドロクロロチアジドは、米国および西欧で最も使用頻度の高い利尿・降圧薬の1つであるが、光感作性があり、これまでに口唇がんとの関連が報告されている。デンマーク・南デンマーク大学のSidsel Arnspang氏らの症例対照研究の結果、ヒドロクロロチアジドの累積使用量は、非黒色腫皮膚がん(NMSC)、とくに扁平上皮がん(SCC)リスクの著しい増加と関連していることが明らかとなった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年11月30日掲載の報告。