腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:272

EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん治療にオシメルチニブをどう用いるのか?(解説:小林 英夫 氏)-781

切除不能な非小細胞肺がんの治療は近年大きく進歩し、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子の変異を示す肺がんの治療にEGFR-チロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)の有効性が確立された。本邦では、4薬のEGFR-TKIが肺がんに使用可能である。その中でオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)は第3世代に位置付けられ、以前のEGFR-TKIに耐性であるEGFR T790変異を呈す肺がんにも効果があることを特徴とする。日本での保険適用はこのEGFR T790変異を確認した症例だけであり、2017年12月時点では1次(初回)治療の適応は取得していない。

日本人肺がんの悪液質に対するanamorelin二重盲検試験の結果(ONO-7643-04)

 進行がん患者では、除脂肪体重を主体とする体重減少と食欲不振といった形で表れる悪液質がよくみられる。悪液質を有する日本のがん患者において、新たな選択的グレリン受容体アゴニストであるanamorelin(ONO-7643)の有効性と安全性を検討したONO-7643-04試験の結果が、先端医療センター研究所 片上 信之氏らによりCancer誌に発表された。

ホルモン避妊法、乳がんリスクが2割増/NEJM

 現代のホルモン避妊法をこれまで一度も使用したことがない女性と比較し、現在使用中または最近まで使用していた女性において、乳がんのリスクが高く、しかも使用期間が長いほどそのリスクは増加することが明らかとなった。デンマーク・コペンハーゲン大学のLina S. Morch氏らが、同国の女性を対象とした前向きコホート研究の結果を報告した。これまでに、エストロゲンは乳がんの発生を促進し、一方でプロゲスチンの役割はより複雑であることが示唆されていたが、現代のホルモン避妊法と乳がんリスクとの関連はほとんど知られていなかった。NEJM誌2017年12月7日号掲載の報告。

エリブリン・ペムブロリズマブ併用、トリプルネガティブ乳がんで良好な結果/サンアントニオ乳がんシンポジウム

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、自社のエリブリン(商品名:ハラヴェン)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法による転移性トリプルネガティブ乳がんを対象とした臨床第Ib/II相試験(ENHANCE1/ Study 218)のアップデート解析について、第40回サンアントニオ乳がんシンポジウムのスポットライトセッションで発表された旨を公表した。

atezolizumab併用療法、進行肺がん1次治療の第III相試験でPFSに有意差(IMpower150)/ESMO Immuno Oncology 2017

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)±ベバシズマブへのatezolizumab併用の有効性と安全性を評価した第Ⅲ相試験IMpower150の結果が、スイス・ジュネーブで開催されたESMO Immuno Oncology Congress 2017で、ドイツ・Lung Clinic GrosshansdorfのM. Reck氏より発表された。

DOACエドキサバン、がんの血栓症で低分子ヘパリンに非劣性

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は2017年12月13日同社のニュースリリースで、抗凝固薬エドキサバン(商品名:リクシアナ)による、がん合併静脈血栓塞栓症(VTE)患者を対象としたHokusai-VTE CANCER試験の結果において、エドキサバンが標準治療薬である低分子量ヘパリンのダルテパリン(国内未承認)に対して有効性および安全性に係わる主要評価項目において非劣性を達成したと発表。  本試験の結果は、米国ジョージア州アトランタで開催した第59回米国血液学会(ASH)年次総会のlate breaking sessionで発表されると共に、New England Journal of Medicineにオンライン掲載された。

“新型タバコ”でタバコの害なくせますか?

 世界保健機構(WHO)によれば、世界では年間700万人がタバコ類の使用により命を落としている。また、禁煙の早期実施により肺がんの発生が少なくなることも明らかになり、タバコを巡る規制は世界的に強まっている。そのような中、電子タバコや非燃焼加熱式タバコ(Heat–Not-Burn、以下HNB)といった“新型タバコ”の市場が拡大している。