腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:340

HPVワクチン、複数回接種の費用対効果/JAMA

 2価と4価のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの、接種回数と費用対効果について、英国・イングランド公衆衛生局(Public Health England:PHE)のMark Jit氏らが伝播モデルをベースに検討した。その結果、仮に2回接種による防御効果が10年しか持続せず、3回接種の効果が生涯持続するのなら、そのほうが費用対効果は高いこと、一方で2回接種の効果が20年超持続するのなら、2回接種が最適な選択肢であることを明らかにした。2価/4価HPVワクチンは、長期にわたりHPV16/18への防御効果をもたらす可能性が示されているが、その正確な期間・規模について、3回接種の場合と比較した検討はこれまで行われていなかった。BMJ誌オンライン版2015年1月7日号掲載の報告より。

ステージIV大腸がんの原発巣切除率が減少、生存率は増加

 近年の効果的な新薬の登場により、ステージIV大腸がんにおいて原発巣切除はすべての患者で必須とはいえなくなっている。米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのChung-Yuan Hu氏らは、米国におけるステージIV大腸がんでの原発巣切除実施と生存率の年次推移を検討した。それによると、1988年にはステージIV大腸がん患者の4人に3人が原発巣切除を受けていたが、2001年を境に切除率の減少が大きくなり、2010年には6割を切っていた。生存率は原発巣切除率の減少にもかかわらず改善した。著者らは「原発巣切除が不要な患者に対しても、いまだ切除が実施されている可能性があり、実際の治療はエビデンスに基づく治療ガイドラインより遅れている」と指摘している。JAMA surgeryオンライン版2015年1月14日号に掲載。

前糖尿病の生活改善で膵がん予防の可能性/BMJ

 前糖尿病状態を早期に発見し生活様式を改善することで、膵がんの発症が抑制される可能性があることが、国立台湾大学医学院のWei-Chih Liao氏らの検討で示された。膵がんは、最も致死性の高いがんであり、2型糖尿病はその確立されたリスク因子である。2型糖尿病の前駆病態である前糖尿病は、膵がんのリスク因子である可能性があり、生活様式の変更によって改善することから、膵がんの予防戦略として関心を集めている。BMJ誌2015年1月2日号掲載の報告。

がん検診、過剰診断の回避に向けた第一歩/BMJ

 米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJamie L Carter氏らは、がん検診の過剰診断を定量化・モニタリングする最適な方法についてシステマティックレビューにより検討した。その結果、複数設定に基づく実行性が良好な生態学的およびコホート試験が、最も適した手法であることを報告した。さらなる検討により国際標準指標を確立すること、および公平な多国籍の研究者チームによる分析の継続が必要であるとまとめている。これまで行われたがん検診の過剰診断に関する研究は、さまざまな手法が用いられ、非常にばらつきのある結果が示されている。それら相反する結果を解釈するために各方法論をどのように評価すればよいのか、またより良い試験方法について明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2015年1月7日号掲載の報告より。

4価HPVワクチン接種、多発性硬化症と関連なし/JAMA

 4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種は、多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症とは関連がないことが、デンマーク・Statens Serum研究所のNikolai Madrid Scheller氏らの調査で示された。2006年に4価、その後2価ワクチンが登場して以降、HPVワクチンは世界で1億7,500万回以上接種されているが、多発性硬化症のほか視神経炎、横断性脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、視神経脊髄炎などの脱髄疾患との関連を示唆する症例が報告されている。ワクチンが免疫疾患を誘発する可能性のある機序として、分子相同性や自己反応性T細胞活性化が指摘されているが、HPVワクチンが多発性硬化症のリスクを真に増大させるか否かは不明であった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告。

ホジキンリンパ腫のABVD、BとDの除外は可能か/Lancet

 ドイツ・ホジキン研究グループ(GHSG)によるHD10試験では、早期ホジキンリンパ腫(HL)のfavourable risk例の治療として、ABVD(ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)レジメンを2サイクル施行後に総線量20Gyの放射線区域照射(IFRT)を行い、5年生存率(OS)が96.6%、5年無治療失敗(freedom from treatment failure:FFTF)率は91.2%と良好な成績が得られている。一方、HL患者の治療関連副作用は30年以上持続するとの報告があり、さらなる安全性の改善が求められている。そこで、GHSGは、ABVDからのブレオマイシンとダカルバジンの除外の可能性の検討を目的にHD13試験を行った。研究の詳細はLancet誌オンライン版2014年12月21日号に掲載された。

エンテカビル、R-CHOP後のHBV関連肝炎を0%に/JAMA

 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)で、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)療法を受ける患者に対し、エンテカビル(商品名:バラクルード)の投与は同療法後のB型肝炎ウイルス(HBV)関連肝炎の予防効果が高いことが判明した。発生率は0%に抑制できたという。中国・中山大学がんセンターのHe Huang氏らが、第III相無作為化非盲検試験の結果、報告した。JAMA誌2014年12月17日号掲載の報告より。

再発リスク高い閉経前乳がん、卵巣抑制で転帰改善/NEJM

 ホルモン受容体陽性の閉経前乳がん女性の治療では、タモキシフェン(TAM)による術後ホルモン療法が推奨されている。また、これらの患者では卵巣でのエストロゲン産生の抑制が再発を低減することが知られている。そこで、オーストラリア・メルボルン大学のPrudence A FrancisらInternational Breast Cancer Study Group(IBCSG)は、術後TAM療法への卵巣抑制療法の追加の有用性を検討し、再発リスクが高い患者で転帰の改善が得られる可能性があることを確認した。NEJM誌2014年12月11日号掲載の報告。

前立腺がん、診断後の身体活動が生存率上げる

 前立腺がん診断後の身体活動と死亡率との関連を調べた研究はほとんどない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のStephanie E. Bonn氏らは、前立腺がん診断後の身体活動が全死亡率および前立腺がん特異的死亡率に影響を与えるかどうかを、大規模コホートで検討した。その結果、身体活動性の高さが全死亡率および特異的死亡率の低下と関連することが示された。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2014年12月19日号に掲載。

乳がん術後化学療法後の骨髄新生物リスク

 早期乳がんに対する第1世代の術後補助化学療法による試験では、骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病の8年累積発症率は0.27%であった。しかし、フォローアップが十分になされていなかったため、その後の治療関連骨髄新生物のリスクを過小評価している可能性がある。今回、米国ジョンズ・ホプキンス大学シドニー・キメル総合がんセンターのAntonio C. Wolff氏らが、全米総合がん情報ネットワーク(NCCN)乳がんデータベースを用いた早期乳がんの大規模コホートで、骨髄新生物の発症頻度を調査した結果をJournal of clinical oncology誌オンライン版2014年12月22日号に報告した。