腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:342

第3世代EGFR-TKI、既存TKI耐性のNSCLCに有効/NEJM

 開発中の上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるAZD9291は、既存のEGFR-TKIに耐性となった非小細胞肺がん(NSCLC)に対し高い抗腫瘍効果を発揮することが、米国・ダナファーバーがん研究所のPasi A Janne氏らの検討で示された。 EGFR T790M変異は、 EGFR 変異を認める肺がん( EGFR 変異陽性肺がん)患者のEGFR-TKIに対する薬剤耐性の獲得機構として最も頻度が高いとされる。AZD9291は、EGFR-TKI活性化変異およびT790M耐性変異を選択的かつ不可逆的に阻害する第3世代の経口EGFR-TKIで、前臨床モデルではこれらの変異の双方に有効であることが確認されている。NEJM誌2015年4月30日号掲載の報告より。

EGFR遺伝子変異検査、アジアで高い実施率

 ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社(本社:東京都品川区)は2015年4月、肺がん専門医を対象としたの国際調査の結果を発表。この国際調査は、進行非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の診断、遺伝子変異検査、治療実態について把握することを目的として、10ヵ国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、スペイン、台湾、英国、米国)、562人の医師を対象に行われた。調査期間は2014年12月~2015年1月。ベーリンガーインゲルハイムがスポンサーとなり実施され、本年(2015年)の欧州肺癌学会議(ELCC)において発表された。

大腸がんスクリーニングは何歳まですべき?/BMJ

 ガイドラインは高齢者(50~74歳)のがんスクリーニングについて、スクリーニングの恩恵がもたらされるよう平均余命を考慮して実施することを推奨している。米国・サンフランシスコ退役軍人医療センターのVictoria Tang氏らは、高齢者に対する大腸がんスクリーニングについて、どれくらいの平均余命を考慮すればよいのか、軟性S状結腸鏡を用いたスクリーニング試験の生存メタ解析を行い検討した。結果、おおよそ10年超の平均余命を有する高齢者については実施されるべきであることが明らかになったという。BMJ誌オンライン版2015年4月16日号掲載の報告より。

ニボルマブ、非小細胞肺がん(非扁平上皮がんを除く)の効能追加承認を申請

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁) は、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、2015年4月22日、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(非扁平上皮がんを除く)」に対する効能追加承認申請を行った。

ペムブロリズマブ、進行非小細胞肺がんに有用/NEJM

 現在の進行非小細胞肺がん(NSCLC)の標準治療の全生存期間(OS)中央値は約1年にすぎず、新たな治療薬の開発が切望されている。米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校のEdward B Garon氏らは、進行NSCLCに対する免疫チェックポイント阻害薬ペンブロリズマブ(国内未承認)の国際的な第I相試験(KEYNOTE-001試験、Merck社の助成による)を行い、副作用プロファイルは許容範囲内であり、持続性の抗腫瘍活性を発揮することを示した。研究の成果は、米国がん学会(AACR、2015年4月18~22日、フィラデルフィア)で発表され、4月19日号のNEJM誌オンライン版に掲載された。

うつ病と抗うつ薬治療は乳がんリスクに影響しているのか

 うつ病および抗うつ薬の使用がそれぞれ乳がんのリスクを高めるという仮説があるが、これらに同時に曝露した場合を考慮した先行研究はなく、うつ病によるリスク上昇が抗うつ薬使用に起因したものか、あるいはそうでないのかは未解決であった。米国マサチューセッツ大学アマースト校のKW Reeves氏らは、うつ病と抗うつ薬の使用を同時に考慮したモデルを用いて、乳がんリスクに及ぼす影響を検討した。その結果、うつ病は乳がんリスクと関連しなかったこと、抗うつ薬がわずかであるが乳がんのリスクを増加させ、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)によるリスク上昇が確認されたことを報告した。Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention誌2015年4月号の掲載報告。

ニボルマブの非扁平上皮NSCLC試験早期終了

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ランベルト・アンドレオッティ)は2015 年4月21日、既治療の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対するニボルマブ(商品名:オプジーボ)の第III相非盲検無作為化試験(CheckMate-057)の結果について、独立データモニタリング委員会がニボルマブ投与群は対照群に対して優れた全生存期間(OS)を示し評価項目を達成したと結論付けたため、試験を早期に終了したと発表した。

ニボルマブとイピリムマブの併用、悪性黒色腫に優れた有効性

 米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ランベルト・アンドレオッティ)は2015年4月20日、未治療の進行期悪性黒色腫患者を対象としたニボルマブ(商品名:オプジーボ)・イピリムマブ併用療法とイピリムマブ単剤療法を比較する第II相試験(CheckMate-069試験)の結果を発表した。

未治療の高齢CLL、オファツムマブ併用でPFS延長/Lancet

 未治療の高齢者または併存疾患を有する慢性リンパ球性白血病(CLL)の治療において、標準治療薬であるクロラムブシル(国内未承認)にオファツムマブ(商品名:アーゼラ)を併用すると、臨床転帰が大きく改善され副作用プロファイルは管理可能であることが、英国・セントジェームズ大学病院のPeter Hillmen氏らが行ったCOMPLEMENT 1試験で示された。若年者や他の疾患がみられないCLL患者の標準治療は、プリン類似体であるフルダラビンをベースとする多剤併用レジメンであるが、高齢者や併存疾患を有する患者の多くは耐用不能である。オファツムマブは、リツキシマブとは異なる作用機序を持つヒト型抗CD20モノクローナル抗体であり、臨床試験でフルダラビン抵抗性CLLへの有効性が確認されている。Lancet誌オンライン版2015年4月13日号掲載の報告より。