腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:344

過剰診断についての情報を含むリーフレットを使うことは乳がん検診のインフォームド・チョイスの支援となるか(解説:山本 精一郎 氏)-323

 この論文は、過去2年間、乳がん検診を受けなかった者をランダムに2群に分け、片方にはリーフレットによって検診による死亡率減少効果と偽陽性についての情報を与え、もう片方にはそれに加えて過剰診断についての情報を、やはりリーフレットによって与えることによって、乳がん検診による知識が高まるか、検診を受けるかどうかのインフォームド・チョイスをする割合が高まるかを調べた研究である。結果、知識も上昇し、インフォームド・チョイスも上昇した。知識が上がった部分は、主に過剰診断に関する項目のおかげであり、インフォームド・チョイスによって検診を受けるという意図を持った者は、少し減少したという結果であった。

ブレークスルーとなるか、がん免疫チェックポイント阻害

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:相良 暁)とブリストル・マイヤーズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ダビデ・ピラス)は2015年3月17日、「がん治療の新たな選択肢 ~がん免疫療法~」と題し、プレスセミナーを開催した。講師に、大阪大学免疫学フロンティア研究センターの西川 博嘉氏(大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任准教授)を迎え、がん免疫療法の特徴や作用機序、他の治療法との相違点などについて紹介された。

がん検診での過剰検出、人々の許容度は?/BMJ

 がん検診における「過剰検出」(症状がみられず早期死亡を引き起こすことのないがん病変をスクリーニングで検出と定義)について、一般の人々の受け止め方は事前に与えられる情報(死亡率やベネフィット)で大きく異なることが、英国・オックスフォード大学のAnn Van den Bruel氏らによるサーベイの結果、明らかにされた。乳がん、前立腺がん、腸がんスクリーニングの設定で調べたところ、腸がんスクリーニングでの過剰検出に対する許容度が有意に低かったという。著者は、「スクリーニング案内時に過剰検出の可能性やその影響に関する明確な情報を伝え、人々が情報に基づいた選択(インフォームド・チョイス)ができるようにしなければならない」と指摘している。BMJ誌オンライン版2015年3月4日号掲載の報告より。

リンパ節転移陽性早期乳がん、dose-dense FEC-Pは有益か/Lancet

 リンパ節陽性早期乳がん患者に対し、エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル(EC-P)にフルオロウラシル(F)を追加し投与間隔を短縮して行うdose-dense化学療法としてのFEC-Pは、無病生存率を有意に改善することが示された。一方で、投与間隔を短縮しない場合は、フルオロウラシルを追加しても無病生存アウトカムは改善しなかった。イタリア・IRCCS AOU San Martino-ISTのLucia Del Mastro氏らが、第III相の非盲検2×2因子無作為化試験の結果、報告した。これまで、同患者へのdose-dense化学療法としてのFEC-P療法が有益性を増大するかどうかについては、議論の的となっていた。Lancet誌オンライン版2015年2月27日号掲載の報告より。

ロボット支援脊椎手術は有用か

 転移性または原発性脊椎腫瘍患者の治療において、外科手術は重要な役割を果たしている。近年、手術支援ロボットなどの新しい技術が開発され、正確なインストゥルメンテーションの設置や合併症の減少など有望な結果が示されている。米国・Texas Health Presbyterian Hospital PlanoのXiaobang Hu氏らは、ロボット支援脊椎手術の自験例について評価し、転移性または原発性脊椎腫瘍の治療においてロボット支援システムは安全かつ有用であることを報告した。著者は、「多数例におけるさらなる検討の実施を支持する結果である」とまとめている。International Journal of Spine Surgery誌オンライン版2015年2月3日号の掲載報告。

ゴセレリン、乳がん患者の卵巣機能を保護/NEJM

 化学療法中の乳がん患者にゴセレリン(商品名:ゾラデックス)を併用することで、卵巣機能不全を予防し、早期閉経リスクの低下や、妊娠の可能性が向上することが報告された。米国・クリーブランドクリニックのHalle C.F. Moore氏らPOEMS/S0230研究グループによる無作為化試験の結果、示された。卵巣機能不全は、化学療法の頻度の高い毒性作用である。これまでに行われた卵巣機能の保護を目的としたゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)を用いた試験では、混在した結果が示され、妊娠アウトカムについてのデータは不足していた。NEJM誌2015年3月5日号掲載の報告より。