腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:360

アロマターゼ阻害薬、高リスクの閉経後女性の乳がんを予防/Lancet

 乳がんのリスクが高いと判定された閉経後の女性では、アロマターゼ阻害薬(AI)アナストロゾール(商品名:アリミデックスほか)の予防投与により、乳がんの発症が大幅に抑制され、有害事象の発現も十分に許容できるものであることが、英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のJack Cuzick氏らが実施したIBIS-II試験で示された。乳がんは女性のがんの中で最も頻度が高く、2008年には世界で約1,400万人の女性が新たに乳がんと診断されている。AIは、閉経後女性において乳がんの再発および対側乳房の新規腫瘍の発生を予防することが報告されている。本報告は、サンアントニオ乳がんシンポジウム(12月10~14日、米国、サンアントニオ市)で発表され、Lancet誌オンライン版2013年12月12日号に掲載された。

前立腺がんへのアンドロゲン除去療法での副作用、運動で改善できるか

 前立腺がんへのアンドロゲン除去療法は広く施行されているが、その有害事象により健康やQOLが損なわれることがある。これらの治療関連有害事象を改善するための方法として運動が提案されている。オーストラリア・ディーキン大学のJason R. Gardner氏らは、アンドロゲン除去療法を受けている前立腺がん患者の治療関連有害事象に対する運動の効果に関する論文の系統的レビューを行った。その結果、アンドロゲン除去療法を受けた前立腺がん患者において、適切に処方された運動は安全であり、治療誘発性の有害事象を改善する可能性があることが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年12月16日号に掲載。

道路や鉄道の騒音は乳がんリスクを増大させる?

 交通騒音への曝露はストレスや睡眠障害につながる。一方、自己申告による睡眠時間と乳がんリスクに関する研究の結果には一貫性がない。デンマークがん協会研究センターのMette Sorensen氏らは、デンマークの人口ベースのコホートにおいて、居住地における道路や鉄道の交通騒音と乳がんリスクの関連を検討した。その結果、交通騒音によりエストロゲン受容体陰性乳がんのリスクが増大する可能性が示唆された。ただし著者らは「本研究は交通騒音と乳がんに関する最初の研究であり、これらの結果は慎重に扱われるべき」としている。International Journal of Cancer誌オンライン版2013年11月8日号に掲載。

切除不能大腸がんの化学療法の選択に遺伝子解析は有効か~FOLFOX or FOLFIRI

 切除不能大腸がんの一次治療における化学療法のレジメンとして、それぞれの患者さんにFOLFOXとFOLFIRIのどちらが適切なのかを化学療法開始前に知ることはできないだろうか。韓国・亜洲大学医学部のDo Yoon Kim氏らは、切除不能大腸がん患者において、従来の治療群と、治療前遺伝子解析による計画治療群とで奏効率を比較した。その結果、治療前遺伝子解析による計画治療群、とくにFOLFOX治療患者において、奏効率の改善が認められた。Journal of Surgical Oncology誌オンライン版2013年12月7日号に掲載。