腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:384

HER1/EGFRSチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ、米国で追加適応申請

 アステラス製薬は20日、米国子会社であるアステラス ファーマ US, Inc.とジェネンテック社が米国で共同販促をする HER1/EGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)について、既承認の診断法で確認された EGFR 遺伝子変異を有する局所進行性又は転移性の非小細胞肺がんに対する一次治療の追加適応症について、米国食品医薬品局(FDA)に販売許可申請を提出したと発表した。

スタチンを服用していた人は、がん発症後もがん関連死が低い/NEJM

 がん患者におけるスタチン服用が、がん関連死低下と関連していることが示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のSune F. Nielsen氏らがデンマーク国民について検討した結果、報告したもので、NEJM誌2012年11月8日号で発表した。これまで、体内に取り込むコレステロール量の減少は、がん細胞の増殖や転移を減じる可能性が示されており、研究グループは、スタチンをがんと診断される前から服用していた人ではがん関連死亡率が低くなるとの仮説を立て、検証を行った。

精製された炭水化物の大量摂取により前立腺がんリスクが増加

食事における炭水化物の摂取は前立腺がんに関係している。今回、信頼性の高いデータを用いたスウェーデンの大規模研究から、精製された炭水化物の大量摂取が前立腺がんのリスク増加と関連することが示唆された。一方、高リスク前立腺がんとの有意な関連は認められず、精製された炭水化物を多く含む食品がすべて、前立腺がんと関連しているわけではなかった。Isabel Drake氏らがThe American journal of clinical nutrition誌オンライン版2012年11月7日号に報告。

大腸がん閉塞に対する内視鏡的ステント留置術は外科的減圧術と死亡率の差はない

急性大腸がん閉塞には、従来、外科的減圧術が実施されているが、近年、閉塞の緩和に内視鏡的大腸ステント留置術が使用されている。これらを比較するためにメタアナリシスにより解析したところ、内視鏡的大腸ステント留置術はいくつかの治療成績(1次吻合、ストーマ形成、永久的ストーマ造設など)を改善する一方、死亡率と罹患率の改善は認められなかった。イタリアVincenzo Cennamo氏らによる報告(International journal of colorectal disease誌オンライン版2012年11月15日号掲載)。

進行性乳がん患者に対するTDM-1、無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長/NEJM

 トラスツズマブエムタンシン(TDM-1)は、HER2陽性進行性乳がん患者[トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)とタキサン系薬剤による治療歴のある]に対して、ラパチニブ+カペシタビン療法と比較して無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長することが示された。毒性も低かった。TDM-1は、抗体医薬品トラスツズマブと化学療法薬のDM1が安定したリンカーにより結合した抗体薬物複合体である。カナダ・Sunnybrook Odette Cancer CentreのSunil Verma氏らEMILIA試験グループによるTDM-1の有効性と安全性を検討した第3相無作為化試験の結果は、NEJM誌2012年11月8日号(オンライン版2012年10月1日号)で発表された。

シスプラチンベースレジメンにおける静脈血栓塞栓症のリスクを検討

シスプラチンと血栓塞栓症リスク増加の関連を示唆する報告がいくつかあるが、シスプラチンベースの化学療法による静脈血栓塞栓症(VTEs)のリスクについての研究は十分ではない。米国のSonia Seng氏らは、無作為化比較試験の系統的レビューとメタアナリシスを行い、シスプラチンベースの化学療法が非シスプラチンベースの化学療法と比べて、進行固形がん患者の有意なVTEsリスクの増加と関連していることを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2012年11月13日号に掲載。

【日本癌治療学会2012】膀胱がん治療の過去と未来(筋層非浸潤性膀胱がん)

第50回日本癌治療学会学術集会(2012年10月25日~27日)のシンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」にて、大園 誠一郎氏(浜松医科大学泌尿器科)は、「筋層非浸潤性膀胱がんの治療」と題して、筋層非浸潤性膀胱がんの治療における、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)の意義、BCGの維持療法、高齢者などに対する副作用を考慮した低用量BCG、そして今後の展望について講演を行った。