耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:11

頭頸部扁平上皮がん1次治療、ニボルマブ+イピリムマブの第III相試験の結果(CheckMate-651)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年7月16日、プラチナ療法に適格な再発または転移のある頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者の1次治療としてニボルマブ(製品名:オプジーボ)とイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)の併用療法をEXTREMEレジメン(セツキシマブ+シスプラチン/カルボプラチン+フルオロウラシルと)と比較した第III相CheckMate-651試験の最新情報を発表した。  オプジーボとヤーボイの併用療法は、のPD-L1陽性(CPS20以上)患者における全生存期間で明確かつ肯定的な改善傾向を示したが、主要評価項目は達成できなかった。

COVID-19後遺障害に関する実態調査/厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策として定期的に厚生労働省で開催されている「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」の第39回(令和3年6月16日)において、「COVID-19 後遺障害に関する実態調査(中間集計報告)等」が報告された。  本報告は、2つの中間報告と1つの最終報告で構成され、(1)中等症以上を対象としたCOVID-19の後遺障害、(2)COVID-19の長期合併症の実態把握と病態理解解明、(3)COVID-19による嗅覚、味覚障害の機序と疫学、予後の解明の3つが報告された。

進行上咽頭がん、カペシタビンの術後メトロノーム療法でFFS改善/Lancet

 ハイリスク局所進行上咽頭がんにおいて、根治的化学放射線療法実施後に遠隔転移のない患者に対し、メトロノーム投与法による経口カペシタビンによるアジュバント療法を1年間行うことで、転移のない3年治療成功生存率(failure-free survival)を有意に改善したことが、中国・中山大学がんセンターのYu-Pei Chen氏らが400例超を対象に行った、第III相無作為化比較試験の結果、示された。局所進行上咽頭がん患者においては標準治療後、完全奏効を得る患者の割合が高いにもかかわらず再発のリスクが高く、効果的なアジュバント療法が切望されている。Lancet誌オンライン版2021年6月4日号掲載の報告。

遺伝性血管性浮腫患者の支援団体が稼働/遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム

 遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema:HAE)は、主に遺伝子変異が原因で血液中のC1インヒビターの低下などに起因し、体のいたるところで持続する腫れやむくみを繰り返す疾患である。皮膚手足、顔面、生殖器などが腫れた場合は、一見すると「じんま疹」に似ていることがあるが、強いかゆみを伴わないのが特徴だ。特にのどが腫れた場合、呼吸困難となり、生命の危険を来す可能性があり、早期の確定診断が必要だが、本症と診断されずに、日ごろの症状に苦しむ患者も多い。

コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

 花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。  株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。

扁平上皮頭頸部がんアジュバント、毎週CDDP+RTに軍配/日本臨床腫瘍学会

 術後再発高リスク因子(切除断端陽性、リンパ節外浸潤)を有する進行頭頸部扁平上皮がんに対する術後補助療法の標準治療は、CDDPを3週ごとに同時併用する化学放射線療法(3wCDDP+RT)である。しかし、毒性の強さ、治療のコンプライアンス、長期入院の必要性、術後の手術部位感染の懸念などから普及せず、毒性の軽い CDDPを毎週投与する化学放射線療法(wCDDP+RT)が頻用されている。ただし、wCDDP+RTのエビデンスは不足しており、標準治療である3wCDDP+RTとの無作為化比較試験も行われていない。

頭頸部がん1次治療におけるデュルバルマブ±tremelimumabの結果(KESTREL)/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2021年2月5日、再発または転移のある頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の1次治療を対象とたデュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)と標準化学療法EXTREMEレジメン(化学療法とセツキシマブ)の比較第III相KESTREL試験の結果を発表。主要評価項目であるPD-L1高発現患者での全生存期間(OS)の延長を達成しなかった。また、デュルバルマブとtremelimumabの併用療法においても、副次評価項目であるすべての患者を対象としたOSの延長は認められなかった。

光免疫療法 抗体薬物複合体アキャルックス、約20施設から順次拡大/楽天メディカルジャパン

 楽天メディカルジャパンは、2021年2月8日、光免疫療法の抗体薬物複合体であるセツキシマブ サロタロカンナトリウム(商品名:アキャルックス)、および同医薬品と組み合わせて用いる医療機器レーザ装置「BioBladeレーザシステム」を日本において2021年1月1日(レーザ機器本体は2020年12月14日)に販売を開始したと発表。また、同医薬品および医療機器による治療を開始または予定している医療機関についても、あわせて明らかにした。 治療開始施設

コロナ禍の花粉症対策にも有用、「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版」

 今年の花粉症シーズンはコロナ禍ということもあり、耳鼻咽喉科医だけではなく、多くの非専門医にも花粉症について再認識してもらうことが重要ではないだろうか。そこで、2020年7月に改訂第9版として発刊された『鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症―2020年版』の作成委員長を務めた岡野 光博氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学 教授)に本ガイドライン(GL)の改訂内容やコロナ禍で注意すべき点を伺った。

新型コロナ軽症例に出現、味覚障害以外の口腔病変とは?

 ブラジル・ブラジリア大学のDos Santos氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の口腔徴候と症状の有病率に関するエビデンスの系統的レビューを行い、味覚障害以外の口腔病変について明らかにした。Journal of Dental Research誌2021年2月号掲載の報告。  本レビューはPRISMAチェックリストに基づき、文献は6つのデータベースと灰色文献から検索されたCOVID-19患者の口腔症状と徴候に言及する研究が含まれた。バイアスのリスクはJBI(Joanna Briggs Institute)の評価ツールを用いて評価した。このレビューには33件の横断的研究と7件の症例報告の計40件の研究が含まれていた。  主な結果は以下のとおり。