コロナ罹患後症状別、持続しやすい患者/国立国際医療研究センター

提供元:ケアネット

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公開日:2023/02/28

 

 国立国際医療研究センターの森岡 慎一郎氏らの横断研究により、COVID-19回復患者の4分の1 以上で、ほとんどが急性期に軽症にもかかわらず、COVID-19の発症または診断から6、12、18、24ヵ月後に1つ以上の症状を有していることがわかった。本研究では、各症状の持続と関連する因子も検討した。Public Health誌オンライン版2023年2月13日号に掲載。

 2020年2月~2021年11月に、COVID-19から回復し国立国際医療研究センターで受診した患者に調査を実施した。人口統計学的データ、臨床データ、COVID-19罹患後症状の存在と期間に関するデータを取得し、多変量線形回帰分析を用いて、症状持続の関連因子を調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・調査した1,148例中502例(43.7%)が調査に回答し、うち393例(86.4%)はCOVID-19の急性期に軽症であった。
・発症または診断から6、12、18、24ヵ月後に、少なくとも1つの罹患後症状があった患者の割合は、順に32.3%(124/384)、30.5%(71/233)、25.8%(24/93)、33.3%(2/6)であった。
・症状が1年以上持続している患者の割合は、多い順に、記憶障害11.7%、集中力低下11.4%、嗅覚障害10.3%、ブレインフォグ9.1%、抑うつ気分7.5%、味覚障害5.9%、息切れ5.6%、倦怠感3.8%、脱毛3.5%、咳1.2%であった。
・症状持続との関連については、倦怠感、息切れ、咳の持続が中等症/重症COVID-19と関連がみられた。
・嗅覚障害の持続は、女性、基礎疾患なしと関連がみられた。
・脱毛の持続は、女性、基礎疾患なし、中等症/重症COVID-19と関連がみられた。
・抑うつ気分の持続は、若年者と関連がみられた。
・集中力低下の持続は、女性と関連がみられた。
・味覚障害、ブレインフォグ、記憶障害の持続に関連する因子はなかった。

 著者らは「この結果は、COVID-19 患者の中には、軽症であっても長期にわたって症状に苦しむ人が少なくないことを示している」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)