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2024/07/10
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小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

学校健康診断に関する報道についての見解/日医

 2024年6月に群馬県みなかみ町の小学校で行われた健康診断において、医師が本人や保護者の同意を得ずに児童の下半身を視診していたことが明らかになり、学校健康診断に関する報道が過熱している。そこで、日本医師会常任理事の渡辺 弘司氏が、6月19日の定例記者会見で、日本医師会としての学校健康診断に関する見解を明らかにした。  まず、渡辺氏は、「学校健康診断のマニュアルである『児童生徒等の健康診断マニュアル』には、健康診断時に注意すべき疾病および異常として思春期早発症への言及がある。当該医師は小児内分泌の専門医であり、医学的に診察を行ったことの妥当性はある」としつつ、「一般的な学校健康診断では、児童・生徒全例に2次性徴の診察を実施することは想定されていないことから、事前に保護者に説明する必要があった。学校設置者・学校・学校医の連携や共通認識が必要だったのではないか」と述べた。

抗ネフリン抗体、ネフローゼ症候群の活動性マーカーの可能性/NEJM

 成人の微小変化型と原発性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、および小児の特発性ネフローゼ症候群は、ネフローゼ症候群を引き起こす免疫介在性のポドサイト障害(podocytopathy)とされる。ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのFelicitas E. Hengel氏らは、循環血中の抗ネフリン抗体(自己抗体)は、微小変化型または特発性のネフローゼ症候群の患者に多くみられ、これらの疾患の活動性のマーカーと考えられるとともに、スリット膜でのこの抗体の結合がポドサイト(糸球体上皮細胞[足細胞])の機能障害とネフローゼ症候群を誘発し、これは病態生理学的な意義を示すものであることを明らかにした。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年5月25日号で報告された。

同世代・同診療科の医師の年収は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(金)に会員医師1,004人(男性:875人、女性:129人)を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その結果、80%の医師が昨年度の年収額は1,000万円以上と回答した。しかし、男女別にみると、男性では1,000万円以上が83%であったのに対し、女性は60%と男女差がみられた。  全体で最も多い年収帯は1,400~1,600万円であった(全体の14%)。年代別では、35歳以下は1,000~1,200万円(20%)、36~45歳は1,400~1,600万円(23%)が最も多かった。それ以降の世代では2,000~2,500万円が最も多く、46~55歳では16%、56~65歳および66歳以上はそれぞれ15%であった。

学校健診でのLDL-C測定、親の疾患発見にも寄与/日本動脈硬化学会

 家族性高コレステロール血症(FH)は、約300人に1人の頻度で存在する常染色体顕性(優性)遺伝性疾患である。出生時よりLDL-C高値を示し、心筋梗塞などの冠動脈疾患発症率は一般人より10倍以上高い。診断基準が明確化されているものの、診断率が低い疾患の一つある。香川県では、FHの小児を早期診断することで親のFHの診断につなげる取り組みに力を入れており、今回、南野 哲男氏(香川大学医学部 循環器・腎臓・脳卒中内科学 教授)が「小児生活習慣病予防健診により家族性高コレステロール血症(FH)のこどもと大人を守る」と題し、香川県で行われている小児生活習慣病予防健診事業3)や小児FHスクリーニングの全国展開への期待について話をした(主催:日本動脈硬化学会)。

帝王切開で生まれた児は2回の麻疹ワクチン接種が必要

 帝王切開で生まれた児は、初回の麻疹ワクチン接種だけでは予防効果を得にくいようだ。新たな研究で、経膣分娩で生まれた児に比べて帝王切開で生まれた児では、初回の麻疹ワクチン接種後に免疫を獲得できないワクチン効果不全に陥る可能性が2.6倍も高いことが示された。英ケンブリッジ大学遺伝学分野のHenrik Salje氏らによるこの研究結果は、「Nature Microbiology」に5月13日掲載された。  研究グループは、「麻疹ウイルスは感染力が非常に強く、たとえワクチン効果不全率が低くてもアウトブレイク発生のリスクはかなり高くなる」と説明する。麻疹は、鼻水や発熱などの風邪に似た初期症状が生じた後に特徴的な発疹が現れる。重症化すると失明、発作などの重篤な合併症を引き起こしたり、死に至ることもある。1963年にワクチン接種が導入される以前は、麻疹により毎年推定260万人が死亡していた。

HPVワクチン接種プログラムの効果、社会経済的格差で異なるか?/BMJ

 以前の検討によってイングランドで観察されたヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種プログラムの高い予防効果は、その後12ヵ月間の追跡調査においても継続しており、とくにワクチンの定期接種を受けた女性では、社会経済的剥奪の程度5つの段階のすべてで子宮頸がんとグレード3の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3)の発生率が大きく低下したが、剥奪の程度が最も高い地域の女性では低下の割合が最も低い状態にあることがわかった。一方で、子宮頸がんの罹患率は、ワクチン接種女性において、未接種の女性でみられる社会経済的剥奪の程度による勾配はみられなかったことが、英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のMilena Falcaro氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2024年5月15日号に掲載された。

小児期の運動不足が若年成人期の心肥大と関連

 子どもの頃の運動量と若年成人期の心臓の大きさとの間に有意な関連があり、運動不足だった子どもは成人後に心肥大が見られるとする研究結果が報告された。東フィンランド大学のAndrew Agbaje氏の研究によるもので、詳細は「European Journal of Preventive Cardiology」に5月7日掲載された。  心肥大とは心臓のサイズや重量が過度に増大した状態であり、成人の心肥大は心血管疾患や早期死亡といったイベントのリスクを高める。小児期にはそのようなイベントの発生は少ないものの、心肥大自体は後年のリスク上昇につながる可能性がある。一方、成人では適度な運動が心血管の健康増進に役立つことが広く認識されている。しかし、小児期の運動習慣が心臓の形態に与える影響についてはよく分かっていない。これらを背景としてAgbaje氏は、子どもの運動習慣が、その後の心臓の形態や機能に及ぼす影響について、縦断的に検討した。

風邪の予防・症状改善に亜鉛は有用か?~コクランレビュー

 風邪症候群の予防や症状持続期間の短縮に関して、確立された方法はいまだ存在しない。しかし、この目的に亜鉛が用いられることがある。そこで、システマティック・レビューおよびメタ解析により、風邪症候群の予防や症状改善に関する亜鉛の効果が検討された。その結果、亜鉛には風邪症候群の予防効果はないことが示唆されたが、症状持続期間を短縮する可能性が示された。Maryland University of Integrative HealthのDaryl Nault氏らがThe Cochrane Database of Systematic Reviews誌2024年5月9日号で報告した。

腕に貼る麻疹・風疹ワクチンは乳幼児に安全かつ有効

 予防接種の注射を嫌がる子どもに、痛みのないパッチを腕に貼るという新たなワクチンの接種方法を選択できるようになる日はそう遠くないかもしれない。マイクロニードルと呼ばれる微細な短針を並べたパッチ(microneedle patch;MNP)を腕に貼って経皮ワクチンを投与する方法(マイクロアレイパッチ技術)で麻疹・風疹ワクチン(measles and rubella vaccine;MRV)を単回接種したガンビアの乳幼児の90%以上が麻疹から保護され、全員が風疹から保護されたことが、第1/2相臨床試験で示された。英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の医学研究評議会ガンビアユニットで乳児免疫学の責任者を務めるEd Clarke氏らによるこの研究結果は、「The Lancet」に4月29日掲載された。  Clarke氏は、「マイクロアレイパッチ技術による麻疹・風疹ワクチン投与(MRV-MNP)はまだ開発の初期段階にあるが、今回の試験結果は非常に有望であり、多くの関心や期待を呼んでいる。本研究により、この方法で乳幼児にワクチンを安全かつ効果的に投与できることが初めて実証された」と語る。

ワクチン接種、50年間で約1億5,400万人の死亡を回避/Lancet

 1974年以降、小児期の生存率は世界のあらゆる地域で大幅に向上しており、2024年までの50年間における乳幼児の生存率の改善には、拡大予防接種計画(Expanded Programme on Immunization:EPI)に基づくワクチン接種が唯一で最大の貢献をしたと推定されることが、スイス熱帯公衆衛生研究所のAndrew J. Shattock氏らの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年5月2日号に掲載された。  研究グループは、EPI発足50周年を期に、14種の病原菌に関して、ワクチン接種による世界的な公衆衛生への影響の定量化を試みた(世界保健機関[WHO]の助成を受けた)。  モデル化した病原菌について、1974年以降に接種されたすべての定期および追加ワクチンの接種状況を考慮して、ワクチン接種がなかったと仮定した場合の死亡率と罹患率を年齢別のコホートごとに推定した。