小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:6

25年度の「骨太の方針」に要望する3つの事項/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は、定例の記者会見を3月5日に開催した。会見では、先般衆議院を通過した令和7(2025)年度の予算案について内容に言及するとともに、5月31日の「世界禁煙デー」での取り組みなどが説明された。  はじめに松本氏が、「令和7年度予算案の衆議院通過を受けて」をテーマに、今回の予算内容や医療全般、医師会とのかかわり、今後さらに要望していくべき事項などを説明した。

小児ADHDの作業記憶に対して最も好ましい運動介入は〜ネットワークメタ解析

 注意欠如多動症(ADHD)は、小児によくみられる神経発達障害であり、作業記憶障害を伴うことが多い疾患である。最近、小児ADHDの認知機能改善に対する潜在的な戦略として、運動介入が注目されている。しかし、さまざまな運動介入が作業記憶に及ぼす影響は、明らかとなっていない。中国・北京師範大学のXiangqin Song氏らは、さまざまな運動介入が小児ADHDの作業記憶に及ぼす影響を評価するため、ネットワークメタ解析を実施した。Frontiers in Psychology誌2025年1月27日号の報告。  関連する研究を、各種データベース(PubMed、Cochrane、Embase、Web of Science)より包括的に検索した。包括基準および除外基準に従ってスクリーニングした後、17件の研究が分析対象に特定された。ネットワークメタ解析を実施してデータを統合し、認知有酸素運動、球技、心身運動、インタラクティブゲーム、一般的な有酸素運動が小児ADHDの作業記憶に及ぼす影響を評価した。

若年性特発性関節炎に伴うぶどう膜炎、アダリムマブは中止できるか/Lancet

 アダリムマブによりコントロールされている若年性特発性関節炎に伴うぶどう膜炎の患者において、アダリムマブの投与を中止すると、ぶどう膜炎、関節炎、あるいはその両方の再発率が高くなるが、投与を再開すると、治療失敗の全例で眼炎症のコントロールが回復することが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のNisha R. Acharya氏らADJUST Study Groupが実施した「ADJUST試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2025年1月25日号に掲載された。  ADJUST試験は、若年性特発性関節炎に伴うぶどう膜炎における治療中止の有効性と安全性の評価を目的とする二重マスク化無作為化プラセボ対照比較試験であり、2020年3月~2024年2月に、米国、英国、オーストラリアの20の眼科またはリウマチ科の施設で患者を登録した(米国国立衛生研究所[NIH]眼病研究所[NEI]の助成を受けた)。

米国、中絶禁止法施行の州で乳児死亡率が上昇/JAMA

 米国において中絶禁止法を導入した州では、施行後の乳児死亡率が、施行前の乳児死亡率に基づく予測値と比べて上昇したことが明らかにされた。乳児死亡の相対増加率は、先天異常による死亡で大きく、黒人や南部の州などベースラインの乳児死亡率が平均より高い集団でも大きかったという。米国・ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のAlison Gemmill氏らが報告した。最近の中絶禁止法の施行が乳児死亡率に及ぼす影響については十分に理解されておらず、また、中絶禁止法が乳幼児の健康における人種的・民族的格差とどのように相互作用するかについてはエビデンスが限られていた。JAMA誌オンライン版2025年2月13日号掲載の報告。

コロナ関連の小児急性脳症、他のウイルス関連脳症よりも重篤に/東京女子医大

 インフルエンザなどウイルス感染症に伴う小児の急性脳症は、欧米と比べて日本で多いことが知られている。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症においても、小児に重篤な急性脳症を引き起こすことがわかってきた。東京女子医科大学附属八千代医療センターの高梨 潤一氏、東京都医学総合研究所の葛西 真梨子氏らの研究チームは、BA.1/BA.2系統流行期およびBA.5系統流行期において、新型コロナ関連脳症とそれ以外のウイルス関連脳症の臨床的違いを明らかにするために全国調査を行った。

スポーツで子どもの学力がアップ?

 10代前半でスポーツを行っている子どもは、10代後半になった時点での学力が良好という有意な関連のあることが報告された。モントリオール大学(カナダ)のLinda Pagani氏らの研究によるもので、論文が「Children」に9月20日掲載され、同大学からニュースリリースが1月16日に発行された。構造化された競技に参加している子どもは性別を問わず、高校卒業資格を取得する割合が高く、また女子については審美系競技に参加している場合に学力も高くなるという関連も示されたという。  スポーツと学力との関連については既に複数の研究報告が存在するが、成績に良い影響を与えるとする結果もあれば、反対に成績の低下と関係しているという結果が混在している。また、これまでの研究の大半は横断研究であり、因果関係が不明。さらに、性別の違いが十分考慮されていないといった、解釈上の限界点があった。これを背景にPagani氏らは、カナダで行われている児童・青少年対象の縦断研究のデータを用いた解析を行った。

軽症例が多かった2023年の救急搬送の現状/消防庁

 総務省消防庁は、1月24日に「令和6年版 救急・救助の現況」を公表した。2023(令和5)年の救急出動件数(消防防災ヘリコプターを含む)は764万987件、搬送人員は664万3,379人だった。また、現場到着所要時間の平均は約10.0分だった。  救急出動件数は全体で764万987件(対前年比40万8,869件増、5.7%増)、搬送人員は664万3,379人(対前年比42万4,080人増、6.8%増)で前年と比較して救急出動件数、搬送人員ともに増加した。

自閉スペクトラム症の易怒性に対するメトホルミン補助療法の有用性

 糖尿病治療薬は、自閉スペクトラム症(ASD)の症状緩和に有効であることが示唆されている。しかし、メトホルミンがASDに伴う易怒性に及ぼす影響についての臨床研究は、不十分である。イラン・テヘラン医科大学のZahra Bazrafshan氏らは、小児ASD患者の易怒性に対するリスペリドン+メトホルミン補助療法の有効性および安全性を評価するため、10週間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2024年12月15日号の報告。

ネグレクトは子どもの発達にダメージを与え得る

 ネグレクトは身体的虐待や性的虐待、感情的虐待と同様に子どもの社会的発達にダメージを与え得ることを示した研究結果が明らかになった。基本的な欲求が満たされない子どもは、友人関係や恋愛関係を築く能力が生涯にわたって損なわれる可能性があるという。米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校社会学分野のChristina Kamis氏と米ノートルダム大学社会学分野のMolly Copeland氏による研究で、詳細は「Child Abuse and Neglect」2024年12月号に掲載された。  Kamis氏らは、思春期の子どもの健康状態を成人期まで追跡調査している米連邦政府の長期研究(National Longitudinal Study of Adolescent to Adult Health;Add Health)調査参加者9,154人のデータを分析し、マルトリートメント(ネグレクトや虐待などの不適切な養育)が参加者の社会性や仲間からの人気度、社会と強固なつながりを築く能力に及ぼす影響について調べた。参加者は、7~12年生時(1994〜1995年)に初回の調査を受け、その後、第3次調査(2001〜2002年)および第4次調査(2008〜2009年)も受けていた。

血液検査でワクチン効果の持続期間が予測できる?

 幼少期に受けた予防接種が、麻疹(はしか)や流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)から、われわれの身を守り続けている一方、インフルエンザワクチンは、毎年接種する必要がある。このように、あるワクチンが数十年にわたり抗体を産生するように免疫機能を誘導する一方で、他のワクチンは数カ月しか効果が持続しない理由については、免疫学の大きな謎とされてきた。米スタンフォード大学医学部の微生物学・免疫学教授で主任研究員のBali Pulendran氏らの最新の研究により、その理由の一端が解明され、ワクチン効果の持続期間を予測できる血液検査の可能性が示唆された。