小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:110

「シンバイオティクス」がアトピー性皮膚炎治療に有望

 アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患に罹患しやすい免疫環境を助長する腸内細菌叢の変化と関連している可能性があることから、アトピー性皮膚炎の予防と治療に、プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスが用いられるようになってきた。台湾・国立陽明大学のYung-Sen Chang氏らによるメタ解析の結果、シンバイオティクスは、とくに混合細菌を用いた場合と1歳以上の小児に用いた場合に、治療効果が認められることを報告した。ただし、アトピー性皮膚炎の1次予防効果に関しては、さらなる研究が必要だとまとめている。JAMA Pediatrics誌オンライン版2016年1月25日号の掲載報告。

妊娠後期のビタミンD補給で子供の喘鳴を予防できるか/JAMA

 母親が妊娠後半(妊娠7ヵ月以降)にビタミンD3を補給しても、生まれた子の持続性喘鳴のリスクは低下しないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学のBo L. Chawes氏らが行った単一施設での二重盲検無作為化比較試験で明らかとなった。この試験は、コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究2010(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood 2010 :COPSAC2010)の一環として行われたもの。これまで、観察研究において妊娠中のビタミンD摂取量増加により子の喘鳴を予防できる可能性が示唆されていたが、妊婦へのビタミンD投与による予防効果について検証はされていなかった。JAMA誌オンライン版2016年1月26日号掲載の報告。

妊娠中のビタミンD補充は子供の喘息予防に有効か/JAMA

 出生後の子供の喘息リスクが高い妊婦では、ビタミンDの補充により妊娠後期のビタミンD値が有意に上昇したが、子供が3歳までに喘息または再発喘鳴を来すリスクは低下傾向を認めたものの有意ではなかったとの研究成果を、米国ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のAugusto A Litonjua氏らが、JAMA誌2016年1月26日号で報告した。喘鳴は出生から数週で始まり、その発生に関与する出生前の決定因子の存在が示唆されている。ビタミンDは、胎児期~出生後早期の肺および免疫系の発育に影響を及ぼし、妊娠期のビタミンDの欠乏は早期の喘息や喘鳴の発症に重要な役割を果たしている可能性があるという。

小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は

 小児および青年に対する抗精神病薬の使用は、米国のみならず欧州においても大幅に増加している。しかし、小児に対する第2世代抗精神病薬(SGA)の心臓への安全性に関するエビデンスは限られている。スペイン・Sant Joan de Deu病院のJose A Alda氏らは、小児および青年に対するSGAの心臓への副作用を評価し、臨床、人口統計、治療因子による影響を検討した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年1月18日号の報告。

小児がんサバイバーの晩期死亡率の改善、治療曝露量の減量が寄与/NEJM

 5年生存を達成した小児がん患者の晩期死亡率を低減する治療戦略として、治療曝露量の減量が有効であることが、米国・聖ジュード小児研究病院のGregory T. Armstrong氏らの調査で明らかとなった。米国で1970~80年代に小児がんと診断され、5年生存を達成した患者の18%が、その後の25年以内に死亡している。そのため、最近の小児がん治療の目標は、晩発性の生命を脅かす作用をいかに減じるかに置かれているという。NEJM誌オンライン版2016年1月13日号掲載の報告より。

学校でのADHD児ペアレンティング介入の実現性は

 英国・ノッティンガム大学のJohn A. Taylor氏らは、重度の注意欠如・多動症(ADHD)症状を抱える子供たちの親や教師のための、学校をベースとしたペアレンティング介入プログラムの実現性と受容性を検討する目的で、質的なプロセスを評価する実践的クラスター無作為化比較試験を実施した。その結果、学校内もしくは学校周辺でのペアレンティングプログラムは実施可能で受容性があることが示唆された。著者らは、今回の結果が、学校環境におけるペアレンティングプログラムへの参加を促すためのサービス提供や今後の研究に役立つとする一方で、「プログラムの継続率は高いが、参加者の募集が難しく、介入を最も必要としている親にプログラムを届けることが今後の課題」と述べている。BMC Psychiatry誌2015年11月17日号の掲載報告。