小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:109

小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は

 小児および青年に対する抗精神病薬の使用は、米国のみならず欧州においても大幅に増加している。しかし、小児に対する第2世代抗精神病薬(SGA)の心臓への安全性に関するエビデンスは限られている。スペイン・Sant Joan de Deu病院のJose A Alda氏らは、小児および青年に対するSGAの心臓への副作用を評価し、臨床、人口統計、治療因子による影響を検討した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年1月18日号の報告。

小児がんサバイバーの晩期死亡率の改善、治療曝露量の減量が寄与/NEJM

 5年生存を達成した小児がん患者の晩期死亡率を低減する治療戦略として、治療曝露量の減量が有効であることが、米国・聖ジュード小児研究病院のGregory T. Armstrong氏らの調査で明らかとなった。米国で1970~80年代に小児がんと診断され、5年生存を達成した患者の18%が、その後の25年以内に死亡している。そのため、最近の小児がん治療の目標は、晩発性の生命を脅かす作用をいかに減じるかに置かれているという。NEJM誌オンライン版2016年1月13日号掲載の報告より。

学校でのADHD児ペアレンティング介入の実現性は

 英国・ノッティンガム大学のJohn A. Taylor氏らは、重度の注意欠如・多動症(ADHD)症状を抱える子供たちの親や教師のための、学校をベースとしたペアレンティング介入プログラムの実現性と受容性を検討する目的で、質的なプロセスを評価する実践的クラスター無作為化比較試験を実施した。その結果、学校内もしくは学校周辺でのペアレンティングプログラムは実施可能で受容性があることが示唆された。著者らは、今回の結果が、学校環境におけるペアレンティングプログラムへの参加を促すためのサービス提供や今後の研究に役立つとする一方で、「プログラムの継続率は高いが、参加者の募集が難しく、介入を最も必要としている親にプログラムを届けることが今後の課題」と述べている。BMC Psychiatry誌2015年11月17日号の掲載報告。

ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか

 デンマーク・南デンマーク大学のOle Jakob Storeboe氏らは、小児および青少年の注意欠陥・多動性障害(ADHD)に対するメチルフェニデートの有益性と有害性を調査するため、コクラン・システマティックレビューを実施した。その結果、ADHDと診断された小児および青少年において、メチルフェニデートは教師の評価によるADHD症状と一般行動、ならびに保護者の評価による患児のQOLを改善する可能性があることが示唆された。しかし、解析に組み込まれた試験はバイアスリスクが高くエビデンスの質は非常に低かったことから、著者らは「メチルフェニデートの効果の大きさについてはまだ不明である」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年11月25日号の掲載報告。

経鼻インフルエンザワクチン、卵アレルギー児も接種可?/BMJ

 卵アレルギーのある未成年者(2~18歳)を対象に、卵成分を含む弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)の安全性について検討した結果、卵アレルギーのある児でLAIVによる全身性アレルギー反応が起きるリスクは低く、またコントロール良好な喘息児への同接種について忍容性が認められるとの見解が示された。英国インペリアル・カレッジ・ロンドンPaul J Turner氏らが国内30施設778例を対象とした非盲検第IV相介入試験の結果、報告した。英国では小児予防ワクチンスケジュールに経鼻LAIVが導入されたが、卵アレルギーは頻度が高く、就学前児童では2~6%に及ぶとされる。卵アレルギーや喘息を有する未成年者へのLAIV接種に関する安全性データは限定的で、ガイドラインの中には、喘息持ちの5歳未満児でのLAIV接種は避けるよう勧告するものもあった。BMJ誌オンライン版2015年12月8日号掲載の報告。

うつ病の新規発症予防へ、早期介入プログラム

 うつ病の新規発症への認知行動予防(CBP)プログラムは、早期に開始するほど有効であり、6年後も明らかな効果がみられるなど持続的効果があることが明らかにされた。米国・ピッツバーグ大学医学部のDavid A. Brent氏らが、通常ケアと比較した無作為化比較試験の結果、報告した。両親がうつ病歴を有する子供は、青年期にうつ病や機能障害を発症するリスクがある。しかし、青年期うつや機能障害に対する予防プログラムの長期効果については知られていなかった。今回の結果を踏まえ、著者らは「CBPの効果は、ブースターセッションの追加や両親のうつ病に対する同時治療により増強される可能性がある」と述べている。JAMA Psychiatry誌2015年11月号の掲載報告。

双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴

 双極性障害と強迫症の併存は小児期・思春期および双極I型障害患者に多いことが、イタリア・パルマ大学のA. Amerio氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにされた。ただし、著者らは、本研究の限界として「ほとんどの研究は、真の自我異和的な強迫観念と抑うつ的な反芻の区別において感度の低い後ろ向き評価尺度を使用しているため、強迫症状の有病率を過大評価する方向へバイアスが生じている可能性がある」と述べている。Journal of Affective Disorders誌2015年11月1日号の掲載報告。