難治性てんかんに対するレベチラセタムの評価:群馬大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/11/04 レベチラセタムは、良好な忍容性を有しており、さまざまな発作型やてんかん症候群に対し有効な薬剤である。しかし、MRI所見や知的障害の有無に基づいた、子供の難治性てんかんに対するレベチラセタムの有効性を評価した研究はなかった。群馬大学の村松 一洋氏らは、子供の難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有効性、安全性を評価した。Brain & development誌オンライン版2016年10月13日号の報告。 著者らは、以下の基準を満たす小児患者49例に対するレベチラセタムの有効性、安全性を評価した。 (1)2年以上、第1選択の抗てんかん薬で治療を行っている、難治性てんかんと診断された患者 (2)20歳未満の患者 (3)6ヵ月以上、経口レベチラセタム治療を受けた患者 上記患者に対する、MRI所見と認知障害の状態との関係を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・患者18例(37%)において、発作頻度50%以上減少を達成した。 ・患者22例(45%)は、レベチラセタム投与前に7剤以上の抗てんかん薬で治療されていた。 ・発作頻度50%以上減少を達成した18例のうち、MRI所見は13例が負、5例が正であった。また、認知障害は9例で認められた。 著者らは「本知見では、症候性病因(MRI病変、認知障害)を有する小児難治性てんかん患者に対するレベチラセタム治療は、有効であり、副作用は許容可能である」としている。 関連医療ニュース 難治性てんかん重積状態への有用な対処法 難治性てんかん患者へのケトン食療法、その有効性は 日本人難治性てんかん、レベチラセタムは有用か 抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Muramatsu K, et al. Brain Dev. 2016 Oct 13. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] 【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(5)(2019/01/08) 【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(4)(2018/08/15) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2(2018/04/07) 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31)