小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:108

早産児に対する7つの人工換気療法を比較/JAMA

 早産児に対する非侵襲的人工換気療法について7つの戦略を比較した結果、非侵襲的サーファクタント投与(less invasive surfactant administration:LISA)戦略が最良であることが示された。カナダ・マックマスター大学のTetsuya Isayama氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、月経後年齢36週時点の複合アウトカム(死亡と気管支肺異形成[BPD])の尤度が同戦略で最も低かったという。ただし結果について著者は、「全体的にエビデンスの質が低く、質の高い試験での裏付けに乏しく、所見は限定的なものである」と述べている。JAMA誌2016年8月9日号掲載の報告。

アーミッシュの生活環境が喘息リスクの低下に関与/NEJM

 アーミッシュとフッタライト(いずれもキリスト教の一派で、伝統的な生活様式で農業を営むコミュニティ集団)の子供たちは、生活様式や遺伝的系統が類似しているにもかかわらず喘息有病率が大きく異なっていた。その背景には自然免疫反応の形成や誘導の違いがあり、アーミッシュの生活環境は喘息に対して予防的に働くことが示唆されたという。米国・シカゴ大学のMichelle M. Stein氏らが、ヒトとマウスの研究から明らかにした。アーミッシュは畑仕事や移動に馬を使用するなど伝統的な農業を行っており、フッタライトは工業化された農業技術を用いるという点で、とくに違いがみられる。以前の研究でこの両集団の喘息発症率に顕著な違いがあることが示唆されていたが、その違いに関与する免疫反応については不明であった。NEJM誌2016年8月4日号掲載の報告。

PDE4阻害薬軟膏、小児・成人のアトピー性皮膚炎に有用

 アトピー性皮膚炎に対し、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬のcrisaborole軟膏は、有効性のすべての評価項目を改善し良好な安全性プロファイルを示したことが報告された。米国・ノースウェスタン大学のAmy S. Paller氏らが行った、アトピー性皮膚炎の小児と成人を対象に行った第III相の2試験において示された。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版7月7日号の掲載報告。

日本人未成年者のぶどう膜炎の臨床的特徴

 若年者のぶどう膜炎の多くは、両眼性であり、全身性疾患との関連はないことが、東京の3次医療施設における調査で示された。杏林大学の慶野 博氏らが、杏林アイセンターを受診した20歳未満のぶどう膜炎若年患者の臨床的特徴、全身疾患との関連、治療および視力予後を分析したもの。眼炎症のコントロールに全身療法を要した患者は5分の1のみで、視力予後はほとんどの患者で良好であった。

予後が改善されつつある難病LAL-D

 アレクシオンファーマ合同会社は、6月23日都内において、5月25日に発売されたライソゾーム酸性リパーゼ欠損症治療薬「カヌマ点滴静注液20mg」[一般名:セベリパーゼ アルファ(遺伝子組み換え)]に関するプレスセミナーを開催した。「ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症」(以下「LAL-D」と略す)は、遺伝子変異が原因でライソゾーム酸性リパーゼという酵素活性が低下または欠損することで発症するまれな代謝性疾患であり、患者の多くが肝硬変から肝不全、死亡へと至る予後不良の希少疾患である。セミナーでは、本症の最新知見について2人の研究者が講演を行った。

小児・若者の心臓突然死の原因、遺伝子検査で判明/NEJM

 1~35歳の小児・若年成人における心臓突然死の原因について、剖検に加えて遺伝子検査を行うことで、特定できる事例が大幅に増加でき、冠動脈疾患に次いで遺伝性心筋症が多いことが判明した。また、原因不明例について遺伝的解析を行った結果、心疾患関連遺伝子の変異が3割弱で検出されたという。オーストラリア・シドニー大学のR.D. Bagnall氏らが、心臓突然死した小児・若年成人490例について前向きに調査し明らかにしたもので、NEJM誌2016年6月23日号で発表した。