小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:128

小児の慢性片頭痛に認知行動療法が有効/JAMA

 小児の慢性片頭痛の治療として、認知行動療法(CBT)が有効であることが、米国・シンシナティ小児病院医療センターのScott W Powers氏らの検討で示された。小児の慢性片頭痛に関しては、現在、米国FDAによって承認された治療法がないため、実臨床ではエビデンスに基づかない種々の治療が行われているという。心理学的介入の中でも、対処技能の訓練に焦点を当てバイオフィードバック法に基づくリラクセーション訓練を導入したCBTは、これらの患者における慢性、再発性の疼痛の管理に有効であることを示唆するエビデンスが報告されていた。JAMA誌2013年12月25号掲載の報告。

乳児血管腫再発に高リスクなのは?

 フランス・ペルグラン小児病院のC.K. Ahogo氏らは、乳児血管腫(IH)の再発リスク因子について検討を行った。IH治療では、経口プロプラノロール(商品名:インデラルほか、本疾患には国内未承認)が第一選択薬となったが、治療後の再発リスクの因子については調査がされていなかった。British Journal of Dermatology誌2013年12月号の掲載報告。

4価ワクチンでインフルエンザの予防率をどれくらい向上できるか/NEJM

 B型の2株(ビクトリア系、山形系)を含めた不活化インフルエンザ4価ワクチン(quadrivalent influenza vaccine:QIV)の有効性に関する、3~8歳児5,000例超を対象とした第3相無作為化対照試験の結果が発表された。ワクチン有効率は全体で59.3%、中等症~重症例では74.2%であったことなどが示された。試験を実施・報告したレバノン・アメリカン大学ベイルート病院のVarsha K. Jain氏らは、「QIVはインフルエンザA型とB型を予防する際に有効であることが示された」と結論している。インフルエンザワクチンはWHOではA型2株とB型1株の3価製剤を推奨し、日本でも採用されている。しかし、B型について2株が混合流行する傾向が続いており、4価製剤が開発された。米国では今シーズンから4価が導入されているという(http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2257-related-articles/related-articles-405/4099-dj4053.html)。NEJM誌オンライン版2013年12月11日号掲載の報告より。

ひとり親家庭の子供は喘息になりやすい

 母子家庭・父子家庭(以下、ひとり親家庭)の子供は両親のいる子供と比べて、喘息による救急外来や病院の再受診が多いことが、シンシナティ小児病院医療センターのTerri Moncrief氏らによって報告された。さらに、この主な要因として世帯所得の違いが根本にあることにも言及している。The Journal of asthma誌オンライン版2013年12月10日の掲載報告。

急性咽頭炎に対する抗菌薬の適応はどのように判断するか?(コメンテーター:小金丸 博 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(160)より-

 プライマリケアの現場では、いまだに多くの急性咽頭炎の患者に抗菌薬が投与されている。急性咽頭炎の原因の多くはウイルス性であり、抗菌薬が不要なことが多い。しかしながら、A群溶連菌による咽頭炎に対しては、主に扁桃周囲膿瘍などの化膿性合併症の予防と急性リウマチ熱の予防のために、抗菌薬の投与が必要となる。抗菌薬投与の適応を決定するために、臨床症状を用いたスコア(Centor criteria)や迅速抗原検査が使用されているが、これらの有用性を支持する強いエビデンスはほとんど存在しなかった。

ロタウイルスワクチン、乳児けいれん発作に予防効果

 ロタウイルスワクチンを完全接種(RV5を3回またはRV1を2回)した乳児は、非接種児と比較して、けいれん発作リスクが統計的に有意に低下(初発けいれん発作リスクの18%低下、1年間の全けいれん発作リスクの21%低下)したことが明らかになった。米国国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)のDaniel C. Payne氏らが、2006~2009年のVaccine Safety Datalink(VSD)登録の乳児25万人のデータを後ろ向きに分析し報告した。著者は、「今回示された乳児けいれん発作の減少は、ロタウイルスワクチン関連ベネフィットである、下痢による入院の予防効果を補完するものである」とまとめている。Clinical Infectious Disease誌オンライン版2013年11月20日号の掲載報告。

出生後1年間の抗菌薬暴露が小児期~若年成人期の湿疹に影響

 出生後1年の間に抗菌薬に曝露された小児は、0~25歳時に湿疹を有するリスクが1.4倍高く、出生前の胎児期の曝露よりも湿疹を呈する頻度が高いことが明らかにされた。英国・Guy's and St Thomas' Hospital NHS財団トラストのT. Tsakok氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまで先行研究の多くで、誕生後間もない時期に抗菌薬に曝露されると、湿疹を呈するリスクが高まることが示唆されていた。British Journal of Dermatology誌2013年11月号の掲載報告。