小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:130

小児アトピー性皮膚炎へのアザチオプリンの安全性

 アザチオプリンは重度の小児アトピー性皮膚炎の治療に有効であることが知られているが、安全性に関するデータは不足していた。英国・Great Ormond Street Hospital for Children NHS Foundation Trust/St George's HospitalのNicholas R. Fuggle氏らは、臨床所見を後ろ向きに調査し、アザチオプリン経口投与を小児アトピー性皮膚炎の治療として用いた場合、重大な有害事象は少ないことを明らかにした。著者らは適切な血液モニタリングと用量調整を推奨している。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年1月号(オンライン版11月4日号)の掲載報告。

睡眠指導でADHDの症状が改善/BMJ

 注意欠如・多動症(ADHD)の小児に対する簡易な睡眠衛生指導と行動療法的治療により、ADHDの症状が改善され、QOLや日常機能にも良好な効果がもたらされることが、オーストラリア・メルボルン大学のHarriet Hiscock氏らの検討で示された。ADHDの子供には睡眠行動障害がみられることが多く、その家族への影響が指摘されている。ADHD患児の睡眠への介入が、ADHDの症状や家族に及ぼす影響を無作為化試験で評価した研究はこれまでなかったという。BMJ誌オンライン版2015年1月20日号掲載の報告。

小児救急での鎮静プロトコルは有効か/JAMA

 急性呼吸不全で人工呼吸器を装着した小児に対し看護師による目標指向型の鎮静プロトコルを行っても、通常ケアと比較して呼吸器装着期間は短縮しなかったことが示された。検討は米国・ペンシルベニア大学のMartha A. Q. Curley氏らが、31ヵ所の小児ICU(PICU)で2,449例を対象に行った集団無作為化試験の結果、報告した。探索的副次アウトカムの評価からは、挿管中の覚醒患者の割合は介入群で有意に高率であった一方、疼痛や興奮のエピソードも介入群で有意に高率であるなど、説明が困難な介入との関連が示されたという。これまでに、鎮静プロトコルは成人の救急疾患ではアウトカムを改善するが、小児への有効性については不明であった。JAMA誌2015年1月27日号掲載の報告より。

学校での自殺予防介入は有効/Lancet

 学校ベースの自殺防止プログラムにより、生徒の自殺企図や重大な自殺念慮を減らすことができたことを、スウェーデン・カロリンスカ研究所のDanuta Wasserman氏らが、多施設共同集団無作為化対照試験SEYLEの結果、報告した。若者の自殺は深刻な公衆衛生問題となっており、根拠に基づく予防プログラムへの期待が高まっている。今回の結果について著者は、「学校でのユニバーサルな自殺予防介入が有益であることが実証された」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年1月8日号掲載の報告より。

HPVワクチン、複数回接種の費用対効果/JAMA

 2価と4価のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの、接種回数と費用対効果について、英国・イングランド公衆衛生局(Public Health England:PHE)のMark Jit氏らが伝播モデルをベースに検討した。その結果、仮に2回接種による防御効果が10年しか持続せず、3回接種の効果が生涯持続するのなら、そのほうが費用対効果は高いこと、一方で2回接種の効果が20年超持続するのなら、2回接種が最適な選択肢であることを明らかにした。2価/4価HPVワクチンは、長期にわたりHPV16/18への防御効果をもたらす可能性が示されているが、その正確な期間・規模について、3回接種の場合と比較した検討はこれまで行われていなかった。BMJ誌オンライン版2015年1月7日号掲載の報告より。

1型糖尿病への強化治療、長期死亡を低減/JAMA

 1型糖尿病への血糖コントロール強化治療は、長期的な全死因死亡の低下に結び付くことが示された。米国・ピッツバーグ大学のTrevor J. Orchard氏らDCCT/EDIC研究グループが、同試験で平均6.5年間強化治療を行った被験者1,441例を、平均27年間追跡した結果、ハザード比(HR)0.67と死亡発生の低下が認められたという。また、血糖値と死亡との有意な関連も判明した。これまで、1型糖尿病への強化治療が死亡に影響するかどうかは明らかにされていなかった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告より。