精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:372

難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か

 慢性または再発性大うつ病性障害(MDD)患者は、治療選択肢の不足に直面している。韓国・カトリック大学のChi-Un Pae氏らは、慢性または再発性MDD患者におけるアリピプラゾールによる増強療法の有効性と忍容性を評価する、12週間の前向き多施設オープンラベル試験を実施した。その結果、服用中の抗うつ薬へのアリピプラゾールの追加は有効で忍容性も良好であることを報告した。International Clinical Psychopharmacology誌2013年11月号の掲載報告。

統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学

 富山大学の高橋 努氏らは、精神病発症危険状態(at-risk mental state:ARMS)の人においても、統合失調症患者でみられるような下垂体体積の増大が認められることを、MRIを用いた調査の結果、明らかにした。統合失調症で報告されている下垂体体積の増大は、視床下部-下垂体-副腎機能の亢進を示すものとされている。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2013年11月号の掲載報告。

内科医と精神科医との連携が、通院患者の健康不安を改善/Lancet

 慢性疾患で通院中の患者の健康不安に対する認知行動療法は、不安症やうつ病への持続的な効果があることが多施設無作為化試験の結果、示された。コストへの有意な影響はなかったという。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのPeter Tyrer氏らが報告した。これまで、健康不安を訴え精神科部門に紹介受診する患者について、セラピストによる専門的な認知行動療法により、一部ではあるが特異的なベネフィットがあることが報告されていた。しかし通院治療中の患者に対する効果については、きちんと検討されたことはなかったという。Lancet誌オンライン版2013年10月18日号掲載の報告より。

日本の高齢者てんかん新規発症、半数以上が原因不明:産業医大

 新規発症の日本人高齢者てんかんは、側頭葉てんかん例が最も多いが、病因が不明な非損傷性患者は52.8%に上ることが明らかにされた。治療については、抗てんかん薬1年以上服用者の96.3%で発作抑制が認められたという。産業医科大学の田中 章浩氏らが、過去6年間の電子カルテデータから特定した70例について分析した結果、報告した。Seizure誌2013年11月号の掲載報告。

非定型うつ病ではメタボ合併頻度が高い:帝京大学

 抑うつ症状とメタボリックシンドローム(MetS)との関連については依然議論のあるところである。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座の竹内 武昭氏らは、日本人男性における抑うつ症状とMetSの関連について、非定型うつ病またはそれ以外の大うつ病性障害(MDD)に分けて検討を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2013年11月号(オンライン版2013年10月23日号)の掲載報告。

栄養補助食品は産後のうつ病予防に有用か

 産後の抑うつ症状を予防するとされる代表的な栄養補助食品として、ω-3脂肪酸、鉄、葉酸、s-アデノシル -L-メチオニン、コバラミン、ピリドキシン、リボフラビン、ビタミンD、カルシウムなどが挙げられる。オーストラリア・Flinders Medical CentreのBrendan J Miller氏らは、産前・産後における抑うつ症状の予防に有益な栄養補助食品を探索するため、Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Registerから抽出した2件の無作為化対照試験のデータをレビューした。その結果、セレニウム、DHAあるいはEPAに関する産後抑うつ予防におけるベネフィットは示されず、現時点において、推奨されるエビデンスのある栄養補助食品はないと報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年10月24日号の掲載報告。

統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか

 統合失調症患者における陰性症状は慢性的な障害となることが多いが、現在の治療方法で著効することは必ずしも多くない。陰性症状に対し、抗うつ薬が用いられることもあるが、その有用性は明らかになっていない。ドイツ・ハンブルク大学のKim Hinkelmann氏らは、無作為化二重盲検試験にて統合失調症患者の陰性症状に対する抗うつ薬追加投与の効果を検討した。Journal of clinical psychopharmacology誌2013年10月号の報告。

小児自閉症に対する薬物療法はQOLにどのような影響を与えるか

 米国・ワイルコーネル大学医学部のWendy N. Moyal氏らは、自閉症スペクトラム障害(ASD)を有する小児・若年者のQOLに及ぼす薬物療法の影響についてレビューを行った。その結果、アリピプラゾールとオキシトシン(本疾患には未承認)は、QOLにプラスとなる効果をもたらすことが明らかであること、その他の抗精神病薬については、リスクとベネフィットについての有用な情報はあるがQOLに関する特定データはなかったことを報告した。Pediatric Drugs誌オンライン版2013年10月24日号の掲載報告。

統合失調症の再発、どう定義とすべきか

 統合失調症の再発は、症状悪化、機能障害、認知機能やQOLの低下など破壊的な影響をもたらす。それらの漸進的な低下は、患者や家族に多大な負荷を与える。そのため、再発予防は治療において最も重要なポイントのひとつとされているが、広く定義された再発の基準はなく、再発予防を達成することは困難とされている。スペイン・ビゴ大学病院のJose M Olivares氏らは、統合失調症再発の定義と再発のリスク因子を特定することを目的に、システマティックレビューを行った。その結果、「入院」が、再発の報告として最も頻度が高く有用であることを報告した。また、再発リスクを増大する因子として、抗精神病薬服用のアドヒアランス不良やストレス/ 抑うつ症状、依存症などがあるとしている。Annals of General Psychiatry誌オンライン版2013年10月23日号の掲載報告。

統合失調症では自己免疫疾患リスクが1.53倍

 自己免疫疾患を有する者、およびわずかでも有意な自己免疫疾患の家族歴を有する者において、統合失調症のリスクが増加することが、これまでの研究で示されている。デンマーク・オーフス大学のMichael E. Benros氏らは、統合失調症と自己免疫疾患との関連、および感染症の影響について検討を行った。その結果、統合失調症患者では自己免疫疾患を続発するリスクが高く、罹患率が1.53倍であること、感染症は自己免疫疾患の発症に、より大きく関与していることが示唆されたことを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年10月16日号の掲載報告。