精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:375

アカンプロサートとナルトレキソンのアルコール依存症治療の減酒効果/JAMA

 外来でのアルコール依存症治療について、アカンプロサート(商品名:レグテクト)と経口ナルトレキソン(国内未承認)は、いずれも同等に再飲酒を防止する効果があることを、米国・ノースカロライナ大学のDaniel E. Jonas氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。アルコール依存症に対する薬物治療はあまり行われておらず、減酒薬治療を受けている人に限ってみれば10%未満であるという。研究グループは、大規模な報告例をレビューし、米国FDAおよびその他が承認する薬物療法の有効性、健康アウトカムの改善や有害事象について明らかにするため本検討を行った。JAMA誌2014年5月14日号の掲載報告。

薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義を検証

 薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義が、国際抗てんかん連盟(International League Against Epilepsy:ILAE)より最近発表された。これまで、同定義のコンセンサスは得られているものの、適用性に関する臨床的および探求的な検討は行われていなかった。カナダ・サスカチュワン大学のJose F. Tellez-Zenteno氏らは、同定義について、臨床集団を対象とした信頼性および妥当性についての初となる検証を行った。その結果、従来定義と比べても遜色なく、普遍的な臨床的重要性を有するものであったと報告している。Epilepsia誌オンライン版2014年5月14日号の掲載報告。

認知症への新規抗精神病薬、有害事象のモニタリングが不十分

 米国・アーカンソー大学のDinesh Mittal氏らは、新規抗精神病薬の服用を開始した高齢者認知症における代謝系有害事象を検討するため、米国退役軍人省のデータを用いて後ろ向きコホート解析を行った。その結果、精神障害のない認知症患者、認知症のない精神障害患者ともに、代謝系有害事象について十分なモニタリングが行われていない状況が明らかになったことを報告した。Psychiatric Services誌オンライン版2013年5月15日号の掲載報告。

双極性障害の症状把握へ、初の質問票が登場

 米国・ザッカーヒルサイド病院のChristoph U Correll氏らは、双極性障害(BD)の症状に対する初めての特異的質問票であるBipolar Prodrome Symptom Interview and Scale-Prospective (BPSS-P)の有用度を検討した。その結果、内部整合性、評価者間信頼性、診断群間の識別能などにおいて「良好~優」であることを報告した。Bipolar Disorders誌オンライン版2014年5月8日号の掲載報告。

認知症発症リスクと心臓疾患との関係

 複数の心血管リスク因子が、認知症やアルツハイマー型認知症(AD)のリスクを増大することが知られるが、心臓疾患が及ぼす影響については不明なままであった。東フィンランド大学のMinna Rusanen氏らによる住民ベースのコホート研究の結果、高齢期の心臓疾患は、その後の認知症やADリスクを増大することが明らかにされた。結果を受けて著者は、「心臓疾患の予防と効果的な治療は、脳の健康や認知機能維持の観点からも重要であると考えられる」とまとめている。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2014年5月13日号の掲載報告。

抗精神病薬、気分安定薬の暴力犯罪抑制効果は?/Lancet

 英国・オックスフォード大学のSeena Fazel氏らは、世界中で広く精神疾患患者に処方されている抗精神病薬および気分安定薬と、暴力犯罪リスクとの関連について、スウェーデンの状況について調べた。その結果、暴力犯罪の抑制に寄与している可能性が判明したという。精神疾患患者へのこれらの薬の処方に関し、疾患の再発予防や症状の軽減については明確な有効性のエビデンスが示されているが、暴力犯罪など有害アウトカムへの効果については明らかにされていなかった。結果を受けて著者は、「精神疾患患者の治療選択において、これらの薬の暴力や犯罪への効果について考慮がなされるべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年5月8日号掲載の報告より。

期待の新規不眠症治療薬、1年間の有効性・安全性は

 新規不眠症治療薬スボレキサント(MK-4305)の1年間にわたる治療について、おおむね安全であり忍容性も良好で、自覚的な睡眠導入で評価した有効性もプラセボと比較して有意であったことが示された。米国メルク社のDavid Michelson氏らが、第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。スボレキサントはオレキシン受容体阻害薬で、先行研究において治療3ヵ月間の有効性は示されていた。Lancet Neurology誌2014年5月号の掲載報告。

統合失調症患者への抗精神病薬、神経メカニズムへの影響は

 統合失調症患者の記憶を含む認知機能は、機能的転帰と強く相関している。長期増強(LTP)は、記憶のための生理学的基礎であると考えられる神経メカニズムのひとつである。抗精神病薬は、ドパミン作動性伝達を変化させることにより、このLTPや認知機能を損なう可能性がある。カナダ・トロント大学のRae Price氏らは、LTPに対する抗精神病薬とD2アンタゴニストとの関係を評価するために、系統的レビューを実施した。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌オンライン版2014年5月10日号の報告。

成人ADHDをどう見極める

 成人の注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、双極性障害(BD)や境界性パーソナリティ障害(BPD)との鑑別が容易ではなく、しばしば同時に罹患している場合もある。そのため、誤診や効果のない治療を施すことにつながる可能性があり、場合によっては重篤かつ有害な転帰に至ることもある。ADHDおよびBD、BPDのいずれもが健康や機能性を大幅に損なうこと、またBDとBPDは自殺傾向と関連していることが知られていることから、英国・ロンドン大学のPhilip Asherson氏らは臨床医に最新の情報を提供するために検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2014年5月7日号の掲載報告。

統合失調症患者の睡眠状態を検証

 カナダ・Riviere-des-Prairies病院のFabian Guenole氏らは、睡眠期(dissociated stages of sleep:DSS)を定量化することで、統合失調症における睡眠の機能的不安定性を特徴づけること、およびそれら特徴と精神病理との相関性を調べる検討を行った。その結果、統合失調症とレム睡眠期にみられるニューロンコントロールメカニズムとに有意な相関が認められることを明らかにした。Schizophrenia Research誌2014年5月号(オンライン版2014年4月13日号)の掲載報告。