精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:371

非定型抗精神病薬との併用、相互作用に関するレビュー

 統合失調症や双極性障害の治療では抗精神病薬や抗うつ薬、気分安定薬、抗てんかん薬などさまざまな薬剤が用いられることも少なくない。米国・マーサー大学のWilliam Klugh Kennedy氏らは、第二世代抗精神病薬(SGA)について、臨床において重要となる薬物相互作用を明らかにすることを目的に文献レビューを行った。その結果、SGAには臨床において重大な薬物相互作用の可能性を増大するさまざまな因子があることを報告し、臨床医はそれらについて十分に認識すべきであると述べている。CNS Drugs誌オンライン版2013年10月30日号の掲載報告。

統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学

 統合失調症の再発予防プログラムとして開発されたITAREPS(Information Technology Aided Relapse Prevention Programme in Schizophrenia)は、非常に効果的であると報告されている。しかし、その効果は利用者のプログラムに対するアドヒアランスの影響を受けており、正確な効果やITAREPSの貢献度に関しては不明確な部分があった。千葉大学の小松 英樹氏らは、このような影響因子を排除したうえで、ITAREPSの有用性評価を行った。Schizophrenia research誌2013年10月号の報告。

うつ病患者啓発ビデオ、うつ病患者以外に薬剤処方のリスク/JAMA

 プライマリ・ケアでうつ病との付き合い方を紹介する患者啓発ビデオ(depression engagement video:DEV)や、個別双方向マルチメディアコンピュータプログラム(tailored interactive multimedia computer program:IMCP)を用いることは、非うつ病患者への抗うつ薬処方増大の要因になっている可能性が排除できないことが、米国・カリフォルニア大学デービス校のRichard L. Kravitz氏らによる無作為化試験の結果、報告された。プライマリ・ケア患者にうつ病との付き合い方を示唆することは、アウトカムを改善する可能性があると同時に、不要な治療にも結びつく可能性が指摘されていた。JAMA誌2013年11月6日号掲載の報告より。

片頭痛の予防に抗てんかん薬、どの程度有用か

 片頭痛はしばしば慢性化・難治化する疾患である。海外では、重要の片頭痛患者に対し、抗てんかん薬が使用されている。インド・UP Rural Institute of Medical Sciences and ResearchのArchana Verma氏らは、成人の片頭痛予防に対する、抗てんかん薬レベチラセタム(商品名:イーケプラ、本疾患には国内未承認)の有効性および忍容性を評価した。Clinical neuropharmacology誌2013年11-12月号の報告。

日本発、統合失調症大規模臨床試験スタート:東京女子医大

 わが国において第二世代抗精神病薬(SGA)が臨床応用されるようになって17年、現在の統合失調症治療ではSGAを中心とした薬物治療が行われている。海外では各種SGAの長期的な有用性や転帰、社会的機能などに関して報告されているが、日本では大規模な研究は行われていない。東京女子医科大学の石郷岡 純氏らは、日本の医療環境下におけるSGAの治療中止率などを評価するため、JUMPs(Japan useful medication program for schizophrenia)試験を開始した。BMC Psychiatry誌2013年10月3日号の報告。

うつ病患者の予後を予測するセロトニン関連遺伝子多型

 セロトニン経路は、抗うつ薬が効果を発揮する際にきわめて重要な役割を担っており、セロトニン受容体およびトランスポーター遺伝子の多型が重要な因子として特定されてきた。ドイツ・ミュンヘン工科大学のJulia Staeker氏らは、うつ病患者の臨床アウトカムの予測に有用な遺伝子多型を明らかにするため、自然的臨床試験のデータを用いて検討を行った。その結果、セロトニン経路の受容体およびトランスポーター多型が、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の効果ならびに副作用と関連していることを報告した。Genetic Testing and Molecular Biomarkers誌オンライン版2013年11月5日号の掲載報告。

いま一度、抗精神病薬ピモジドを評価する

 ピモジドは1960年代に製剤化され、統合失調症あるいは妄想性障害のような統合失調症関連疾患に対する治療薬として市場に供された。ただし、心毒性や突然死との関連がみられるため、現在、本剤の使用前および使用中は心電図モニタリングが必要とされる。英国・シークロフト病院のMeghana Mothi氏らは、統合失調症に対するピモジド(商品名:オーラップ)の有効性を明らかにするため、Cochrane Schizophrenia Group's Registerを用いて代表的な無作為化臨床試験のレビューを行った。その結果、データに不備はあるものの、ピモジドはその他の一般的に用いられている抗精神病薬と同程度の有効性を示すことが確認されたことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年11月5日号の掲載報告。

新規の抗てんかん薬16種の相互作用を検証

 英国・UCL Institute of NeurologyのPhilip N. Patsalos氏らは、1989年以降に臨床導入された16種の新規の抗てんかん薬について、製剤間の薬物動態学的および薬力学的な相互作用に関するレビューを行った。てんかん患者の治療は生涯にわたることが多く、また複数の抗てんかん薬が処方されているのが一般的である。そのため相互作用がとくに重要になるが、今回のレビューでは、より新しい抗てんかん薬では相互作用が少ないことなどが明らかにされた。Clinical Pharmacokinetics誌2013年11月号の掲載報告。

抗うつ薬の効果発現を加速するポイントは

 一般的に、抗うつ薬が効果を発現するまでには2週間程度を要するといわれている。そのようななか、選択的セロトニン2C(5-HT2C)拮抗薬は、中脳皮質のドーパミン作用シグナリングを強化する作用により、速やかな抗うつ効果の発現を呈することが明らかにされた。米国・シカゴ大学のM D Opal氏らがマウス試験の結果、報告した。現在の抗うつ薬は、治療効果がみられるまでに数週間の投与を必要とする。Molecular Psychiatry誌オンライン版2013年10月29日号の掲載報告。

「選択的迅速解離性ドパミンD2受容体拮抗薬」薬物動態の研究

 新規の抗精神薬として開発された選択的迅速解離性ドパミンD2受容体拮抗薬であるJNJ-37822681。ベルギー・ヤンセン・ファーマスーティカ社のEef Hoeben氏らは、健常者および統合失調症患者におけるJNJ-37822681の薬物動態を明らかにするために、母集団薬物動態モデルを開発し、最適用量を特定することを目的とした。その結果、5または7.5mgの1日2回投与は影響なし、あるいは最小限の影響にとどまる用量であること、10mgの1日2回投与は有効性と忍容性の最適なバランスを提供しうる用量であると思われたことを報告した。Clinical Pharmacokinetics誌2013年11月号の掲載報告。