精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:392

統合失調症治療に抗炎症薬は有用か

 統合失調症の病態に脳の炎症は関連しているのか。オランダ・ユトレヒト大学のIris E. Sommer氏らは、抗炎症薬による統合失調症の症状軽減効果を評価するため、臨床試験26件について解析を行った。その結果、アスピリン、N-アセチルシステイン、エストロゲン製剤において、症状の重症度に対し有意な改善効果が認められることを報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2013年10月8日号の掲載報告。

抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは

 第二世代抗精神病薬(SGA)により誘発される、インスリン分泌異常の主要機序について、オーストラリア・ウーロンゴン大学のKatrina Weston-Green氏らがレビューの結果を報告した。部分的な中枢および末梢神経でのムスカリンM3受容体(M3R)の阻害によると考えられ、M3Rが初期にインスリン分泌とグルコースホメオスタシスを破壊し、慢性治療中に次第にインスリン抵抗性や糖尿病に結びつく可能性があるという。CNS Drugs誌オンライン版2013年10月10日号の掲載報告。

初回エピソード統合失調症患者はプロラクチン値が高い

 プロラクチンは精神医学分野において大きな注目を集めているホルモンである。ドパミン阻害の抗精神病薬に対して血清プロラクチン値上昇がしばしばみられる一方で、血清プロラクチン値の減少は抗精神病薬の効果を反映するとみなされている。しかし、未治療の初回エピソード統合失調症(FES)患者のベースライン時のプロラクチン値を調べた調査は、これまで限られていた。トルコ・Namik Kemal大学のYakup Albayrak氏らは、初の実証研究として検討を行った。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年10月7日号の掲載報告。

重度ICU患者、せん妄期間と認知機能障害リスクは有意に関連/NEJM

 ICUの重症患者のうち7割以上が、入院中にせん妄を発症するリスクがあり、せん妄期間が長いほど長期の認知機能障害発症リスクが高いことが明らかになった。米国・ヴァンダービルト大学のPratik P. Pandharipande氏らが、800例超のICU重症患者を対象に行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2013年10月3日号で発表した。重症疾患から回復した人は、認知機能障害を発症することが多いものの、その特徴についてはあまり調査がされていなかったという。

アルコール依存症に介入療法は有効か?/JAMA

 アルコールおよび薬物依存症患者に対し、医療・福祉サービスを調整・包括して提供する慢性疾患ケア管理(chronic care management:CCM)の有効性について検討した結果、通常プライマリ・ケアによるサービス提供と比べて、12ヵ月時点の離脱率に有意差はみられなかったことが報告された。米国・ボストン医療センターのRichard Saitz氏らが、無作為化試験「AHEAD」を行い報告した。依存症患者は、健康問題を抱え高度な医療を受けていたり、併存症を有している頻度が高いが、多くの場合、質の低い治療を受けているとされる。CCMは、同患者への治療およびアウトカムを改善するアプローチとして提唱された。JAMA誌2013年9月18日号掲載の報告より。

青年期の外傷性脳損傷後3年時点で24.3%が持続痛

 青年期における外傷性脳損傷(TBI)後の持続痛の実態について調べた結果、受傷後3年の時点で24.3%が持続痛を有しており、長期の健康関連のQOL低下と関連していることなどが明らかにされた。米国・ワシントン大学のSee Wan Tham氏らによる報告で、同様の検討はこれまで行われていなかったという。Journal of Pain誌2013年10月号(オンライン版2013年8月2日号)の掲載報告。

自殺リスクが低い食事パターン~日本人での研究

 食事パターンはうつ病と関連するが、自殺リスクとの関連を調べた研究はまだない。JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)グループの南里 明子氏らは、食事パターンと自殺による死亡との関連を前向きに調査し、British Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年10月10日号に報告した。本研究では、野菜、果物、いも類、大豆製品、キノコ類、海藻、魚介類の摂取量が多い食事が、自殺による死亡リスクの低下と関連している可能性が示唆された。

統合失調症の寛解予測因子は初発時の認知機能

 統合失調症では認知機能障害が一般的にみられる。しかし、初回エピソード患者におけるこれら障害の長期転帰の予測因子は不明であった。スウェーデン・ウプサラ大学のRobert Boden氏らは、初回エピソード統合失調症患者の5年後アウトカムの予測因子としての思考力の低下および認知機能障害について調べた。その結果、思考速度が社会性や症状寛解に関する長期転帰と関連していることを報告した。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年9月20日号の掲載報告。