精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:393

重度精神障害の機能評価ツール、その信頼性は

 スペイン・オビエド大学のMaria P. Garcia-Portilla氏らは、統合失調症および双極性障害患者を対象とし、重度精神障害患者の機能評価ツールとしてUniversity of California Performance Skills Assessment(UPSA)スペイン版の信頼性、妥当性の評価を行った。その結果、UPSAスペイン版はその他の機能評価ツールと良好な相関を示し、信頼性の高い検証ツールであり、「機能アウトカムのモニタリング手段として臨床試験および日常診療での活用が望ましい」と報告した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年9月18日号の掲載報告。

日本の統合失調症入院患者は低栄養状態:新潟大学

 欧米では、健常者と比較して、抗精神病薬治療を受けている統合失調症患者における肥満やメタボリック症候群の有病率が高い。しかし日本では、そもそも一般集団の過体重および肥満の有病率が、欧米と比較してかなり低い。新潟大学の鈴木雄太郎氏らは、日本の統合失調症入院患者について調査を行い、低体重の患者の割合が一般集団と比較して高いことを明らかにした。結果を受けて著者は「入院患者の身体的健康について、診療でより考慮する必要がある」と報告している。Psychiatry and Clinical Neurosciences(PCN)誌オンライン版2013年9月2日号の掲載報告。

統合失調症の再入院、救急受診を減らすには

 統合失調症の再発を繰り返す患者について、経口抗精神病薬(経口AP)から非定型持効性注射薬(非定型LAT)に切り替えた結果、再入院率および緊急救命室(ER)受診率が減少したことが、後ろ向きデータベース解析の結果から示された。カナダ・Groupe d’analyse社のMarie-Helene Lafeuille氏らがPremier Hospitalの過去5年間の電子カルテデータを解析して報告した。先行研究において非定型LATの有用性は示されているが、大半が再入院にのみ着目し入院やER受診については考慮されていなかった。BMC Psychiatry誌オンライン版2013年9月10日号の掲載報告。

アスペルガー障害、高機能自閉症への第二世代抗精神病薬は有用か

 カナダ・王立オタワ精神保健センターのNatalie Sochocky氏らは、アスペルガー障害(AD)および高機能自閉症(HFA)に対する第二世代抗精神病薬の有用性についてシステマティックレビューとメタ解析を実施した。その結果、ADおよびHFAの行動症状は第二世代抗精神病薬により改善するが、有害事象として体重増加に注意が必要であることを報告した。Current Clinical Pharmacology誌オンライン版2013年9月20日号の掲載報告。

ベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか

 オーストラリア・カンバーランド病院のDonna Gillies氏らは、急性精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の有用性についてレビューを行った。その結果、ベンゾジアゼピン単独または抗精神病薬と併用した場合の効果が、抗精神病薬単独または同薬併用、あるいは抗精神病薬と抗ヒスタミン薬などの併用と比べて、症状改善に差がないことを報告した。ただし、今回の評価の結果について著者は、ベンゾジアゼピンの単独または併用使用に関するエビデンスが弱く現段階では不明確であり、質の高い研究が必要だと指摘している。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年9月18日の掲載報告。

女性のアルツハイマー病リスクに関与する遺伝子パターン

 アルツハイマー病(AD)の病因論に迫るため、ADの主要リスク因子が及ぼす影響に関与していると考えられているエストロゲン受容体(ER)の一塩基多型(SNP)の役割について、スペイン・クルセス大学病院のManuel Fernandez-Martinez氏らは、調査を行った。その結果、アポリポ蛋白E(APOE)遺伝子キャリアの女性において、健忘性の軽度認知障害(MCI)およびADに関連する、SNPの未発現の対立遺伝子の組み合わせがあることを明らかにした。なお、APOE遺伝子はAD発症に密接に関与しており、ADの強力な独立リスク因子の一つであるが、その関与は部分的で他の遺伝子または因子の関与が示唆されていた。BMJ Open誌オンライン版2013年9月18日号の掲載報告。

てんかん児は本当に外傷が多いのか

 小児てんかんを有した子どもは外傷が多いというエビデンスは、頭部外傷を除けば存在しないことが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のChristine B. Baca氏らが、地域住民コホートから特定した、患児とその健常な兄弟姉妹を対照群とした後ろ向きケースコントール評価にて報告した。Journal of Pediatrics誌オンライン版2013年9月18日号の掲載報告。

ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学

 慶應義塾大学精神・神経科学教室の竹内 啓善氏らは、Clinical Antipsychotic Trials in Intervention Effectiveness(CATIE)のデータを基に、非定型抗精神病薬の血漿中濃度から推定されるドパミンD2受容体の占有率と患者の服薬態度との関連について検討した。その結果、非定型抗精神病薬の種類により傾向は異なるものの、ドパミンD2受容体占有率が統合失調症患者の服薬態度に影響を及ぼす可能性を示唆した。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。