精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:423

統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」

統合失調症における遂行機能障害を改善するグルタミン酸を介した補助的治療として、抗酸化・抗糖化剤L-カルノシンは検討に値する可能性があることが明らかになった。米国・ピッツバーグ大学医学校のChengappa氏らが予備的な無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。Schizophr Res誌オンライン版2012年10月22日号の報告。

レベチラセタム、部分てんかん患者に対する1年間の使用結果レビュー:聖隷浜松病院

 本邦で2010年9月に承認された新規抗てんかん薬レベチラセタムについて、聖隷浜松病院の山添氏らが臨床での有効性と安全性を評価した結果、「部分てんかんに対して忍容性が良好であり、補助的療法として有効であった」ことを報告した。Brain Nerve 誌オンライン版2012年10月号の報告。  レベチラセタム(LEV)の日本発売以降の約1年間(2010年10月~2011年8月)の聖隷浜松病院のデータベースを用いて、有効性と安全性について後ろ向きに検討した。16歳以上の患者132例のデータのうち、部分てんかん112例、全般てんかん19例についてレビューを行った。

なぜ?第二世代抗精神病薬投与による“強迫症状”発現機序

大部分の統合失調症患者は、第二世代抗精神病薬(SGA)による治療中に強迫症状が発現する。近年の研究により、このような二次的な強迫症状の遺伝的危険因子として、グルタミン酸エステル搬送体遺伝子(SLC1A1)が関連することが示唆されている。Schirmbeck氏らは欧州での試験により、この結果を検証した。Psychiatr Genet誌2012年10月号の報告。

うつ病の既往歴がある患者に対する禁煙治療は難しい?!

大うつ病の既往は、禁煙治療中あるいは治療後の禁煙継続に悪影響を及ぼすことが報告された。米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学校のHitsman氏らによるメタ解析の結果で、以前(2003年)の解析のアップデート報告。当時の報告では、大うつ病既往は禁煙治療に影響しないことが示されていた。今回の解析結果を受けて著者は、大うつ病喫煙患者には、この点に注目した効果的な治療もしくは適切な治療を見極めることが必要だと提言している。Addiction誌オンライン版2012年10月16日号の報告。

抗うつ薬だけじゃない!うつ病寛解を目指す「共同ケア」の効果は?

 うつ病に対する共同ケア(collaborative care)の有効性について評価した結果、抑うつおよび不安アウトカムが、通常ケアと比べて改善することが、英国・マンチェスター大学のArcher氏らによるシステマティックレビューの結果より示された。著者は、「抑うつ・不安症状を呈する成人患者の臨床治療に有用であることが示された」と結論している。Cochrane Database Syst Rev2012年10月17日号の報告。

【ポール・ヤンセン賞受賞】夜間における抗精神病薬関連のQT延長リスク

 2012年10月18~20日に第22回日本臨床精神神経薬理学会・第42回日本神経精神薬理学会合同年会が宇都宮で開催された。同学会において、日本臨床精神神経薬理学会2012年ポール・ヤンセン賞が発表され、新潟大学 渡邉氏の「夜間における抗精神病薬に関連したQT間隔延長リスクの増加―24時間ホルター心電図記録を用いた研究から―」と、名古屋市立大学 渡辺氏の「うつ病に対するミルタザピンと他の抗うつ薬の比較―コクランレビュ―」が受賞した。今回は、新潟大学 渡邉氏らの報告を紹介する。

抗てんかん薬の処方、小児神経科医はどう使っている?

スウェーデン ウプサラ大学のMattsson氏らは、てんかん児の社会人口統計学的背景(居住地など)と抗てんかん薬処方との関連について調査した。その結果、年齢や居住地による専門医療アクセスの不平等さや、小児神経科医とその他の専門医とでは抗てんかん薬の処方に違いがあることが明らかとなった。著者は「広範な医療圏がてんかん児の医療機関へのアクセスを妨げていることを示す重要な報告となった。小児神経科医の充実が専門的医療サービスへのアクセスにとって重要であるかどうかについて、データの獲得はできなかったものの、傾向を把握することができた」と指摘している。Epilepsia誌オンライン版2012年10月12日号の報告。