精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:426

10代うつ病患者の治療はファンタジーゲームで?

うつ病の認知行動療法のパソコン用ソフトとして開発された「SPARX(Smart, Positive, Active, Realistic, X-factor thoughts)」は、ファンタジーゲーム様式が特徴で、4~7週間にわたって提供される7つのモジュールを克服していくというものである。その治療効果について、ニュージーランド・オークランド大学のSally N Merry氏らによる12~19歳のティーンエイジャーを対象とした多施設無作為化非劣性試験の結果、プライマリ・ケアにおいて対面カウンセリングといった通常ケアの代替療法となり得るものであることが示された。Merry氏らは、「治療が必要にもかかわらず介入が行われていない患者を対象に適用していくことができるだろう」とまとめている。これまでパソコンソフトを活用した認知行動療法は成人についてはその効果が認められていたが、ティーンエイジャーにおける効果は明らかではなかった。BMJ誌2012年4月19日号より。

抗精神病薬を処方された患者は本当に薬を服用しているのか?

Stephenson氏らは経口第二世代抗精神病薬を服用している患者について、医師が認識しているアドヒアランスと患者による薬局への薬剤請求から判定した実際のアドヒアランスを比較し、「医師が思っているよりも患者のアドヒアランスは良好でないため、再発予防も見据え適切な介入を行うことが重要である 」と結論づけた。本報告はInt J Clin Pract誌6月号(オンライン版5月11日号)に掲載された。

境界性人格障害患者の自殺予防のポイントはリハビリ

境界性人格障害では自殺行為を繰り返すことが大きな問題となる。多くの患者は寛解まで時間を要するため、約10%が自殺により死亡するといわれている。Soloff氏らは境界性人格障害患者の長期予後改善のために、自殺の予測因子を検証した。そのうえで「自殺リスクを減少させ、長期の転帰を改善するには、社会的かつ職業的リハビリテーションによる心理社会的介入が重要である」と結論づけている。Am J Psychiatry誌2012年5月号掲載の報告。