呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:105

KRASG12C変異非小細胞肺がんに対するソトラシブの2年生存率32.5%(CodeBreak100)/アムジェン

 アムジェンは、2022年4月10日、KRASG12C変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたソトラシブの第I/II相CodeBreaK100試験の長期有効性および安全性データの発表を発表。ソトラシブの有効性は継続して確認された。  高度な前治療歴のある患者174例を2年間分析した結果、ソトラシブの客観的奏効率は40.7%(CR5例、PR65例)、病勢制御率は 83.7%、奏効期間中央値は12.3ヵ月であった。また、無増悪生存期間中央値は6.3ヵ月を示し、全生存期間(OS)12.5ヵ月、2年OS率は32.5%であった。

5~11歳への新型コロナワクチンの副反応の頻度は?/厚生労働省

 厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は、4月13日に合同会議を開催し、最新のワクチン(新型コロナウイルス感染症[COVID-19]を含む)の動向の報告が行われ、その内容が公表された。  とくにCOVID-19ワクチンの5~11歳への接種では、接種による副反応報告は医療機関からの報告が6件(0.0028%)、製造販売業者からの報告数が2件(0.0009%)だった(推定接種回数:21万5,368接種)。なお、重篤な副反応や死亡の報告はなかった。

新型コロナ第6波の重症化率と致死率/厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第6波のピークアウトがあいまいな中で、すでに第7波の気配もみられている。陽性者数が一番多かった新型コロナ第6波では、どれくらいの重症化率、致死率だったのだろう。  4月13日に厚生労働省で開催された新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで「第6波における重症化率・致死率について(暫定版)」が資料として発表された。  解析は石川県、茨城県、広島県のデータを使用し、2022年1月1日~2月28日の期間における新型コロナ感染者11万9,109人を対象とした。年齢階級別、ワクチン接種歴別に重症化率および致死率を暫定版として算出した。

3回目接種3ヵ月後、日本の医療従事者での抗体価は

 追加接種(3回目接種)前に400U/mL前後だった抗体価は、追加接種1ヵ月後には2万~3万U/mLに増加し、3ヵ月後にはコミナティ筋注(ファイザー)、スパイクバックス筋注(モデルナ)ともにおおむね半分の1万~1万5,000U/mLに低下していることが報告された。なお追加接種約1ヵ月後の抗体価は、スパイクバックス筋注接種者で統計学的に有意に高値であった。1~2回目にコミナティ筋注を接種した国立病院機構(NHO)、地域医療機能推進機構(JCHO)の職員における前向き観察研究によるもので、順天堂大学の伊藤 澄信氏が4月13日開催の第78回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)で報告した。 [研究概要] 新型コロナワクチン追加接種(3回目接種)にかかわる免疫持続性および安全性調査(コホート調査) 調査内容: ・体温、接種部位反応、全身反応(日誌)、胸痛発現時の詳細情報 ・副反応疑い、重篤なAE(因果関係問わず)のコホート調査による頻度調査

ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がん術前補助療法が生存改善示す(CheckMate-816)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年4月11日、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法を評価する第III相CheckMate-816試験で、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)の結果を発表した。  従来の病理学的完全奏効(pCR)に加え、米国癌学会年次総会(AACR2022)でEFSと全生存期間(OS)のデータが発表されたもの。  CheckMate-816の新たな結果では21.0ヵ月以上の追跡期間において、ニボルマブ+化学療法群は無作為化患者全体でのEFSリスクを37%有意に低下させた(ハザード比[HR]:0.63、97.38%信頼区間[CI]:0.43~0.91、p=0.0052)。

年収3千万円以上の医師のアルバイト代は?/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で昨年度のアルバイト代について尋ねたところ、62%の医師が年間で200万円未満と回答、次いで14%が200~400万円、9%が300~600万円と回答した。一方、1,000万円以上と回答した医師は6%であった。  アルバイト代を年収別にみると、アルバイト代200万円未満と回答した医師の割合は、年収1,000万円未満では67%、年収1,000~2,000万円未満では65%、年収2,000~3,000万円未満では51%、年収3,000万円以上では52%だった。  一方でアルバイト代1,000万円以上と回答した医師の割合は、年収2,500~3,000万円未満では18%、年収3,000万円以上では36%に上った。

ファイザー製ワクチン4回目、オミクロン株への予防効果は/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のB.1.1.529(オミクロン変異株)の流行中に行った新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の4回目接種は、3回のみ接種と比べて、SARS-CoV-2感染率およびCOVID-19重症化率を低下した。イスラエル・ワイツマン科学研究所のYinon M. Bar-On氏らが、オミクロン変異株流行中に同ワクチン4回目を接種した60歳以上125万人超を対象に行った試験の結果を報告した。イスラエルでは、2022年1月2日に、60歳以上を対象としたBNT162b2ワクチンの4回目接種を開始していた。NEJM誌オンライン版2022年4月5日号掲載の報告。

米国の肺がんアジュバント実施率53% ガイドライン準拠に改善の余地(ALCHEMIST)/JAMA Oncol

 米国の早期非小細胞肺がん(NSCLC)ではガイドラインに沿った標準治療をどの程度行っているのか。全米の後ろ向きコホート試験の結果、実施割合には改善の余地があることが明らかになった。  米国のNCCNガイドラインでは、リンパ節郭清を含めた外科的切除と術後補助化学療法を適切な患者に行うことが早期NSCLCの標準治療となっている。しかし、以前から多くの患者が、そのような治療を受けていないとされる。  そこでNCCNガイドラインに準拠した手術と補助化学療法がどの程度行われているかを、全米の補助療法の大規模スクリーニング試験ALCHEMISTで確認した。

新型コロナ後遺症、多岐にわたる症状と改善時期/東京感染症対策センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第7波が懸念される中で新規の陽性患者だけでなく、COVID-19の後遺症の報告も医療機関で上がっている。厚生労働省は、2021年12月に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(暫定版)」を作成し、全国の医療機関に診療の内容を示したところである。  今回、東京都は、3月24日に開催された東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で「都立・公社病院の外来を受診した後遺症患者の症例分析」を発表した。これは、都の感染症に関する政策立案、危機管理、調査・分析などの感染症対策を行う東京感染症対策センター(東京iCDC)が取りまとめたもの。

こういうランダム化比較試験は仕方ない?(解説:後藤信哉氏)

 日本ではランダム化比較試験の多くが薬剤の臨床開発の一環としての治験として行われている。治験でないランダム化比較試験には薬を売るためのseeding trial(種まき試験)が多い。企業の利益と臨床試験が直結するため、規制当局による厳格な規制がなければ資本は何をするかわからない。  経済利益と直結する臨床試験と異なり、本研究は新型コロナウイルスという脅威にさらされた人類の治療法探索の一環として施行された研究である。新型コロナウイルス感染は血栓症のリスクを増やす。血栓イベント予防効果のある抗血小板薬は感染症の予後を改善するかもしれないとの仮説が検証された。