呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:153

新型コロナ変異株感染者の特徴は?/国立国際医療研究センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の変異株の勢いが止まらない。日々の報道でも変異株の置き換わりについて耳にしない日はなく、早急な対応がなされつつある。そんな状況の中で、臨床の場で疫学的にはどのような動きがあるのだろうか。  国立国際医療研究センターは、国立感染症研究所と共同調査した「新型コロナウイルス感染症(新規変異株)の積極的疫学調査(第1報)」を4月27日開催のメディアセミナーで報告を行った。  セミナーでは、COVID-19の届出がされた24万2,373例のうちゲノム解析で変異株と同定された380例から協力が得られた110例の結果が、大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)により報告された。

がん患者、新型コロナワクチン接種後の抗体価が低い/Ann Oncol

 がん治療を受けている固形腫瘍患者はCOVID-19ワクチン接種後の抗体価が低く、2回以降の接種が健常者以上に重要になる、という報告が相次いでいる。  Annals Oncology誌2021年4月28号オンライン版に「LETTER TO THE EDITOR」として掲載されたフランスの研究では、固形腫瘍患者194例にBNT162b2を接種。初回接種時、2回目接種時(3~4週後)、2回目接種後3~4週目(6~8週後)に抗体値を測定し、陽性判定を行った。  主な結果は以下のとおり。

新型コロナワクチン戦略、65歳未満は1回目接種優先が有益/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンは、PfizerのBNT162b2およびModernaのmRNA-1273共に2回接種が標準となっているが、米国・メイヨー・クリニックのSantiago Romero-Brufau氏らは、エージェント・ベース・モデリングによるシミュレーションの結果、65歳未満の人々には1回目の接種を優先して行い2回目の接種を遅らせるワクチン接種戦略が、有益であることを明らかにした。同戦略で1日当たりのワクチン接種率が人口の0.1~0.3%で死亡率は最大20%低下し、1回接種のワクチン有効率が80%以上になる可能性があるという。BMJ誌2021年5月12日号掲載の報告。

心不全の2人に1人は予防できる!(解説:有馬久富氏)-1393

高齢者の増加に伴い、心不全患者さんが大幅に増加する「心不全パンデミック」が訪れると予想されている。心不全パンデミックを避けるためには、心不全の発症予防が急務である。 今回、Framingham研究・PREVEND研究およびMESA研究の統合解析から、年代別に心不全発症の危険因子およびその集団寄与危険割合を検討した結果がBMJに報告された。その結果、すべての年代において、男性・肥満・高血圧・糖尿病・喫煙・心筋梗塞および心房細動の既往が重要な危険因子であり、それらすべての集団寄与危険割合は75歳未満で75~77%、75歳以上で53%であった。つまり、75歳未満における心不全の4分の3、75歳以上では2分の1が、これらの危険因子により引き起こされているということが明らかになった。

モデルナ製ワクチンの副反応、ファイザー製との違いは?/JAMA

 モデルナ社の新型コロナウイルスワクチン(mRNA-1273)が日本でも特例承認され、大規模接種会場を中心に接種が始まる。商品名はCOVID-19ワクチンモデルナ筋注。既存株に対する ワクチン有効率は約94%でファイザー社ワクチン(BNT162b2mRNA、有効率:95%)とほぼ同等だが、副反応疑い症状の発症率についてはどうだろうかー。  今回、米国疾病予防管理センター(CDC)のCOVID-19レスポンスチームに所属する Johanna Chapin-Bardales氏らは、「BNT162b2mRNA」と「mRNA-1273」の接種者からの局所的・全身性の症状に関する報告の詳細を明らかにした。 その結果、両ワクチンともに接種部位の痛み、倦怠感、頭痛が多かった。また、いずれも副反応報告は2回目接種後のほうが多く、とくにmRNA-1273ワクチン接種者はBNT162b2mRNAと比べ、悪寒(40.0% vs.22.7%)、発熱(37.6% vs.21.5%)、筋肉痛(51.4% vs.36.8%)、頭痛(53.2% vs.40.4%)、倦怠感(60.0% vs.47.8%)、接種部位の疼痛(78.3% vs.66.5%)、関節痛(31.5% vs.19.9%)を多く報告していた。JAMA誌2021年4月5日号オンライン版に掲載の報告。

ファイザー新型コロナワクチン、がん患者ではとくに2回接種を/Lancet Oncol

 がん患者に対する新型コロナワクチンBNT162b2(ファイザー)の安全性と免疫原性をがん患者における評価を目的とした前向き観察研究の結果が発表された。  対象は、2020年12月8日~2021年2月18日に、ロンドンの3つの病院でBNT162b2接種を受けたがん患者と健康成人(主に医療従事者)。複合主要評価項目は、がん患者におけるBNT162b2ワクチンの初回接種後のSARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質IgG陽性の割合、2回目(初回から21日後)接種後の同陽性例の割合であった。

特発性肺線維症に抗菌薬は無効/JAMA

 特発性肺線維症(IPF)成人患者において、通常治療にコトリモキサゾール(ST合剤)またはドキシサイクリンを追加しても、通常治療単独と比較して呼吸器関連入院または全死因死亡までの期間に有意な改善は認められないことが、米国・New York Presbyterian Hospital/Weill Cornell MedicineのFernando J. Martinez氏らによる実用的な無作為化非盲検臨床試験「CleanUP-IPF試験」で示された。IPFは、肺微生物叢の変化が病勢進行と関連しており、線維化を伴う間質性肺疾患患者においてST合剤がアウトカムを改善することや、ドキシサイクリンはIPF患者の予後を改善し、メタロプロテアーゼを阻害することが予備的研究で示唆されていた。今回の結果を受けて著者は、「IPFの基礎にある病態に対する抗菌薬治療は支持されない」とまとめている。JAMA誌2021年5月11日号掲載の報告。

Novavax製ワクチン、南ア変異株に効果/NEJM

 米国・Novavax製の遺伝子組み換えSARS-CoV-2ナノ粒子ワクチン「NVX-CoV2373」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防に有効であり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陰性者において、より高い効果が認められた。NVX-CoV2373接種後の感染例の多くは、南アフリカ(B.1.351)変異株が原因であった。NovavaxのVivek Shinde氏らが、南アフリカで実施したNVX-CoV2373ワクチンの無作為化プラセボ対照第IIa/b相試験の結果を報告した。SARS-CoV-2変異株の出現が、COVID-19感染制御の進展を脅かしている。NVX-CoV2373ワクチンは、健康成人を対象とした第I/II相試験において安全性が確認されるとともに、強力な中和抗体産生と抗原特異的多機能CD4陽性T細胞反応との関連が示されていた。NEJM誌2021年5月5日号掲載の報告。

ファイザー製ワクチン、感染報告率の低下は接種後何日から?/感染研

 ファイザー製の新型コロナワクチンBNT162b2は、国内では2021年2月14日に薬事承認され、2月17日から医療従事者を対象とした先行接種が開始となった。国立感染症研究所は、先のワクチンの臨床的効果を迅速に評価するため、既存のサーベイランスデータを用いた仮想コホートを構成し、1回目接種後のCOVID-19報告率の変化を検討した。その結果、報告率は1回目接種日から12日前後を境に低下する傾向がみられ、接種後0~13日の報告率と比較すると、14~20日で0.42倍、21~27日で0.39倍、28日以降で0.14倍であった。

無症候性新型コロナ感染、ワクチン完了で発生率86%減/JAMA

 イスラエル・テルアビブの3次医療センター(1ヵ所)に勤務する医療従事者について、新型コロナワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)の接種完了者は非接種者と比べて、2回目接種後7日超の症候性および無症候性のSARS-CoV-2感染の発生率が有意に減少したことを、同国Tel Aviv Sourasky Medical CenterのYoel Angel氏らが報告した。なお、結果は観察デザインに基づく調査のため限定的だとしている。症候性SARS-CoV-2感染へのBNT162b2ワクチンの有効性については、無作為化試験で推定値が示されているが、無症候性SARS-CoV-2感染への効果については不明であった。JAMA誌オンライン版2021年5月6日号掲載の報告。