呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:152

コロナ感染経路不明者、リスク高い行動の知識が不足/国立国際医療研究センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の変異株による感染拡大の勢いが止まらない。  感染の主役は、COVID-19ワクチン接種を終えた高齢者にとって代わり、50代以下の若年・中年層へと拡大している。  こうした働き盛り、遊び盛りのこれらの年代の陽性者が、どこで、どのように感染しているのか。「感染経路不明」とされる事例の解明は、感染の封じ込め対策で重要な要素となる。  国立国際医療研究センターの匹田 さやか氏(国際感染症センター)らの研究グループは、入院時に感染経路が不明であった事例を対象に調査を行い、その結果をGlobal Health & Medicine誌に発表した。

肺がん、新PD-1阻害薬cemiplimab+化学療法の第III相試験(EMPOWER-Lung3)が有効中止/Sanofi

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する新規PD-1阻害薬cemiplimabとプラチナダブレット化学療法の併用の有用性を検討した第III相EMPOWER-Lung3試験は、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成し、中間解析で有効中止された。  EMPOWER-Lung3試験は、未治療のStage IVまたはStage IIIB/ CのNSCLCにおいて、PD-L1発現および組織型(扁平上皮および非扁平上皮)に関係なく、cemiplimab+プラチナダブレット化学療法とプラチナダブレット化学療法単独を比較した無作為化多施設第III相試験。

非入院COVID-19患者へのブデソニド、回復期間を3日短縮/Lancet

 合併症リスクの高い居宅療養の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、ブデソニド吸入薬は回復までの期間を短縮し、優越性は示されなかったが入院または死亡も減少することが示された。英国・オックスフォード大学のLy-Mee Yu氏らが、2,530例を対象に行った無作為化対照非盲検アダプティブプラットフォーム解析「PRINCIPLE試験」の結果で、ブデソニド吸入薬の14日間投与で、回復までの期間は2.94日短縮したという。これまでの有効性試験で、ブデソニド吸入薬のCOVID-19居宅療養者への効果は示されていたが、高リスク患者への効果については明らかになっていなかった。Lancet誌オンライン版2021年8月10日号掲載の報告。

AZワクチンとRNAワクチンによるハイブリッド・ワクチンの効果と意義 (解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

priming(1回目接種)とbooster(2回目接種)に異なるワクチンを使用する方法は“異種ワクチン混在接種(heterologous prime-boost vaccine)”と呼称されるが、本論評では理解を容易にするため“ハイブリッド・ワクチン接種”と命名する。この特殊な接種に使用されるワクチンの原型は、adenovirus(Ad)-vectored vaccineとして開発されたロシアのGam-COVID-Vac(Sputnik V)である(山口. CareNet 論評-1366)。Gam-COVID-Vacでは、priming時にヒトAd5型を、booster時にはヒトAd26型をベクターとして用いS蛋白に関する遺伝子情報を生体に導入する特殊な方法が採用された。ChAdOx1(AstraZeneca)など同種のAdを用いたワクチンでは1回目のワクチン接種後にベクターであるAdに対する中和抗体が生体内で形成され、2回目ワクチン接種後にはAdに対する中和抗体価がさらに上昇する(Ramasamy MN, et al. Lancet. 2021;396:1979-1993.、Stephenson KE, et al. JAMA. 2021;325:1535-1544. )。そのため、同種Adワクチンでは2回目のワクチン接種時にS蛋白に対する遺伝子情報の生体導入効率が低下、液性/細胞性免疫に対するbooster効果の発現が抑制される。一方、1回目と2回目のワクチン接種時に異なるAdをベクターとして用いるハイブリッドAdワクチンでは2回目のワクチン接種時のS蛋白遺伝子情報の生体への導入効率は同種Adワクチンの場合ほど抑制されず、ハイブリッドAdワクチンの予防効果は同種Adワクチンよりも高いものと考えられる。実際、従来株に対する発症予防効果は、ハイブリッドAdワクチンであるGam-COVID-Vacで91.1%(Logunov DY, et al. Lancet. 2021;397:671-681. )、同種AdワクチンであるChAdOx1で51.1%(ワクチンの接種間隔:6週以内)、あるいは、81.3%(ワクチン接種間隔:12週以上)であり(Voysey M, et al. Lancet. 2021;397:881-891. )、同種Adワクチン接種に比べハイブリッドAdワクチン接種のほうがウイルスに対する予防効果が高いことが示されている。

ヘパリン増量では対応できない重症新型コロナウイルス感染症(解説:後藤信哉氏)

新型コロナウイルス感染に対して1~2年前よりは医療サイドの対策は進んでいる。肺を守るステロイド、ECMOなどは状況に応じて広く使用されるようになった。しかし、血栓性合併症についての十分な治療が確立されていない。われわれの経験した過去の多くの血栓症ではヘパリンが有効であった。ヘパリンは内因性のアンチトロンビンIIIの構造を変換して効果を発揮するので、人体に凝固系が確立されたころから調節系として作用していたと想定される。心筋梗塞、不安定狭心症、静脈血栓症など多くの血栓症にヘパリンは有効であった。ヘパリンの有効性、安全性については重層的な臨床エビデンスがある。ヘパリンを使えない血栓症は免疫性ヘパリン惹起血小板減少・血栓症くらいであった。重症の新型コロナウイルス感染症では、わらにもすがる思いで治療量のヘパリンを使用した。しかし、治療量と予防量のヘパリンを比較する本研究は1,098例を登録したところで中止された。最初から治療量のヘパリンを使用しても生存退院は増えず、ECMOなどの必要期間も変化しなかった。

AmoyDx 肺癌マルチ遺伝子PCRパネル、METexon14スキッピング肺がんのコンパニオン診断にも承認/理研ジェネシス

 理研ジェネシスは、2021年8月12日、体外診断用医薬品「AmoyDx 肺癌マルチ遺伝子PCR パネル」に関し、MET遺伝子エクソン14 スキッピング変異陽性に適応する薬剤の判定補助の承認を取得したと発表。  これにより、メルクバイオファーマのテポチニブ(製品名:テプミトコ)の適応判定の補助に本品の使用が可能となる。  今回の承認により、同製品はNSCLCの5種のドライバー遺伝子に対応する本邦初のコンパニオン診断薬となった。

EGFR EXON20変異の非小細胞肺がんに対するEGFR-MET二重特異性抗体amivantamabの評価(CHRYSALIS)/JCO

 EGFR exon20挿入変異(Exon20ins)を伴う非小細胞肺がん(NSCLC)は、従来のチロシンキナーゼ阻害薬に対して耐性を示す。一方、amivantamabはEGFRとMETの双方の受容体の細胞外ドメインに結合し、TKI結合部位での耐性を回避するEGFR-MET二重特異性抗体である。  韓国のKeunchil Park氏らは、化学療法進行後のEGFR Exon20insを有するNSCLC患者に対する第I相試験初回解析において、amivantamab単剤の有効性と忍容性を報告した。

Delta株に対する現状ワクチンの予防効果―液性免疫、細胞性免疫からの考察(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

 新型コロナ感染症にあって、感染性、病原性が高いVariants of Concern(VOC:Alpha株、Beta株、Gamma株、Delta株)が世界を席巻している。その中で、5月以降、Delta株(インド株、B.1.617.2)の勢力が増し、世界に播種するウイルスの中心的存在になりつつある。現状で使用可能なワクチンは武漢原株のS蛋白遺伝子配列をplatformとして作成されたものであり、S蛋白に複数の遺伝子変異を有するVOCに対して、どの程度の予防効果を発揮するかについては注意深い検証が必要である。本論評では、WallらとEdaraらの2つの論文を基に、Delta株を中心にVOCに対する現状のワクチンの効果を液性免疫(中和抗体)、細胞性免疫(T細胞反応)の面から考察する。

ヘパリン介入のチャンスのある重症化前の新型コロナウイルス感染(解説:後藤信哉氏)

一般に、疾病は早期介入が重要である。新型コロナウイルスの場合、ウイルス感染という比較的単純な原因が炎症、肺炎などを惹起する。血管内皮細胞へのウイルス浸潤から始まる血栓症も初期の原因は比較的単純である。ウイルス感染に対して生体が反応し、免疫系が寄与する病態は複雑になる。複雑な病態は単純な治療では脱却できない。重症例を確実に入院させるとともに、早期の症例に対する医療介入の意味を示したのが本論文である。

コロナ治療薬「ロナプリーブ」、短期入院や宿泊療養でも使用可/厚労省

 厚生労働省は8月13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として先月、国内における製造販売を承認した「ロナプリーブ点滴静注セット300」「同1332」について、医療機関への配分を指示する事務連絡(2021年7月20日付で発出)の一部を改訂。主に軽症者~中等症を受け入れる医療機関における短期入院や、宿泊療養施設での使用も想定されるとの認識を示し、新たに記載を追加した。  今回の追記は、事務連絡の別添にある質疑応答集に加えられたもの。「ロナプリーブ」は、現状として安定的な供給が難しいことから、当面の間、重症化リスクのある入院患者が投与対象となり、本剤の配分を受けられる医療機関は、投与対象者を受け入れている病院または有床診療所とされていた。