呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:260

MSI-H固形がんへのペムブロリズマブ、日本人サブ解析結果(KEYNOTE-158)/癌治療学会

 マイクロサテライト不安定性の高い(MSI-H)固形がんの日本人症例に対するペムブロリズマブの有用性が示された。MSI-H固形がん(大腸がん以外)を対象としたペムブロリズマブの第II相試験(KEYNOTE-158)における日本人7例でのサブグループ解析結果について、近畿大学の中川 和彦氏が10月18~20日に横浜市で開催された第56回日本癌治療学会学術集会で発表した。  本試験は、大腸がん以外の転移のあるもしくは切除不能のMSI-H固形がんが対象。進行もしくは標準的な1次治療に不耐容、かつECOG PS 0~1の患者がエントリーされた。ペムブロリズマブ200mgを3週ごとに最大2年間投与した。最初の1年間は9週ごとに、それ以降は12週ごとに画像診断を実施した。主要評価項目は奏効率(ORR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、安全性であった。

オシメルチニブ1次治療における耐性獲得機序(FLAURA)/ESMO2018

 進行EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患の1次治療に対する第III相FLAURA試験において、オシメルチニブは、標準治療EGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ)と比較して優れた有効性を示し、1次治療の適応となった。そのため、オシメルチニブ1次治療における獲得耐性メカニズムについての知見は、今後の治療開発にとって重要な情報である。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018 Congress)では、上記FLAURA試験中に進行した患者におけるオシメラチニブに対する獲得耐性メカニズムに関する予備的データが報告された。

特発性肺線維症治療の現状について(解説:小林英夫 氏)-935

特発性肺線維症(IPF)は特発性間質性肺炎(IIPs)の中で最多を占め、現在、完治療法が得られておらず、IPF生存中央値は肺がんと同程度の予後が報告されている。なお特発性間質性肺炎とは、原因不明の間質性肺炎“群”の総称である。20年ほど前までは副腎皮質ホルモン薬や免疫抑制薬などが抗炎症効果を期待して投与されていたが、明確な効果を実感することは難しかった。

気胸の入院発生が増加、疫学的特性は?/JAMA

 英国において1968~2016年に自然気胸で入院治療を受けた患者の推移を調べた結果、有意な増加が認められ、患者の約6割が慢性肺疾患を有しているといった特徴が明らかにされた。英国・オックスフォード大学Hospitals NHS Foundation TrustのRob J. Hallifax氏らによる住民ベース疫学研究の結果で、JAMA誌2018年10月9日号で発表された。自然気胸は頻度の高い疾患であり、独特の疫学的プロファイルを有するが、住民ベースのデータは限定的であった。

日本人統合失調症患者の喫煙率に関する大規模コホートメタ解析

 統合失調症患者の喫煙は、世界的に一般集団と比較してより多くみられるが、日本での研究結果では矛盾が生じていた。最近では、一般集団の喫煙率は徐々に低下している。金沢医科大学の大井 一高氏らは、日本人の統合失調症患者を対象に、喫煙率の大規模コホートメタ解析を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2018年9月17日号の報告。

紙巻きタバコのニコチン含量の即時低減は段階的低減や現状維持に比べ減煙達成率は高いが、その一方で禁煙率の改善につながるか不明?(解説:島田俊夫氏)-928

紙巻きタバコの喫煙習慣が健康にとって有害なのは周知されている。しかし、多くの喫煙者が禁煙できないのも現実。タバコには習慣性があり、自力で禁煙に苦しむニコチン中毒患者を禁煙させるのは簡単ではない。喫煙による多種多様の有害物の長期吸入による影響が動脈硬化やがんの発生につながるため、禁煙達成こそゴールとなる。禁煙指導の推進の結果として、日本の喫煙者率は減少傾向にあるのは事実であるが、本来の目標を達成するためには喫煙ゼロを目指すべき。ニコチン含量を減らした紙巻きタバコを使った禁煙/減煙に関する論文は散見されるが、2018年9月4日号のJAMA誌に掲載された米国ミネソタ大学のHatsukami DK氏らの論文は、研究対象も多く、追跡期間も相対的に長く、困難な禁煙に風穴を開ける減煙成功率の高い方法に関する報告であり、禁煙に難渋している喫煙者にとり禁煙への扉を開く可能性を秘めた論文と考え私見をコメントする。

免疫CP阻害薬の治療効果と便秘の関係

 近年、腸内細菌叢にある宿主免疫制御が報告され、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の治療効果との相関が注目されている。また、腸内細菌叢は排便習慣により変化することが報告されている。非小細胞肺がん(NSCLC)患者における便通異常と、ICIの治療効果の関連性について後ろ向きに検討した京都府立医科大学の研究結果が、片山 勇輝氏らにより第16回日本臨床腫瘍学会で報告された。