呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:263

デュルバルマブ、CCRT維持療法のサブグループ解析(PACIFIC)/ESMO2018

 PACIFIC試験はStageIII切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるCCRT治療においてOSとPFS双方を改善した。このPACIFIC試験の探索的解析が、ドイツ・ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)において、発表された。 ・対象:化学放射線同時併用療法(CCRT)後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者 ・試験薬:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月 ・対照薬:プラセボ、2週ごと12ヵ月 ・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会判定によるPFS、OS [副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。

エルロチニブによるNSCLCネオアジュバントの有効性(CTONG-1103)/ESMO2018

 EGFR-TKIゲフィチニブによるEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法は、ADJVANT試験において、PFSの有意な延長が報告された。CTONG-1103試験は、のStageIII-N2 EGFR変異陽性NSCLCの術前補助療法において、エルロチニブ単剤とゲムシタビン+シスプラチン(GC)を比較したオープンラベル無作為化比較第II相試験である。ドイツ・ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)において、その結果が発表された。

COPD増悪予防、ICSへのテオフィリン追加に効果なし/JAMA

 増悪リスクが高いCOPD成人患者において、吸入ステロイド薬(ICS)による治療に低用量のテオフィリン薬を加えても、増悪頻度は減少しないことが、英国・アバディーン大学のGraham Devereux氏らによるプラグマティックな二重盲検プラセボ対照無作為化試験「TWICS試験」の結果、示された。COPDは世界的に重大な健康問題となっている。テオフィリン薬の使用は広く行われており、前臨床試験では、血漿中テオフィリンの低濃度(1~5mg/L)により、COPDにおけるコルチコステロイドの抗炎症効果を増強することが示されていた。今回の試験の結果を受けて著者は、「COPD増悪の予防について、ICS治療への補助療法としての低用量テオフィリン使用は、支持できないことが示された」と述べている。JAMA誌2018年10月16日号掲載の報告。

MSI-H固形がんへのペムブロリズマブ、日本人サブ解析結果(KEYNOTE-158)/癌治療学会

 マイクロサテライト不安定性の高い(MSI-H)固形がんの日本人症例に対するペムブロリズマブの有用性が示された。MSI-H固形がん(大腸がん以外)を対象としたペムブロリズマブの第II相試験(KEYNOTE-158)における日本人7例でのサブグループ解析結果について、近畿大学の中川 和彦氏が10月18~20日に横浜市で開催された第56回日本癌治療学会学術集会で発表した。  本試験は、大腸がん以外の転移のあるもしくは切除不能のMSI-H固形がんが対象。進行もしくは標準的な1次治療に不耐容、かつECOG PS 0~1の患者がエントリーされた。ペムブロリズマブ200mgを3週ごとに最大2年間投与した。最初の1年間は9週ごとに、それ以降は12週ごとに画像診断を実施した。主要評価項目は奏効率(ORR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、安全性であった。

オシメルチニブ1次治療における耐性獲得機序(FLAURA)/ESMO2018

 進行EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患の1次治療に対する第III相FLAURA試験において、オシメルチニブは、標準治療EGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ)と比較して優れた有効性を示し、1次治療の適応となった。そのため、オシメルチニブ1次治療における獲得耐性メカニズムについての知見は、今後の治療開発にとって重要な情報である。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018 Congress)では、上記FLAURA試験中に進行した患者におけるオシメラチニブに対する獲得耐性メカニズムに関する予備的データが報告された。

特発性肺線維症治療の現状について(解説:小林英夫 氏)-935

特発性肺線維症(IPF)は特発性間質性肺炎(IIPs)の中で最多を占め、現在、完治療法が得られておらず、IPF生存中央値は肺がんと同程度の予後が報告されている。なお特発性間質性肺炎とは、原因不明の間質性肺炎“群”の総称である。20年ほど前までは副腎皮質ホルモン薬や免疫抑制薬などが抗炎症効果を期待して投与されていたが、明確な効果を実感することは難しかった。