呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:287

抗PS抗体bavituximabは免疫チェックポイント阻害薬の活性を増強するか:SUNRISE試験サブグループの結果/WCLC2017

 phosphatidylserin(PS)は、がん微小環境にある細胞の表面に広範に発現し、腫瘍特異的T細胞の誘導を抑制し、高い免疫抑制作用を発現する。bavituximabは、PSを標的とするメラIgG1モノクローナル抗体であり、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞を活性化し、免疫寛容を抑制して、抗腫瘍効果を発揮することが期待されている。

日本の喫煙者のがんリスク、禁煙何年で喫煙歴ゼロと同じに?

 日本人のがん罹患リスクは、男性で21年以上、女性で11年以上禁煙すれば、喫煙歴のない人と同レベルまで低下することが、東京大学の齋藤 英子氏らによる研究で明らかになった。男性では、20 pack-year以上のヘビースモーカーにおいても同様の結果であるという。早いうちに禁煙することが、がん予防への近道であると考えられる。Cancer epidemiology誌オンライン版2017年11月2日号の報告。

日本初の抗PD-L1抗体アベルマブ、他の抗体との違いも

 抗PD-L1抗体として日本で初めて、アベルマブ(商品名:バベンチオ)が9月27日に承認された。アベルマブは、今回承認されたメルケル細胞がん(MCC)以外に、胃がん、非小細胞肺がん、頭頸部がん、腎細胞がん、尿路上皮がん、リンパ腫、固形がんに対して、国内で臨床試験を実施している。11月6日、共同開発を進めるメルクセローノ株式会社とファイザー株式会社によるプレスセミナーが開催され、西川 博嘉氏(国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野 分野長)と山﨑 直也氏(国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科 科長)が講演した。

dacomitinibによるEGFR変異肺がん1次治療のサブグループ解析:ARCHER 1050/WCLC2017

 ARCHER1050試験は、EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において第2世代EGFR-TKIのdacomitinibと第1世代TKIゲフィチニブを比較した第III相試験である。対象はStage IIIB~IVのEGFR変異陽性再発NSCLC患者452例で、主要評価項目はIRCレビューによる無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目はIRCおよび治験担当医の評価による全生存期間および客観的奏効率(ORR)である。

がん治療の末梢神経障害、皮膚障害に指針/日本がんサポーティブケア学会

 Supportive care。日本では支持療法と訳されることが多い。しかし、本来のSupportive careは、心身の異常、症状の把握、がん治療に伴う副作用の予防、診断治療、それらのシステムの確立といった広い意味であり、支持療法より、むしろ支持医療が日本語における適切な表現である。2017年10月に行われた「第2回日本がんサポーティブケア学会学術集会」のプレスカンファレンスにおいて、日本がんサポーティブケア学会(JASCC)理事長 田村和夫氏はそう述べた。

ALK/ROS1肺がんにおけるlorlatinibの国際第I相試験の結果/Lancet Oncol

 ALKまたはROS1非小細胞肺がん(NSCLC)の患者の多くは、TKI療法に感受性であるが通常は耐性となり、CNS転移も多い。この研究はALKまたはROS1変異陽性の進行NSCLCにおける既知の耐性について、前臨床で有望な活性を有し、脳移行性の高いALK・ROS1-TKIであるlorlatinibの安全性、有効性および薬物動態学的特性を分析することを目的としたもの。米国Massachusetts General HospitalのAlice T Shaw氏らによる報告がLancet Oncology誌に掲載された。