呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:286

ALK陽性肺がん2次治療におけるアレクチニブと化学療法との第III相比較試験(ALUR)/ESMO2017

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)治療の現在の標準はクリゾチニブである。しかし、多くの患者は、1年以内にPDを経験し、それはとくに中枢神経系(CNS)でよくみられる。第III相ALUR試験は、プラチナベース化学療法およびクリゾチニブ既治療のALK陽性NSCLCにおいて、アレクチニブと標準化学療法の有効性および安全性を比較試験であり、その初期結果がスペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)で、イタリアUniversity of TurinのS. Novello氏より発表された。

オシメルチニブ、東アジア人のCNS転移例における効果(AURA17)/ESMO2017

オシメルチニブのT790M陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)のCNS転移例に対する有効性は、国際研究(AURA拡大およびAURA2試験のプール解析)で示されている。スペイン・マドリッドで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)においては、EGFR-TKIで進行した東アジア人患者のCNS転移例に対するオシメルチニブの第II相オープンラベル、シングルアーム試験AURA17の結果が報告された。

NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法の追跡結果(KEYNOTE-021)/ESMO2017

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、ペメトレキセド+カルボプラチン化学療法(PC)群とペムブロリズマブ+化学療法(pembro+PC)群とを比較した第II相試験、KEYNOTE-021コホートGの更新結果が、米国Fox Chase Cancer Center のHossein Borghaei氏によりスペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congerss)で発表された。

既治療の非小細胞肺がんに対するnab-パクリタキセル、単独およびdurvalumabとの併用が有望(abound2L+)/ESMO2017

 既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する2次、3次治療は免疫チェックポイント阻害薬の登場で進化した。しかし、長期間のベネフィットを得られる患者は一部であり、最終的に化学療法を追加することになる患者も少なくない。nab-パクリタキセル(nab-P)はカルボプラチンとの併用で、進行NSCLCの1次治療の認可を得ているが、2次治療における効果も報告されている。またアザシチジン(CC-486)のようなDNAメチル基転移酵素阻害薬は免疫チェックポイント阻害薬と同様に化学療法の効果を上げるとされる。スペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)において、nab-Pの単独療法とCC-486、およびPD-L1阻害剤durvalumabとの併用における安全性と有効性を評価したabound2L+試験の結果が、米国Washington University School of MedicineのDavid Morgenszter氏により発表された。

ダブラフェニブ・トラメチニブ併用、BRAF変異肺がん1次治療で奏効率64%/ESMO2017

 BRAF遺伝子変異でもっとも一般的なBRAF V600Eは、肺腺がんの1~2%に認められる。このBRAF V600E変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者に対する、BRAF阻害薬ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)とMEK阻害薬トラメチニブ(商品名:メキニスト)の併用療法の第Ⅱ相試験の結果を、スペイン・マドリードで開催された欧州腫瘍学会(ESMO2017)でフランス Institute Gustave RoussyのDavid Planchard氏が発表した。

durvalumabとオシメルチニブは新たな標準治療となりうるか:PACIFIC/FLAURA試験

 欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)では、抗PD-L1抗体durvalumabの第III相PACIFIC試験ならびに第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の第III相FLAURA試験という、肺がん領域の2つの大きな臨床試験結果が発表された。発表後、PACIFIC試験の主任研究者であるスペイン・Hospital Universitario de OctubreのLuis Paz-Ares氏、FLAURA試験の主任研究者である米国・Winship Cancer Institute of Emory UniversityのSuresh Ramalingam氏がプレスに対して試験結果について解説した。本稿では、開発企業であるアストラゼネカ株式会社メディカル本部オンコロジー領域部部門長の橋上 聖氏および同社Global Medicines Development、Head of Oncology、Senior Vice PresidentのKlaus Edvadsen氏へのインタビュー内容を交え、今回の結果からみえてきた点や今後の展望について紹介する。

チオトロピウムの肺機能低下抑制、軽~中等症でも/NEJM

 軽症~中等症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対するチオトロピウム(商品名:スピリーバ)は肺機能の低下を抑制することが、中国・国立呼吸器疾患センターのYumin Zhou氏らが841例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、示された。軽症~中等症COPD患者は、症状がみられることが少なく薬物療法が行われることはほとんどない。研究グループは、そうした患者へのチオトロピウム投与は、肺機能を改善し、肺機能低下を抑制するのではないかと仮説を立て検証試験を行った。NEJM誌2017年9月7日号掲載の報告。

眼瞼下垂、睡眠時無呼吸との関連は?

 眼瞼弛緩症候群と睡眠時無呼吸症候群(OSA)の関連は数多く報告されているが、眼瞼弛緩症候群の診断基準は主観的で曖昧である。米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のTimothy P. Fox氏らが、睡眠クリニックで終夜睡眠ポリグラフ検査を行った患者201例を対象に調査した結果、眼瞼弛緩スコアとOSAの存在または重症度の関連は認められなかったと報告した。著者は、「サブグループ解析の結果から、先行研究は交絡因子や眼瞼弛緩の確認手技において限界があったことが示唆される」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年9月7日号掲載の報告。

がん診断後の禁煙、生存率への効果は?

 がん患者が禁煙することで死亡率が低下するかはわかっていない。今回、英国・オックスフォード大学のConstantinos Koshiaris氏らが、喫煙関連がんの患者において禁煙と予後の関連を検討した結果、肺がんと上部気道消化管がんでは禁煙した患者は喫煙し続けた患者より死亡リスクが低いことが示された。British journal of cancer誌2017年9月12日号に掲載。