呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:320

COPDの新薬スピオルト レスピマット、製造販売承認取得

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は、2015年9月28日、1日1回吸入のCOPD治療配合剤スピオルト レスピマット28吸入、同60吸入(一般名:チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤)(以下、スピオルト)が、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)を適応として、日本で製造販売承認を取得したことを発表した。

乳児の細気管支炎、SpO2値90%でもアウトカム良好/Lancet

 細気管支炎で入院した乳児の酸素飽和度(SpO2)目標値は、90%でも、94%とその治療効果や安全性は同等であることが判明した。英国・エジンバラ大学のSteve Cunningham氏らが細気管支炎の乳児615例を対象に行った、二重盲検無作為化同等性試験の結果、報告された。同目標値について、米国小児科学会やWHO(世界保健機構)では90%としている。しかし、その裏付けとなるエビデンスはなかった。Lancet誌2015年9月12日号掲載の報告より。

脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず/Lancet

 脳卒中ユニットで治療中の嚥下障害がある脳卒中後患者について、予防的抗菌薬投与を行っても肺炎発症は抑制されず、同治療は推奨できないとする見解を、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLalit Kalra氏らがクラスター無作為化試験の結果、報告した。脳卒中後肺炎は、死亡の増大および機能的アウトカムの不良と関連している。研究グループは、予防的抗菌薬の有効性を調べるため今回の検討を行ったが、アルゴリズムに基づく発症率の補正後オッズ比は1.21であるなど、肺炎の発症に有意な差は認められなかったという。Lancet誌オンライン版2015年9月3日号掲載の報告。

PRIMIT試験:インターネットによる手洗いの奨励がもたらす効果(解説:小金丸 博 氏)-418

インフルエンザなどの気道感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染が主であると考えられている。接触による感染の伝播防止には手洗いが有効であり、新型インフルエンザA(H1N1)のパンデミック期には、世界保健機関(WHO)は手洗いを推奨した。手洗いの教育がもたらす感染予防効果について、小児を対象とした質の高い研究があるものの、非貧困地域における成人を対象とした質の高い研究は、今まで存在しなかった。

好評!肺音(呼吸音)研究会、肺聴診セミナー今年も開催

 2015年10月17日、第40回肺音(呼吸音)研究会および第5回肺聴診セミナーが東京のJA共済ビルで開催される。フィジカル・アセスメントの重要性が再認識されている今、若手医師をはじめとした医療従事者に人気のこのイベントについて、同研究会当番幹事およびセミナー講習会長を努める福島県立医科大学 呼吸器内科 教授 棟方充氏に聞いた。

アレルギー高リスク乳児でも、急性気管支炎にアドレナリン吸入は効果なし

 乳児の急性細気管支炎に対する気管支拡張薬の吸入療法は、ガイドラインで支持されていないにもかかわらず、アトピー性疾患のある個人には有効と信じられ、しばしば用いられている。しかし、細気管支炎後にアトピー性皮膚炎、アレルギー感作または気管支閉塞を発症した乳児について解析したところ、急性細気管支炎による入院期間はエピネフリン(アドレナリン)吸入によって減少していなかったことが、ノルウェー・オスロ大学のHavard Ove Skjerven氏らによる無作為化二重盲検試験の追跡調査で明らかになった。

心不全患者へのASV陽圧換気療法は死亡を増大/NEJM

 左室駆出率が低下し、多くが中枢性睡眠時無呼吸症候群を有する心不全患者を対象とした無作為化試験において、Adaptive servo-ventilation(ASV)陽圧換気療法の死亡や予後不良改善の有意な効果は認められず、同治療群の全死因死亡および心血管系による死亡の増大がみられたことが報告された。英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのMartin R. Cowie氏らが、1,325例を対象とした試験の結果、明らかにした。心不全患者において、中枢性睡眠時無呼吸症候群は予後不良や死亡との関連があることが知られており、ASV陽圧換気療法は、非侵襲的な睡眠時無呼吸症候群の治療法であり、心不全患者に対する有効性が期待されていた。NEJM誌オンライン版2015年9月1日号掲載の報告。

経口抗菌薬への早期切り替え、誤嚥性肺炎でも有効か

 市中肺炎において、早期に抗菌薬の点滴静注から経口投与に移行するスイッチ療法の有効性が報告されているが、誤嚥性肺炎については報告されていない。そこで、聖路加国際病院呼吸器内科 宇仁 暢大氏らは、誤嚥性肺炎患者を対象に、新たに設けられた市中肺炎に対する切り替え基準の可能性と有効性を前向き観察研究で検討した。その結果、患者の約75%がこの新たな切り替え基準を満たし、その約90%が経口投与に安全に移行したことから、この基準の有効性と実現可能性が示唆された。Respiratory investigation誌2015年9月号に掲載。

禁煙意思のない喫煙者での減煙治療の効果~最新のメタ解析

 禁煙意思のない喫煙者において、減煙治療は長期禁煙率を増加させるだろうか。中国人民解放軍総合病院のLei Wu氏らは、無作為化試験の論文を系統的にレビューしメタ解析を行った。その結果、禁煙意思のない喫煙者における完全な禁煙達成に、ニコチン置換療法(NRT)やバレニクリンの補助による減煙治療が有効であることが示唆された。International journal of environmental research and public health誌2015年8月25日号に掲載。

NSCLCにおけるAZD9291の新たなエビデンス―世界肺がん学会

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、9月8日、2015年世界肺がん学会議において、上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療ならびに過去に治療歴を有する患者を対象とした、AZD9291の最新データを発表した。本データは、AURA第I相1次治療群と2本のAURA第II相試験によって得られたもの。