ファイザー社は2016年8月31日、欧州委員会がクリゾチニブ(商品名:ザーコリ)をROS1陽性進行非小細胞肺がん(以下、非小細胞肺がんをNSCLC)に対する治療薬として承認したと発表した。
今回の欧州委員会の適応追加承認は、多施設共同単群第I相試験(1001試験)のROS1陽性進行NSCLCに対する成績が評価された結果である。
1001試験の有効性主要評価項目は、RECIST(固形がんの腫瘍縮小効果判定)に基づく奏効率(ORR)、副次的評価項目は、奏効までの期間(TTR)、奏効期間(DOR)および無増悪生存期間(PFS)などであった。試験の結果、ROS1陽性進行NSCLCにおけるクリゾチニブの抗腫瘍効果が示され主要評価項目ORRの基準を満たした。また、クリゾチニブの安全性プロファイルは、ALK陽性進行NSCLCにおいて認められた安全性プロファイルと一貫していた。
疫学データからROS1の再構成は、NSCLCのおよそ1%に生じることが示唆されている。
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(ケアネット 細田 雅之)