呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:90

ブースター接種はオミクロン関連入院に有効/BMJ

 米国では2022年の当初半年間における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのブースター接種者は、オミクロン変異株関連のCOVID-19の入院について、プライマリシリーズのみ接種者を上回るベネフィットを得ていたことが、米国疾病予防管理センター(CDC)のKatherine Adams氏らによる検査陰性デザイン・ケースコントロール試験の結果、示された。ブースター接種が推奨される中で、オミクロン変異株は2021年12月26日時点でSARS-CoV-2の優勢な変異株となっており、ブースター接種の有効性に関するデータ提示が必要とされていた。BMJ誌2022年10月11日号掲載の報告。

フルオロキノロン系抗菌薬で自殺念慮リスクが増大?/BMJ

 2016年、米国食品医薬品局(FDA)は、フルオロキノロン系抗菌薬の枠囲み警告(boxed warning)の改訂において、自殺念慮のリスク増大との関連を示唆した。米国・ハーバード大学医学大学院のJunyi Wang氏らは、この関連について検討し、フルオロキノロン系抗菌薬の使用は、自殺念慮のリスクを実質的に増加させないことを確認した。研究の成果は、BMJ誌2022年10月4日号で報告された。  研究グループは、フルオロキノロン系抗菌薬の投与開始と、自殺傾向による入院または救急診療部受診との関連の評価を目的に、住民ベースのコホート研究を行った(米国・ブリガム&ウィメンズ病院などの助成を受けた)。

FDA、小児へのモデルナとファイザーのBA.4/5対応2価ワクチンを承認

 米国食品医薬品局(FDA)は10月12日、モデルナおよびファイザーのオミクロン株BA.4/5対応の新型コロナウイルス2価ワクチンについて、緊急使用許可(EUA)を修正し、小児への単回追加接種の対象年齢を拡大したことを発表した。モデルナの2価ワクチンは、これまで18歳以上だったものが6~17歳にも承認され、ファイザーの2価ワクチンは、12歳以上だったものが5~11歳にも承認された。それぞれ初回シリーズから最低2ヵ月の接種間隔を経て接種が許可されている。  今回の小児への2価ワクチン承認拡大に伴い、ファイザーの従来の1価ワクチンは、5~11歳に対する追加接種としての使用ができなくなる。ただし、モデルナおよびファイザーの1価ワクチンは、初回シリーズとして、生後6ヵ月以上を対象とした接種は引き続き承認されている。

BA.4/5対応2価ワクチンの第II/III相試験、7日後データ/ファイザー

 米国・Pfizerは10月13日付のプレスリリースで、同社のオミクロン株BA.4/5対応の新型コロナウイルス2価ワクチンについて、18歳以上における臨床試験の初期データを発表した。2価ワクチン追加接種から7日後に被験者から採取した血清で、オミクロン株BA.4/5に対する中和抗体反応が、追加接種前よりも大幅に上昇したことが確認され、若年層と高齢者ともに、同社の起源株に対する1価ワクチンよりも、BA.4/5への予防効果が期待できることが示唆された。  同社が実施したBA.4/5対応2価ワクチンの第II/III相試験では、55歳以上で1価ワクチン3回+2価ワクチン(30μg)で4回目接種して7日後の血清(40例)と、同年齢層で1価ワクチン3回+1価ワクチン(30μg)で4回目接種して7日後の血清(40例)とが比較された。また、18~55歳の1価ワクチン3回+2価ワクチンで4回目接種して7日後の血清(40例)も採取され、若年層と高齢者の2価ワクチンの反応も比較された。2価ワクチン接種群の3回目と4回目の接種間隔は約11ヵ月であったが、1価ワクチン接種群の3回目と4回目の接種間隔は約6ヵ月であった。この差にもかかわらず、中和抗体価のベースラインは各群でおおむね同程度だった。被験者のうち新型コロナの既往・現病歴がある人とない人は、各群で均等に層別化された。免疫原性は、SARS-CoV-2ライブウイルス蛍光焦点還元中和アッセイ(FFRNT)を用いて評価された。

コロナ・インフル同時流行時の対応策を発表/厚労省

 厚生労働省は2022年10月13日、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザが同時流行した場合の外来受診の流れを発表した。重症化リスクに応じて受診方法が2つに分かれており、発熱外来の受診は原則として重症化リスクの高い患者(小学生以下の子供、妊婦、基礎疾患を有する人、高齢者など)に限られる。  重症化リスクの高い患者は、発熱外来、かかりつけ医、地域外来・検査センターを速やかに受診する。新型コロナ、インフルエンザの検査を実施し、陽性だった場合は自宅療養や入院となる。

ペムブロリズマブのNSCLC術後補助療法、3年後もDFSの改善を持続(PEARLS/KEYNOTE-091)/Lancet Oncol

 ペムブロリズマブによる非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法を評価する第III相PEARLS/KEYNOTE-091試験の2回目の中間解析で、ペムブロリズマブの術後補助療法は3年後も良好な無病生存期間(DFS)の改善を維持していることが明らかとなった。英国・ロイヤル・マーズデン病院のMary O’Brien氏がLancet Oncology誌で発表している。

4回目接種後、高齢者の入院予防効果はどれだけ上がるか/BMJ

 中等症~重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンの有効性は、3回目接種後に経時的に低下したが、4回目接種が推奨されたほとんどのサブグループで追加ブースター接種により改善することが、米国疾病予防管理センター(CDC)のJill M. Ferdinands氏らが実施した検査陰性デザインによる症例対照研究で示された。COVID-19のBNT162b2(ファイザー製)/mRNA-1273(モデルナ製)ワクチンは、有効性が経時的に低下し追加接種で上昇することが臨床研究で示唆されているが、この傾向が年齢、免疫不全状態、ワクチンの種類や接種回数でどのように変化するかは不明であった。

塩野義のコロナ治療薬、発症予防検証の第III相試験を12月に開始

 塩野義製薬は、10月11日に行われたR&D Day 2022にて、同社が開発中の新型コロナウイルス(COVID-19)経口治療薬ensitrelvir(S-217622)について、症状の発生抑制効果を検証するため、SARS-CoV-2感染症患者(初発患者)の同居家族を対象とした第III相臨床試験(SCORPIO-PEP試験)を、日本と米国などで2022年12月より開始する予定であることを発表した。また、6~12歳未満の軽症・中等症を対象とした日本での第III相試験や、入院患者を対象とした米国、欧州などでの第III相試験を、ともに2022年11月から実施することなども明らかにした。

がん治療による放射線関連心疾患、弁膜症を来しやすい患者の特徴/日本腫瘍循環器学会

 9月17、18日に開催された第5回日本腫瘍循環器学会にて、塩山 渉氏(滋賀医科大学循環器内科)が「放射線治療による冠動脈疾患、弁膜症」と題し、放射線治療後に生じる特異的な弁膜症とその治療での推奨事項について講演した(本シンポジウムは日本放射線腫瘍学会との共催企画)。  がんの放射線治療による放射線関連心疾患(RIHD:radiation-induced heart disease)の頻度は医学の進歩により減少傾向にあるが、それでもなお、食道がんや肺がん、縦隔腫瘍でのRIHD発症には注意を要する。2013年にNEJM誌に掲載された論文1)によると、照射から20年以上経過してもなお、主要心血管イベントリスクが8.2%(95%信頼区間:0.4~26.6)も残っていたという衝撃的な報告がなされた。それ以来、RIHDは注目されるようになり、その1つに弁膜症が存在する。

MET増幅のあるオシメルチニブ耐性肺がんに対するテポチニブ+オシメルチニブ(INSIGHT 2)/ESMO2022

 オシメルチニブの1次治療耐性でMET増幅を呈する非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、オシメルチニブとMET-TKIであるテポチニブとの併用による有効性が示された。   MET増幅はオシメルチニブ耐性NSCLCの15〜30%を占める。化学療法しか選択肢がない。大きな臨床的ニーズがある。テポチニブはMET増幅によるオシメルチニブ耐性NSCLCにおいてTKIとの併用で効果を示すという報告がある。