外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:93

コーヒー摂取量と乳がんリスク

 コーヒーと乳がんリスクの関連については数多くの研究がなされている。今回、スペイン・ハエン大学のCristina Sanchez-Quesada氏らがSUN(Seguimiento Universidad de Navarra)前向きコホートの約1万人の女性で検討したところ、閉経後女性においてコーヒー摂取量と乳がんリスクの間に逆相関が観察された。European Journal of Nutrition誌オンライン版2020年1月18日号に掲載。  本研究の対象はナバーラ大学を卒業したスペイン人女性で、ベースラインで乳がんではなかった1万812人。コーヒー摂取量は、136品目食事摂取頻度調査票(FFQ)で評価した。

術前化療で乳房温存療法が適応になる割合は(BrighTNess)/JAMA Surgery

 StageII~III乳がんでは乳房温存療法を可能にするべく術前化学療法が実施されることが多い。今回、米国・Brigham and Women's HospitalのMehra Golshan氏らは、BrighTNess試験の2次解析からトリプルネガティブ(TN)乳がん患者において術前化学療法により53.2%が乳房温存療法の適応になったことを報告した。また、北米では乳房温存治療適応患者でも乳房温存率が低く、生殖細胞系BRCA変異のない患者での両側乳房切除率が高いことがわかった。JAMA Surgery誌オンライン版2020年1月8日号に掲載。

癒着関連の再入院リスク、腹腔鏡 vs.開腹/Lancet

 腹腔鏡手術により癒着に関連した再入院の発生は減少するが、癒着に関連した再入院の全体的な負荷は高いままであることを、オランダ・Radboud University Medical CenterのPepijn Krielen氏らが、後ろ向きコホート試験「SCAR試験」の結果、明らかにした。癒着は腹部手術後の長期的な合併症の最も一般的な要因で、腹腔鏡手術により癒着形成が減少する可能性はあるものの、低侵襲手術の長期的な癒着関連合併症への影響は不明なままであった。著者は、「今後、腹腔鏡手術がさらに増加すると母集団レベルでの影響はさらに大きくなる可能性があり、術後の癒着関連合併症の発生を減少させるためには次のステップが必要である」とまとめている。Lancet誌2020年1月4日号掲載の報告。

紫外線は乳がん予防に有効か~メタ解析

 太陽紫外線(UVR)曝露が乳がん発症リスクを減少させるという仮説がある。今回、カナダ・クイーンズ大学のTroy W. R. Hiller氏らが行った系統的レビューとメタ解析から、夏の数ヵ月間に太陽の下で1日1時間以上過ごすことで、乳がん発症リスクを減らせる可能性が示唆された。Environmental Health Perspectives誌2020年1月号に掲載。  本研究では、Medline、EMBASE、Web of Scienceで太陽UVRへの曝露と乳がんリスクの関連を調査した研究すべてを検索し、太陽の下で過ごした時間と周囲のUVR(居住地の太陽の強さ)の推計値を使用して個別に分析した。関連はランダム効果モデルのDerSimonian-Laird法を用いて推定し、異質性はサブグループ解析とI2統計量で調べた。

日本人トリプルネガティブ乳がんのMSI-H頻度は?

 日本人のトリプルネガティブ乳がん患者におけるMSI-H頻度は高くはないものの、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)のターゲットとなる患者が存在することが示唆された。九州大学の倉田 加奈子氏らによる、Breast Cancer誌オンライン版2020年1月6日号掲載の報告より。  本邦では、MSI-HまたはdMMRを有する進行固形がんに対しペムブロリズマブが承認されている。また、ゲノム不安定性を有する腫瘍はPD-1 / PD-L1阻害に良好な反応を示し、難治性乳がんの有望なターゲットとなりうることが示唆されている。しかし、日本人のトリプルネガティブ乳がんにおけるMSI-H頻度は明らかになっていない。

trastuzumab deruxtecan(DS-8201)、米国で乳がんの承認取得/第一三共

 第一三共とアストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ)は、2019年12月23日、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)trastuzumab deruxtecanについて、米国食品医薬品局(FDA)より「転移乳がんに対する治療として2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能又は転移乳がん」を適応として販売承認を取得したと発表。

乳房温存手術後の同側再発の抑制に、加速乳房部分照射は有効か/Lancet

 乳房温存手術後の放射線療法において、温存乳房内再発(IBTR)の予防に関して、加速乳房部分照射(APBI)の全乳房照射(WBI)に対する非劣性が示された。ただし、APBIでは急性毒性の発現は少ないものの、中等度の晩期有害事象の増加と整容性不良が認められた。カナダ・マックマスター大学およびJuravinski Cancer CenterのTimothy J. Whelan氏らが、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのがんセンター33施設で実施した多施設共同無作為化非劣性試験「RAPID試験」の結果を報告した。WBIは、整容性が良好で局所再発を低下させるものの、乳房温存手術後3~5週間にわたり1日1回照射が必要であることから、より簡便な方法として腫瘍床に1週間照射するAPBIが開発された。Lancet誌2019年12月14日号掲載の報告。

今もしも自分がブラック・ジャックの患者だったら

 2019年9月、神奈川県横浜市は、医療現場で生じるコミュニケーションギャップの改善を目的に、医療現場における“視点の違い”を描く「医療マンガ大賞」を募集した。同年12月、その受賞作決定を記念したアフタートークイベントでは、「SNS医療のカタチ」所属医師4人と写真家の幡野 広志氏が、それぞれの視点で医療漫画について語った。  中学時代から『ブラック・ジャック』を何度も読んだという写真家・幡野 広志氏は、「病気になってからブラック・ジャックを読んだら、結構つらかった」という。その真意とは?

閉経後ルミナールB乳がんへの術前療法、ribociclib+レトロゾール併用が有望(CORALLEEN)/SABCS2019

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の閉経後乳がんに対する術前療法として、ribociclibとレトロゾールの併用投与が、術前化学療法と同様の効果を示す可能性があるとの試験結果が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、スペインInstituto Valenciano de OncologiaのJoaquin Gavila氏より発表された。この結果はLancet Oncology誌オンライン版2019年12月11日号に同時掲載された。  本試験(CORELLEEN試験)は、2017年7月~2018年12月にスペイン国内(21施設)で実施された、オープンラベル無作為化比較の第II相試験である。