泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:61

DOACエドキサバン、がんの血栓症で低分子ヘパリンに非劣性

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は2017年12月13日同社のニュースリリースで、抗凝固薬エドキサバン(商品名:リクシアナ)による、がん合併静脈血栓塞栓症(VTE)患者を対象としたHokusai-VTE CANCER試験の結果において、エドキサバンが標準治療薬である低分子量ヘパリンのダルテパリン(国内未承認)に対して有効性および安全性に係わる主要評価項目において非劣性を達成したと発表。  本試験の結果は、米国ジョージア州アトランタで開催した第59回米国血液学会(ASH)年次総会のlate breaking sessionで発表されると共に、New England Journal of Medicineにオンライン掲載された。

高齢で診断された前立腺がん、予後に影響するのは?

 前立腺がん診断時の年齢が高いことが予後不良に関連することを示す研究がいくつか報告されている。そこで、スウェーデン・カロリンスカ研究所のAndreas Pettersson氏らは、集団ベースのコホート研究で、診断時年齢と予後との関連を調べ、その関連が腫瘍特性、初期治療、診断年、検知方法、合併症と独立しているかどうかを検討した結果を報告した。著者らは結果から「本結果は、現在の臨床現場において、前立腺がんの高齢患者は診断のための検査や治癒目的の治療を十分に受けていないことを示している」としている。Annals of oncology誌オンライン版2017年11月17日号に掲載。

単純性尿路感染症へのNSAID、抗菌薬と比較/BMJ

 単純性下部尿路感染症(UTI)の女性患者において、ジクロフェナクの使用は抗菌薬の使用を減らすが、ノルフロキサシンと比較して症状軽減に関して劣性であり、腎盂腎炎のリスクを増大させる可能性が、スイス・ベルン大学のAndreas Kronenberg氏らによる無作為化二重盲検非劣性試験の結果で示された。著者は、「選択的な抗菌薬使用の開発と検証を、今後の試験で行うことが必要だ」と述べている。BMJ誌2017年11月7日号掲載の報告。

ビタミンDはがんを予防するのか?/BMJ

 ビタミンDの血中濃度とがんリスクに因果関係は存在するのか。ギリシャ・University of IoanninaのVasiliki I Dimitrakopoulou氏らは、同関連を明らかにするため、大規模遺伝子疫学ネットワークのデータを用いたメンデルランダム化試験にて検討を行った。その結果、評価を行った7種のがんいずれについても、線形の因果関係を示すエビデンスはほとんどなかったという。ただし、臨床的に意味のある効果の関連を、完全に否定はできなかった。BMJ誌2017年10月31日号掲載の報告。

日本初の抗PD-L1抗体アベルマブ、他の抗体との違いも

 抗PD-L1抗体として日本で初めて、アベルマブ(商品名:バベンチオ)が9月27日に承認された。アベルマブは、今回承認されたメルケル細胞がん(MCC)以外に、胃がん、非小細胞肺がん、頭頸部がん、腎細胞がん、尿路上皮がん、リンパ腫、固形がんに対して、国内で臨床試験を実施している。11月6日、共同開発を進めるメルクセローノ株式会社とファイザー株式会社によるプレスセミナーが開催され、西川 博嘉氏(国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野 分野長)と山﨑 直也氏(国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科 科長)が講演した。

ロボット支援下腎摘の合併症頻度、コストは?/JAMA

 米国では2003~15年までに、根治的腎摘出術に占めるロボット支援下施術の割合が1.5%から27.0%へと大幅に増加したが、合併症の発生率増加との関連はみられなかったことが明らかになった。一方で、ロボット支援下根治的腎摘出術は腹腔鏡下根治的腎摘出術に比べ、手術時間が長く、いわゆるホスピタルフィーの病院コストの増大と関連していた。米国・スタンフォード大学のIn Gab Jeong氏らが、米国内416ヵ所の病院を対象に行ったコホート試験の結果で、JAMA誌2017年10月24日号で発表された。

精液でわかるのは妊孕性だけではない!?

 不妊治療において男性が受ける精液検査では、精子の数や運動率など形態的な検査が中心で、精液中の微量成分の分析はほとんど行われていない。精液には精子の運動性や持久性に関わる成分が含まれ、さらに脂肪酸やアミノ酸なども含まれることから、妊孕性に加えて健康状態のチェックにも、精液の成分検査が使える可能性があるという。2017年10月6日、精液検査の確立を目指して設立されたベンチャー企業の株式会社ダンテが、都内で記者発表会を開催。同社が実施した精液のバイオマーカーとしての有用性や生活習慣の影響を調べた調査結果とともに、精液の郵送検査プロジェクトの開始を発表した。

エボラウイルスは生存者精液中に長期残存/NEJM

 エボラウイルス病(EVD)の男性生存者では、エボラウイルスRNAが精液中に長期に残存し、時間が経過するに従って徐々に減少することが、シエラレオネ保健衛生省のGibrilla F. Deen氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2017年10月12日号に最終報告として掲載された。西アフリカのエボラ流行を根本的にコントロールするには、EVD生存者におけるエボラウイルス排出の期間を理解し、さらなる感染を予防することが不可欠とされる。すでに本研究の準備報告に基づき、世界保健機関(WHO)と米国疾病管理予防センター(CDC)、中国CDCが、被災3国(シエラレオネ、ギニア、リベリア)の保健省との協働で精液検査プログラムと予防的行動カウンセリングを確立し、実行に移している。

血尿よ、お前もか!-抗血栓薬は慎重に(解説:桑島巖氏)-748

最近、循環器領域の疾患では、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)や抗血小板薬を処方する傾向が顕著になっている。確かに脳卒中や心筋梗塞予防効果はあることはあるが、そのウラ側にある有害事象のことも考えてほしいというのが本研究のメッセージである。抗血栓薬処方の爆発的な増加には企業の激しい宣伝合戦も影響しているかもしれないが、ここで一歩立ち止まって考える必要がありそうだ。言うまでもないことではあるが、抗血栓薬は血栓を予防して梗塞性イベントを防ぐ一方で、大出血という重大な有害事象を発生することも、あらためて認識する必要がある。

高齢者、抗血栓薬で血尿リスク増大/JAMA

 高齢者の抗血栓薬服用では、血尿関連合併症による泌尿器科処置のリスクが約1.4倍に、入院や救急外来受診のリスクは2倍以上に増大することが示された。なかでも、抗凝固薬と抗血小板薬併用での血尿関連合併症リスクは、約10倍に上るという。カナダ・Sunnybrook Health Sciences CentreのChristopher J.D. Wallis氏らによる、同国オンタリオ州の高齢者250万例超を対象に行った住民ベースの後ろ向きコホート試験の結果で、JAMA誌2017年10月3日号で発表された。抗血栓薬は、最も頻度が高い処方薬の1つである。