泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:71

膣脱への2つの手術、有効性、安全性は同程度/JAMA

 膣尖部脱と腹圧性尿失禁を有した女性に対する、2つの手術法(仙棘靭帯固定術:SSLF、仙骨子宮靱帯挙上術:ULS)および周術期介入(骨盤底筋訓練、BPMT)の有効性、安全性を検討した結果、術後2年時点のアウトカムは、SSLFとULSのいずれも解剖学的、機能的アウトカム、または重大イベントのアウトカムについて有意な差は示されなかったことが明らかにされた。また、BPMTによるアウトカム改善効果(6ヵ月の排尿症状、2年時点の膣尖部脱アウトカム)も示されなかった。米国・クリーブランドクリニックのMatthew D. Barber氏らが無作為化試験の結果、報告した。米国では骨盤臓器脱(子宮脱)に対する手術が年間30万件以上行われており、SSLFとULSはいずれも米国では一般的に行われているが、有効性、安全性についての比較検討、および周術期介入によるアウトカム改善効果についても明らかではなかった。JAMA誌2014年3月12日号掲載の報告より。

ACTH非依存性クッシング症候群の病因解明に大きく前進(コメンテーター:成瀬 光栄 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(188)より-

 ACTH非依存性クッシング症候群は、副腎からのコルチゾールの自律性分泌により高血圧や糖尿病などをきたす疾患で、副腎腺腫と両側が結節性過形成になるACTH非依存性大結節性副腎過形成(AIMAH)が主な病型である。通常、前者では腺腫側の副腎摘出で治癒するのに対して、後者では両側副腎摘出が必要なことが多く、副腎不全による永続的なホルモン補充が必要となる。いずれも成因は不明であったが、本論文により、顕性クッシング症候群の約1/3の例で、プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットをコードするPRKACAのsomatic mutationを認めることが明らかにされた。

早期前立腺がん、根治切除の長期生存ベネフィットが判明/NEJM

 根治的前立腺切除術は、前立腺がん患者の長期的な生存を実質的に改善することが、スウェーデン・ウプサラ大学のAnna Bill-Axelson氏らが進めるScandinavian Prostate Cancer Group Study Number 4(SPCG-4)の最長23年以上に及ぶ追跡調査で確認された。SPCG-4は前立腺特異抗原(PSA)の臨床導入以前に診断された患者を対象とし、すでに15年のフォローアップにおける根治的前立腺切除術の生存ベネフィットが示されている。一方、PSA検査導入初期に行われたProstate Cancer Intervention versus Observation Trial(PIVOT)では、手術による12年後の全死亡、前立腺がん死の改善効果は得られておらず、PSA検診の影響の大きさが示唆されている。NEJM誌2014年3月6日号掲載の報告。

ACTH非依存性クッシング症候群に関与する遺伝子変異が判明/NEJM

 プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットの遺伝子変異が、両側性副腎過形成や片側性コルチゾール分泌副腎皮質腺腫に関与していることが、ドイツ・ヴュルツブルク大学のFelix Beuschlein氏らが行った検討により判明した。副腎皮質の腫瘍や過形成は、コルチコトロピン非依存性のクッシング症候群を引き起こす。しかし、その分子学的発生機序は解明されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年2月26日号掲載の報告より。

前立腺がん、全摘vs.放射線療法/BMJ

 非転移性の前立腺がんについて、根治的前立腺摘除術を受けた患者のほうが放射線療法を受けた患者よりも長期の生存アウトカムは良好であることが示された。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のPrasanna Sooriakumaran氏らが、同国で行われた15年間の観察研究に基づき報告した。結果を踏まえて著者は、「より若く、併存疾患が少なく、中程度~重度リスクの局所前立腺がんを有する患者では、全摘のほうがより大きな恩恵を受けると思われる」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年2月27日号掲載の報告より。

生体腎提供によって末期腎不全のリスクは高まるか/JAMA

 生体腎移植のドナーが末期腎不全(ESRD)を有するリスクは、適合健常非ドナーと比べ有意に高いが、非スクリーニング一般集団と比べると、絶対リスクの増加はわずかであることが明らかにされた。米国ジョンズ・ホプキンス大学のAbimereki D氏らが、米国の生体腎ドナー9万6,217例を追跡調査して報告した。これまで腎ドナーのESRDリスクについて、一般集団との比較は行われておりリスクが高いことが報告されていた。しかし、非スクリーニング一般集団という高リスク集団との比較は行われておらず、ドネーション後の後遺症をより適切に推定しうるスクリーニング健常非ドナーとの検討も十分ではなかった。著者は、「今回の結果は、生体腎提供を考えている人への検討材料の一助となるだろう」とまとめている。JAMA誌2014年2月12日号掲載の報告より。

HIV患者へのエファビレンツ、低用量でも/Lancet

 抗レトロウイルス未治療のHIV-1感染患者に対する、テノホビル+エムトリシタビン(商品名:ツルバダ)に加えたエファビレンツ(同:ストックリン)投与において、1日400mg(低用量)投与が600mg投与に対し非劣性であることが示された。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のRebekah L. Puls氏らENCORE1試験グループが、13ヵ国38ヵ所の医療機関を通じて行った二重盲無作為化比較試験の結果、報告した。エファビレンツに関連した有害事象の発生は標準用量のほうが頻度が高く、著者は「低用量エファビレンツがルーチン治療の一部として推奨されるべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年2月10日号掲載の報告より。

早漏症にSSRI、NO濃度との関連を確認

 トルコ・Sisli Etfal研究教育病院のS. L. Kirecci氏らは、精漿中の一酸化窒素(NO)レベルと、早漏症に対するSSRIの有効性との関連について検討を行った。その結果、早漏症は精漿中NO濃度高値と関連しており、SSRI投与により精漿中NO濃度が減少し、さらに膣内挿入から射精までの時間が延長することを報告し、SSRIが早漏症に有効な可能性を示唆した。Andrologia誌オンライン版2013年12月20日号の掲載報告。