泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:68

アジアの勃起障害患者、うつ発症に注意が必要

 うつ病は勃起障害(ED)のリスクを増加させ、一方でEDはうつ病を悪化させる可能性がある。しかし、両疾患の因果関係については議論の余地が残っている。さらに、うつ病とEDの関係について、年齢依存的および時間依存的影響に関するエビデンスは限られていた。台湾・高雄医学大学病院のPing-Song Chou氏らは、EDとうつ病との関連を明らかにするため、国民健康保険調査記録データベースを用いて長期コホート試験を実施した。その結果、ED患者はうつ病の発症リスクが高く、とくに診断後1年以内のリスクは非ED者の約3倍高いことを報告した。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2014年12月5日号の掲載報告。

腎移植後のシロリムス、がん減少も死亡増加/BMJ

 腎移植後患者に対するシロリムス免疫抑制療法は、がん発症リスクを40%、非黒色腫皮膚がんリスクについては56%、それぞれ低下する一方で、死亡リスクについては43%増大することも明らかになった。カナダ・オタワ大学のGreg A. Knoll氏らが、約6,000例の腎移植患者のデータをメタ解析した結果、報告した。これまでに発表されたメタ解析では、シロリムス投与とがんや死亡リスクについては、有意な関連は認められていなかったという。BMJ誌オンライン版2014年11月24日号発表の掲載より。

がん生存率の動向~日本含む67ヵ国2,570万例のデータ/Lancet

 CONCORDワーキンググルーブでは、1995~2009年における67ヵ国のがん登録データを調査し、がん種別、国・地域別、期間別に5年生存率を推定した結果を報告した。生存率の大きな違いは、早期診断と最適な治療へのアクセスの差による可能性が高い。著者らは、「継続的な世界的サーベイランスは、がん患者と研究者において不可欠な情報源となり、また保健政策と医療システム改善のための政治家への刺激となるだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月26日号に掲載。

腎移植後のBKウイルス尿症、キノロンで予防できるか/JAMA

 腎移植後レシピエントの重大合併症であるBKウイルス感染症に対して、移植後早期開始のレボフロキサシン(商品名:クラビットほか)療法(3ヵ月間投与)は、BKウイルス尿症発症を予防しなかったことが、カナダ・オタワ大学のGreg A. Knoll氏らによる、前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果、判明した。BKウイルスの一般集団保有率は60~80%であり、移植後免疫療法は同ウイルスを再活性化することが知られる。ウイルス尿症に始まり、ウイルス血症、最終的にウイルス腎症に至る感染症の進行は、レシピエントの移植失敗に結びつくこと(10~100%)から問題視されている。今のところ同感染症に対する有効な治療戦略はないが、後ろ向き検討において、キノロン系抗菌薬の抗ウイルス効果が示されたことから、前向き試験による予防的投与の効果を検討する本試験が行われた。JAMA誌2014年11月26日号掲載の報告。

日本男性の勃起硬度はアレと関連していた

 日本人男性7,710人を対象としたWEBベースの断面全国調査において、1日2箱以上の喫煙、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病の既往は、勃起の硬さスケール(EHS: Erection Hardness Score)※の低さと有意な関連を認めることが、東邦大学の木村 将貴氏らによる研究で明らかになった。EHSは、加齢、性行為、性的自信、勃起不全(ED)関連のリスク因子などさまざまな要素と相関が認められた。また、EHSは、EDのモニタリングや治療において有益であり、男性とそのパートナーの性生活の質を改善するための貴重なツールとなりうると考えられる。Sexual medicine誌2013年12月号の報告。

転移性前立腺がんに対する新規ホルモン療法の威力は?(解説:勝俣 範之 氏)-274

転移性前立腺がんに対する第一選択は、去勢療法(男性ホルモンであるアンドロゲンをブロックする方法:除睾術やホルモン療法などが行われる)である。転移性がんでは、当初は去勢療法が奏効するが、ほとんどが治療抵抗性となる。治療抵抗性となった場合には、これまでは化学療法しか選択肢がなかった。  エンザルタミドは、アンドロゲン受容体を阻害する作用を持つ新規ホルモン療法の1つと考えてよい。化学療法のような強い副作用がないため、患者さんにとっては福音であるといえる。

腎結石疑いの画像診断、超音波 vs. CT/NEJM

 腎結石疑いの患者に対する初回の画像診断法として、超音波検査法とCT検査法とでは、その後のアウトカムに有意差はないことが報告された。一方で、検査によって受ける累積被曝量については、超音波検査のほうがCT検査より低かった。また、超音波検査について、緊急救命室(ER)の医師が同室で行う「ポイント・オブ・ケア(POC)超音波検査」と、放射線科医による超音波検査を行った場合を比較した検討では、アウトカムは同等であることが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のR. Smith-Bindman氏らが、2,759例について行った多施設共同無作為化比較試験の結果、報告した。NEJM誌2014年9月18日号掲載の報告より。