アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:22

ペニシリンアレルギー、MRSAやC. difficileリスク増大と関連/BMJ

 「ペニシリンアレルギー」の記録はMRSAおよびC. difficileのリスク増大と関連しており、その背景にβラクタム系代替抗菌薬の使用増加が関与していることを、米国・マサチューセッツ総合病院のKimberly G. Blumenthal氏らが明らかにした。ペニシリンアレルギーは、薬物アレルギーでは最もよくみられ、患者の約10%を占めると報告されている。アレルギーに関する記録は処方行動に影響を及ぼすが、「ペニシリンアレルギー」と記録にあっても、必ずしもアレルギーすなわち、即時型過敏反応とは限らない。先行研究では、特定の抗菌薬の使用がMRSAおよびC. difficileのリスクを増大していることが判明しており、研究グループは、ペニシリンアレルギーとMRSAおよびC. difficile発生の関連を調べた。BMJ誌2018年6月27日号掲載の報告。

乾癬患者に推奨される食事への介入とは

 乾癬は慢性炎症性皮膚疾患で、有病率やQOLに重大な影響を及ぼす。米国・南カリフォルニア大学のAdam R. Ford氏らは、乾癬患者における食事への介入が、重症化を抑制するのに役立つかどうかを明らかにすることは重要であるとして、システマティックレビューにて検討を行った。その結果、重症化を抑えるための食事の介入は、標準的な薬物療法を補うことができるとして、成人の乾癬/乾癬性関節炎患者に対する食事勧告をまとめた。このエビデンスに基づく食事勧告は、米国国立乾癬財団(NPF)の医療委員会(Medical Board)に採択され、著者は「成人の乾癬患者における食事介入の有用性について臨床医の一助となるだろう」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年6月20日号掲載の報告。

喘息管理におけるLABAの安全性は?/NEJM

 長時間作用性β2刺激薬(LABA)+吸入ステロイド薬(ICS)併用療法は、ICS単独と比較して、重篤な喘息関連イベントリスクを有意に高めることはなく、また喘息発作が有意に少ない結果であったことが、米国・ウィスコンシン大学マディソン校のWilliam W. Busse氏らによる、4試験の統合メタ解析の結果、示された。喘息管理におけるLABAの安全性の懸念は、死亡リスクの増加が認められた市販後大規模調査で初めて認識された。そこで米国医薬品局(FDA)は2010年に、販売4社(アストラゼネカ、グラクソスミスクライン、メルク、ノバルティス)に対して、思春期(12~17歳)および成人患者を対象としたLABA+ICS vs.ICS単独の安全性に関する前向き無作為化試験の実施を命じていた。NEJM誌2018年6月28日号掲載の報告。

小児のアトピー性皮膚炎、重症例で白内障のリスク増加

 小児のアトピー性皮膚炎(AD)患者における白内障の発症リスクに関するデータは不足している。韓国・ソウル大学のHyun Sun Jeon氏らは10年間にわたり集団ベースの後ろ向きコホート研究(縦断研究)を行った。その結果、白内障の絶対リスクはADの有無にかかわらず非常に低かったが、ADを有する小児は手術を要する白内障のリスクが高く、とくに重症の場合は白内障の発症と白内障手術の両方のリスクが高まる可能性が示唆された。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年6月7日号掲載の報告。

吸入薬の使い方、効果発現の要は舌を下げること

 気管支喘息治療の根幹はステロイド薬を中心とした吸入薬であり、正しい吸入操作を行うことが必要不可欠である。今回、藤田保健衛生大学の堀口 高彦氏らは、吸入デバイスの操作だけでなく、目に見えない口腔内の状況、とくに舌に焦点を当て、吸入薬使用時の望ましい舌の位置について検討を行った。その結果、舌を下げて吸入薬の通り道をつくることで、より多くの薬剤が咽頭に到達し、気管方向に流入していく様子が確認できた。舌が吸入薬の流入経路の妨げにならないよう、舌と舌根をなるべく下げ、喉の奥を広げるよう患者に指導することが望ましい。今回の結果は、The journal of allergy and clinical immunology:In practice誌2018年5~6月号に掲載された。

デュピルマブ、コントロール不良喘息にも有用/NEJM

 コントロール不良の喘息患者において、ヒト抗インターロイキン-4受容体αモノクローナル抗体のデュピルマブはプラセボと比較して、重度喘息増悪の頻度を減らし、肺機能および喘息コントロールを改善することが示された。米国・ワシントン大学のMario Castro氏らが、約1,900例の患者を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年5月21日号で発表した。