アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:23

小児のアトピー性皮膚炎、重症例で白内障のリスク増加

 小児のアトピー性皮膚炎(AD)患者における白内障の発症リスクに関するデータは不足している。韓国・ソウル大学のHyun Sun Jeon氏らは10年間にわたり集団ベースの後ろ向きコホート研究(縦断研究)を行った。その結果、白内障の絶対リスクはADの有無にかかわらず非常に低かったが、ADを有する小児は手術を要する白内障のリスクが高く、とくに重症の場合は白内障の発症と白内障手術の両方のリスクが高まる可能性が示唆された。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年6月7日号掲載の報告。

吸入薬の使い方、効果発現の要は舌を下げること

 気管支喘息治療の根幹はステロイド薬を中心とした吸入薬であり、正しい吸入操作を行うことが必要不可欠である。今回、藤田保健衛生大学の堀口 高彦氏らは、吸入デバイスの操作だけでなく、目に見えない口腔内の状況、とくに舌に焦点を当て、吸入薬使用時の望ましい舌の位置について検討を行った。その結果、舌を下げて吸入薬の通り道をつくることで、より多くの薬剤が咽頭に到達し、気管方向に流入していく様子が確認できた。舌が吸入薬の流入経路の妨げにならないよう、舌と舌根をなるべく下げ、喉の奥を広げるよう患者に指導することが望ましい。今回の結果は、The journal of allergy and clinical immunology:In practice誌2018年5~6月号に掲載された。

デュピルマブ、コントロール不良喘息にも有用/NEJM

 コントロール不良の喘息患者において、ヒト抗インターロイキン-4受容体αモノクローナル抗体のデュピルマブはプラセボと比較して、重度喘息増悪の頻度を減らし、肺機能および喘息コントロールを改善することが示された。米国・ワシントン大学のMario Castro氏らが、約1,900例の患者を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年5月21日号で発表した。

軽症喘息へのSMART療法 vs.ブデソニド維持療法/NEJM

 軽症喘息患者に対する52週間の治療において、ブデソニド・ホルモテロール配合剤(商品名:シムビコート)の頓用はブデソニド維持療法(1日2回投与)と比較し、重症喘息増悪の発生という点では非劣性が認められたが、症状の改善は劣っていた。ただし、ブデソニド・ホルモテロール頓用患者では吸入ステロイド薬(ICS)の使用量がブデソニド維持療法患者の約4分の1であった。南アフリカ・ケープタウン大学のEric D. Bateman氏らが、軽症喘息患者を対象とした多施設共同無作為化二重盲検第III相試験「Symbicort Given as Needed in Mild Asthma 2(SYGMA2)」試験の結果を報告した。軽症喘息患者は、発作時に短時間作用性β2刺激薬(SABA)の吸入を用いることが多く、ICS維持療法のアドヒアランスは不良である。即効性吸入β2刺激薬+ICSの頓用は、こうした患者の症状改善や増悪リスクに対する新たな治療法となる可能性があった。NEJM誌2018年5月17日号掲載の報告。

軽症喘息へのSMART療法は有益か/NEJM

 軽症喘息患者に対し、ブデソニド・ホルモテロール配合剤(商品名:シムビコート)の頓用は、テルブタリン頓用に比べ、喘息コントールおよび増悪リスクの軽減に優れることが示された。一方、ブデソニド維持療法(ブデソニド+テルブタリン頓用)に対しては、電子ダイアリーの週評価でみた喘息コントロールは劣性であることが示され、増悪リスクの軽減は同程度だった。増悪の頻度は、ブデソニドを含む2療法が、テルブタリンよりも低下した。また結果として、ブデソニド・ホルモテロール頓用群がブデソニド維持療法群よりも、グルココルチコイドの曝露が大幅に少なかった。カナダ・マックマスター大学のPaul M. O’Byrne氏らが、3,849例を対象に行った、52週の二重盲検無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2018年5月17日号で発表した。

シナモンで関節リウマチ症状が緩和?

 わが国では、人口全体の0.4~0.5%、30歳以上ではおよそ1%が関節リウマチ(RA)にかかるといわれている。シナモンは、民間療法で関節炎などに使用されるが、詳細は検討されていなかった。今回、イラン・Ahvaz Jundishapur University of Medical SciencesのFarideh Shishehbor氏らの研究結果により、シナモンの摂取は、RA患者の炎症および臨床症状を改善する、安全かつ潜在的な補助的療法である可能性が示唆された。Journal of the American College of Nutrition誌オンライン版2018年5月3日号に掲載。