ここ数年、わが国では猫ブームが続いている。2月22日は「猫の日」として認知され、全国で猫に関するイベント、グッズの販売などが行われている。こうしたペットは、私たちの健康にどのような効果をもたらしてくれるのだろうか。
スウェーデン・イエーテボリ大学のBill Hesselmar氏らは、幼児期からのペット飼育がその後のアレルギーリスクを軽減するか、また、ペット数とどう関係するか検討を行った。PLOS ONE誌2018年12月19日号の報告。
研究では2つのコホートとして、MolndalおよびKirunaの7~8歳の子供(1,029例)への横断的アンケートベース研究と、小児科医から喘息についてアレルギーの臨床的評価がされたVastra Gotaland県の8~9歳までの子供(249例)の出生コホートについて、喘息とアレルギーに関する検証済みの質問により調査された。
主な結果は以下のとおり。
・生後1年の間に家庭内で猫や犬の飼育数が増えるにつれ、アレルギー症状(喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹のいずれか)がより少なくなる、相関関係がみられた。
・横断的コホートでは、ペットがいない子供の49%(前年32%[p=0.006])にアレルギーがあるのに対し、5匹以上ペットがいる子供のアレルギー発症は0だった(p=0.038)。
・同じパターンが出生コホートでみられ、花粉だけでなく動物への感作も、家庭内での動物数の増加とともに減少していた。
著者らは「7~9歳の小児におけるアレルギー性疾患の罹患率は、生後1年の間に同居するペットの数が多いほど減少し、猫と犬によってアレルギーの発生から保護される、『ミニ農場』効果が示唆される」と述べている。
(ケアネット 稲川 進)