循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:302

心房細動の脳卒中予防に左心耳閉鎖術が有効/JAMA

 非弁膜症性心房細動(AF)への経皮的左心耳(LAA)閉鎖術は、脳卒中、全身性塞栓症、心血管死の複合エンドポイントについてワルファリン療法に対し非劣性であり、心血管死や全死因死亡を有意に抑制することが、米国・マウントサイナイ医科大学のVivek Y Reddy氏らが行ったPROTECT AF試験で示された。ワルファリンはAF患者の脳卒中予防に有効だが、狭い治療プロファイル、生涯にわたる凝固モニタリングの必要性、他剤や食事との相互作用という制限がある。LAAはAF患者における血栓の好発部位であり、これを機械的に閉鎖するアプローチ(WATCHMANデバイス)の開発が進められている。JAMA誌2014年11月19日号掲載の報告。

エゼチミブ、冠動脈疾患リスクを低下?/NEJM

 米国・マサチューセッツ総合病院のSekar Kathiresan氏らMyocardial Infarction Genetics Consortium Investigatorsは、エゼチミブ(商品名:ゼチーア)のLDLコレステロール(LDL-C)値低下作用に関わるNiemann-Pick C1-like 1(NPC1L1)タンパク質に着目し、同タンパク質を不活化する突然変異遺伝子を有している人と有していない人を比較した。結果、前者のほうがLDL-C値および冠動脈疾患リスクとの関連が、いずれも有意に低かったことが判明したという。NEJM誌オンライン版2014年11月12日号掲載の報告より。

脳卒中急性期の高血圧管理は、効果がない? ~無数のCQに、臨床試験は応えられるのか -ENOS試験の教訓~(解説:石上 友章 氏)-279

 臨床試験は、臨床現場の葛藤に回答を与えてくれることが期待されている。結果の不確実な選択肢に対して、丁半博打のような行為を繰り返す愚を回避するための、有力で科学的な解決策である。しかし、臨床現場のクリニカル・クエスチョン(CQ)は、有限個であるとはいっても、無数に存在する。1つのCQに、1つの臨床試験が確度の高い回答を与えてくれるとは限らない。CQを解決するつもりで行った臨床試験が、未知のCQを発掘することもある。また、臨床試験にかかるコストは、費用だけではない。人的なコスト、時間的なコストも莫大にかかるので、こうしたコストに見合った結果が得られるのかは、重大な関心事であろう。

新世代ステント、ベアメタルに比べリスクを3~6割減少/BMJ

 エベロリムス溶出性コバルトクロムステントは、ベアメタルステントに比べ、心臓死や心筋梗塞、ステント血栓症などの発生リスクを約3~6割超減少することが明らかにされた。オランダ・エラスムス大学医療センターのMarco Valgimigli氏らが、5件の無作為化比較試験、被験者総数4,896例を組み込んだ患者レベルのメタ解析の結果、報告した。これまでの試験結果では、新世代の薬剤溶出ステントと第一世代溶出ステントを比較したものが大部分で、ベアメタルステントとの比較試験は少なく、両者のアウトカム比較は十分ではなかったという。BMJ誌オンライン版2014年11月4日号掲載の報告より。

女性は男性より有害な心血管代謝プロファイルを示す―日本の糖尿病患者

 日本人の糖尿病患者は、男性よりも女性のほうが有害な心血管代謝プロファイルを示すことが、兵庫医科大学の若林 一郎氏による研究で明らかになった。日本の糖尿病女性は、男性よりも腹部肥満、高脈圧、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、メタボリックシンドロームの有病率が高いという。Journal of women's health誌オンライン版2014年11月14日号の報告。

ICSS試験:頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜切除術の長期的転帰は同等(解説:中川原 譲二 氏)-278

 症候性頸動脈狭窄症の治療において、頸動脈ステント留置術(CAS)と頸動脈内膜切除術(CEA)の長期的転帰は同等であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのLeo H Bonati氏らInternational Carotid Stenting Study(ICSS)の研究グループによる検討で明らかとなり、Lancet誌オンライン版2014年10月14日号で報告された。

非閉塞性CADでも1年MI・死亡リスク高い/JAMA

 非閉塞性冠動脈疾患(CAD)患者は、明らかな病変を認めない不顕性CAD群と比べて、1年心筋梗塞(MI)リスクや全死因死亡リスクが有意に高く、そのリスクは病変血管数が多いほど増大することが判明した。米国・デンバー退役軍人医療センターのThomas M. Maddox氏らが、過去5年に待機的冠動脈造影検査を受けた3万7,674例について後ろ向き分析を行い報告した。非閉塞性CAD患者は、同検査を受けた10~25%で認められると報告されているが、これまでその有害アウトカムに対するリスクについてはほとんどわかっていなかった。著者は、「今回の所見は非閉塞性CADの臨床的重大性を示すものであり、同患者のアウトカム改善介入についてさらなる検討の実施を裏づけるものであった」とまとめている。JAMA誌2014年11月5日号掲載の報告。

肥満者の降圧治療、心血管効果に差はない/Lancet

 降圧治療の心血管イベントへの影響は、痩せている患者と肥満患者で、降圧薬の選択によって大きく変わることはほとんどないことが示された。オーストラリア・シドニー大学のAndrew Ying氏らが、無作為化試験22試験・13万5,715例の被験者データをメタ解析した結果、報告した。本検討は、標準体重の人と比べて肥満者の降圧による心血管ベネフィットが、選択した薬によって異なるのではないかとの仮説に基づき行われたものであった。Lancet誌オンライン版2014年11月4日号掲載の報告より。