循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:305

喫煙が低EPA/AA比と関連:日本の2型糖尿病患者

 喫煙は、50歳以上の日本人2型糖尿病患者において、EPA/AA比(エイコサペンタエン酸/アラキドン酸比)に影響を与える可能性があることが、自治医科大学の岡田 健太氏らによる研究で明らかになった。2型糖尿病患者に禁煙を促すことが、心血管疾患発症の抑制につながるかもしれない。Diabetology & metabolic syndrome誌2014年8月13日号の報告。

下肢静脈瘤、ベストな治療法は?/NEJM

 下肢静脈瘤の治療法について、フォーム硬化療法、レーザーアブレーションを、外科手術と比較した結果、疾病特異的QOLがフォーム硬化療法でわずかに劣っていたほかは、QOLアウトカムはいずれも同等だった。合併症リスクはレーザーアブレーションが外科手術より低く、伏在静脈主幹部のアブレーション成功率はフォーム硬化療法が外科手術より低かった。英国・アバディーン大学医学部のJulie Brittenden氏らが、下肢静脈瘤患者798例を対象に行った多施設共同無作為化試験の結果、示された。下肢静脈瘤治療として、フォーム硬化療法とレーザーアブレーションは外科手術の代替法として広く行われている。しかし、その有効性や安全性の比較はこれまで行われていなかったという。NEJM誌2014年9月25日号掲載の報告より。

腰痛と脂質異常との関連、BMIが交絡

 これまでに横断研究によって腰痛の有病率と脂質異常との関連が示唆されているが、その因果関係は明らかになっていない。ノルウェー・オスロ大学病院のIngrid Heuch氏らは、地域住民を対象とした前向きコホート研究HUNT2およびHUNT3のデータを解析し、現時点で腰痛を有していない人が腰痛を発症するリスクと脂質異常との関係にはBMIが交絡していることを明らかにした。

スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet

 スタチンによる2型糖尿病リスクの増大について、同薬による3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA還元酵素(HMGCR)阻害の関与が明らかにされた。英国・ロンドン大学のDaniel I Swerdlow氏らが、遺伝子解析と無作為化試験のデータを分析した結果、無作為化試験のスタチン治療とHMGCR遺伝子におけるSNPについていずれも、体重増加および2型糖尿病の高リスクとの関連が確認された。著者は、「体重増加は、2型糖尿病の最も強いリスク因子であるインスリン抵抗性と関連する。そのことがスタチン治療患者における2型糖尿病の高リスクを、部分的であるが説明するものとなるかもしれない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年9月24日号掲載の報告より。

VTEの8つの治療戦略を比較/JAMA

 急性静脈血栓塞栓症(VTE)の治療戦略について、8つの抗凝固療法の有効性、安全性について検討した結果、低分子量ヘパリン(LMWH)+ビタミンK拮抗薬療法との比較で他の療法に統計的な有意差はなかったが、有効性が最も小さいのは非分画ヘパリン(UFH)+ビタミンK拮抗薬であり、安全性ではリバーロキサバン、アピキサバンの出血リスクが最も低かったことが明らかにされた。カナダ・オタワ大学のLana A. Castellucci氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまで、いずれの治療戦略が最も有効および安全であるかについてのガイダンスは存在していなかった。JAMA誌2014年9月17日号掲載の報告より。

SIGNIFY試験:心拍数を越えて(解説:香坂 俊 氏)-256

-安静時心拍数は、心血管系イベントを予測する独立した因子である-  このことは昔から知られている。急性冠症候群患者1)、そして安定狭心症患者で2)、安静時心拍数の増加は心血管系のイベントと関連することが示されている。その背景には、生理学的に心拍数が高いと、心筋酸素消費量の増加と拡張期時相の短縮(冠動脈の血流は拡張期に流れる)により心筋虚血を起こしやすくなることがある。

FAME2試験:PCIが本当に予後を改善するためにはどのような条件が必要か?(解説:上田 恭敬 氏)-255

臨床的に安定した3枝までの冠動脈疾患(冠動脈造影で確認)で、FFR≦0.80の1つ以上の狭窄を有し、PCIの適応と考えられる患者を対象とし、FFRガイド下PCI+薬物療法を施行する群または薬物療法のみを行う群に無作為に割り付け、2年以内の全死因死亡、非致死的心筋梗塞、緊急血行再建術による入院の複合エンドポイントを主要評価項目として比較した、FAME2試験の結果が報告された。

新たな生体吸収性ステントは金属ステントと同等/Lancet

 エベロリムス溶出ステントの新たなデバイスである生体吸収性スキャフォールドステントについて、エベロリムス溶出金属製ステントと比較検討した試験ABSORB IIの結果が報告された。英国・インペリアルカレッジのPatrick W Serruys氏らが虚血性心疾患患者501例を対象に行った単盲検多施設無作為化試験の1年時点の評価において、安全性、有効性は同等であった。また事後解析の有害事象報告において狭心症発生の低下が報告され、著者は、さらなる臨床的・生理学的調査の根拠を示す所見が得られたと述べている。エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドステントは、冠動脈疾患治療において急速に使用が広がっているが、従来の金属製ステントと比較検討したデータはこれまで報告されていなかった。Lancet誌オンライン版2014年9月14日号掲載の報告。

心臓手術周術期のコルヒチンは有用か?/JAMA

 イタリア・Maria Vittoria病院のMassimo Imazio氏らが、360例について行った試験の結果、心臓手術周術期のコルヒチン投与は、術後3ヵ月の心膜切開後症候群の発生リスクを10%減少することが示された。一方で、術後心房細動や術後心膜炎または胸膜滲出の発生リスク減少は認められず、またコルヒチン投与による胃腸障害発症リスク増大が示され、著者は「胃腸障害発症リスク増大でベネフィットは減少した」とまとめている。JAMA誌2014年9月10日号掲載の報告より。