循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

AHA開発のPREVENT計算式は、ASCVDの1次予防に影響するか/JAMA

 米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)の現行の診療ガイドラインは、pooled cohort equation(PCE)を用いて算出されたアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の10年リスクに基づき、ASCVDの1次予防では降圧薬と高強度スタチンを推奨しているが、PCEは潜在的なリスクの過大評価や重要な腎臓および代謝因子を考慮していないなどの問題点が指摘されている。米国・ハーバード大学医学大学院のJames A. Diao氏らは、2023年にAHAの科学諮問委員会が開発したPredicting Risk of cardiovascular disease EVENTs(PREVENT)計算式(推算糸球体濾過量[eGFR]を導入、対象年齢を若年成人に拡大、人種の記載が不要)を現行ガイドラインに適用した場合の、スタチンや降圧薬による治療の適用、その結果としての臨床アウトカムに及ぼす影響について検討した。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2024年7月29日号に掲載された。

80歳以上の心房細動患者、低用量エドキサバンは有益か

 心房細動への抗凝固薬の処方において、高齢患者では若年患者より出血が増加するため、推奨用量より低い用量を処方することが多いが、無作為化試験のデータは少ない。今回、米国・ハーバード大学医学部のAndre Zimerman氏らは、80歳以上の心房細動患者において、事前に規定された減量基準を満たさない場合でも低用量の抗凝固薬(エドキサバン)が有益かどうか、ENGAGE AF-TIMI 48試験における事後解析で検討した。その結果、エドキサバン30mgは、エドキサバン60mgとの比較(減量基準を満たさない患者)またはワルファリンとの比較(減量基準を満たす/満たさない患者)において重大な出血が少なく、虚血性イベントは増加しなかった。JAMA Cardiology誌オンライン版2024年7月10日号に掲載。

NSAIDの“有害な処方”、とくに注意すべき患者群とは/BMJ

 イングランドでは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の処方は5つの高リスク集団において、回避可能な害(avoidable harm)と医療費増加の継続的な原因であり、とくに慢性疾患を有する集団や経口抗凝固薬を使用している集団において急性イベント誘発の原因となっていることが、英国・マンチェスター大学のElizabeth M. Camacho氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2024年7月24日号で報告された。  研究グループは、イングランドの高リスク集団における問題のある経口NSAID処方に関して、発生率、有害性、英国国民保健サービス(NHS)の費用の定量化を目的に、住民ベースのコホート研究を行った(英国国立衛生研究所[NIHR]の助成を受けた)。

院外心停止者の血管アクセス、骨髄路vs.静脈路/BMJ

 非外傷性院外心停止成人患者において、骨髄路確保は静脈路確保と比較して、生存退院、病院到着前自己心拍再開、持続的自己心拍再開、良好な神経学的アウトカムのいずれについても差はなかった。台湾・国立台湾大学病院のYing-Chih Ko氏らが、クラスター無作為化比較試験「Venous Injection Compared To intraOsseous injection during Resuscitation of patients with out-of-hospital cardiac arrest trial:VICTOR試験」の結果を報告した。蘇生に関するガイドラインでは、院外心停止時の薬物投与には静脈路を優先し、静脈路が確保できない場合は骨髄路を使用することが推奨されているが、これまでの後ろ向き研究には限界があった。著者は、今回の前向き試験の結果に基づき、「骨髄路確保は、静脈路確保の代替ではなく第1選択として考慮しうるもので、患者や救急医療システムのさまざまな特徴に基づいた血管アクセスの最適な意思決定プロセスを検討する必要がある」とまとめている。BMJ誌2024年7月23日号掲載の報告。

顔の表面温度、脂肪肝や生活習慣病のスクリーニングに有用か

 体温とは、細胞機能と生物の生存に影響を与える、つまり健康状態を知るための重要なパラメータであり、老化と寿命にとっても重要な要素である。そこで今回、中国・北京大学のZhengqing Yu氏らは顔の皮膚温を捉えた熱画像(以下、サーマル画像)を用い、老化と代謝疾患の定量的特徴を明らかにすることで、サーマル画像が老化と代謝状態の迅速スクリーニングに有用な可能性を示唆した。Cell Metabolism誌2024年7月2日号掲載の報告。  研究者らは、2020~22年の期間に21〜88歳の成人2,811人(女性:1,339人、男性:1,472人)の顔のサーマル画像を収集し、赤外線サーモグラフィによる顔のメッシュ認識および領域分割アルゴリズムを用いたThermoFaceを開発、自動処理・分析にて生物学的年齢を測定するなどして、サーマル顔画像年齢による疾患予測モデルを生成し、AgeDiff(予測年齢と実年齢の差)と代謝パラメータや睡眠時間との関連を検証した。

医師がAIでChatGPTのほかに利用しているのは/医師1,000人アンケート

 2022年11月の対話型AI「ChatGPT」の公開を皮切りに、さまざまな生成AIサービスがリリース&アップデートされ、活用が進んでいる。論文検索や翻訳、スライド作成など、医師の仕事にも活用の可能性が広がる中、CareNet.comでは会員医師1,026人を対象に、生成AIの現在の使用状況についてアンケートを実施した(2024年6月25日実施)。  AIの現在の使用状況について聞いた結果、「現在使用している」と回答したのは21%。AIの「使用経験はあるが、現在は使用していない」が22%、「過去、現在ともに使用していない」が57%であった。年代別にみると、AIを「現在使用している」と回答した医師の割合は20代・30代では28~29%だったのに対し、40代では19.8%、50代では15.2%と年代が高くなるごとに減少した。

高齢の心臓手術患者、脳波ガイド下麻酔は術後せん妄を抑制せず/JAMA

 心臓手術を受ける高齢患者において、脳電図(EEG)ガイド下で脳波の抑制(suppression)を最小限にして行う麻酔投与は、通常ケアと比較して術後せん妄の発生を抑制しなかった。カナダ・モントリオール大学のAlain Deschamps氏らCanadian Perioperative Anesthesia Clinical Trials Groupが「Electroencephalographic Guidance of Anesthesia to Alleviate Geriatric Syndromes(ENGAGES)試験」の結果を報告した。術中の脳波の抑制は、全身麻酔の投与量が過剰であることを示唆するとともに、術後せん妄と関連することが先行研究で示されていた。JAMA誌2024年7月9日号掲載の報告。

イメージングガイドPCIの有用性と今後の展望(解説:上田恭敬氏)

IVUSあるいはOCTを用いたイメージングガイド、あるいはアンジオガイドのPCI(DES留置術)の成績を無作為化比較試験によって検討した22試験(1万5,964例、平均観察期間24.7ヵ月)のネットワークメタ解析の結果が報告された。主要エンドポイントである心臓死・標的血管関連心筋梗塞・TLRの複合エンドポイントでは、イメージングガイドPCIにおいてアンジオガイドPCIに比してリスクの低下(相対リスク[RR] 0.71 [95%信頼区間[CI]:0.63~0.80]、 p<0.0001)が観察された。さらに、心臓死(0.55、0.41~0.75、p=0.0001)、標的血管関連心筋梗塞(0.82、0.68~0.98、p=0.030)、TLR(0.72、0.60~0.86、 p=0.0002)のリスク低下に加えて、ステント血栓症(0.52、0.34~0.81、p=0.0036)、すべての心筋梗塞(0.83、0.71~0.99、p=0.033)、全死亡(0.75、0.60~0.93、p=0.0091)のリスク低下も観察された。また、IVUSガイドPCIとOCTガイドPCIの成績に違いは認められなかった。

産後VTE予防のエノキサパリン、より高リスク例へ限定可能?/JAMA

 妊娠に関連した静脈血栓塞栓症(VTE)予防のためのヘパリン(エノキサパリン)ベースのプロトコルに、より選択的なリスク層別化アプローチを追加することで、産後VTEが増加することなく血腫が減少したことを、米国・アラバマ大学のMacie L. Champion氏らが報告した。著者らのアラバマ大学では、2016年に米国産科婦人科学会のガイドラインに基づく妊娠関連VTE予防プロトコルを導入したが、血腫の発生確率が2倍以上となり(補正後オッズ比[aOR]:2.34)、VTEは減少しなかったため、2021年に、より選択的なリスク層別化アプローチを取り入れたという。JAMA誌オンライン版2024年6月27日号掲載の報告。  研究グループは、ヘパリンベースの産科学的血栓予防プロトコル(エノキサパリンプロトコル)に対する、より選択的なリスク層別化アプローチのアウトカムを後ろ向き観察研究で評価した。

重要性を増すゲノム診療科、その将来ビジョン/日本動脈硬化学会

 2023年に議員立法として成立した“良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律”、通称「ゲノム医療推進法」。詳細についての議論はこれから進んでいく模様だが、循環器領域においては、2022年度の診療報酬改定により動脈硬化に関連する難病への遺伝学的検査の対象疾患が拡大され、4疾患(家族性高コレステロール血症、原発性高カイロミクロン血症、無βリポタンパク血症、家族性低βリポタンパク血症1[ホモ接合体])の遺伝学的検査を含む複数の脂質異常症疾患が保険適用された。