循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

脳梗塞患者、血管イベント再発予防に長期コルヒチンは有益か/Lancet

 非心原性脳塞栓症患者の血管イベントの再発予防のための長期コルヒチン投与の有効性と安全性を評価した無作為化試験「CONVINCE試験」において、統計学的に有意な有益性は示されなかったことを、アイルランド・ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのPeter Kelly氏らが報告した。長期コルヒチンによる抗炎症療法は、冠動脈疾患における血管イベントの再発を予防することが示されている。研究グループは今回、一般的に動脈硬化によって引き起こされる冠動脈疾患とは異なり、多様なメカニズムによって引き起こされる虚血性脳卒中後の再発予防についても長期コルヒチンは有効であるとの仮説を立て検証した。試験の結果では再発予防に関する有益性は認められなかったが、ベースラインで同程度であったCRP値が28日時点で投与群において有意に低下したことが認められた。著者は、「抗炎症療法についてさらなる無作為化試験を行うことを支持する新たなエビデンスが論拠として示された」と述べている。Lancet誌オンライン版2024年6月7日号掲載の報告。

TAVRデバイスの完成度は高く短期成績はTAVR>SAVR、しかし長期成績と2次介入リスクの評価が必要(解説:伊藤敏明氏)

論文サマリーはすでに過去の解説があるため簡潔にまとめる。今回のRCTはドイツの38施設共同で行われた。生体弁適応となる65歳以上の有症状大動脈弁狭窄症(AS)、STSスコア4%未満のlowまたはintermediateリスク患者1,414例、平均年齢74±4歳がTAVRまたはSAVRに1:1で無作為割り付けされた。二尖弁、有意な冠動脈病変、先行心臓手術歴のある患者は除外され、TAVRの97.3%がtrans femoralで行われた。SAVR群の50.8%が胸骨正中切開で行われ、15.8%にrapid deploy弁が使用され、CABG同時手術率は1.8%であった。プライマリーエンドポイントとして1年での全死亡およびstrokeの合計が設定され、カプランマイヤー法にてTAVR群5.4%、SAVR群10.0%(HR:0.53、95%信頼区間:0.35~0.79)とTAVRの非劣性が示された。

循環器領域の論文著者、男女に差/JACC

 過去10年間の循環器領域の主要4誌のすべての論文について、米国・マウントサイナイ医科大学のRidhima Goel氏らが調査したところ、女性著者の割合は低いままであることがわかった。Journal of the American College of Cardiology誌2024年6月18日号に掲載。著者らは「循環器領域における女性の活躍を促進し公平な機会を提供するために、行動喚起が必要」としている。

適正年収、実年収プラス200万円が妥当!?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、自身の業務内容や仕事量に見合った適正年収について尋ねたところ、最も回答数が多かったのは2,000~2,500万円(15.2%)、次いで3,000万円以上(12.7%)、1,800~2,000万円(12.6%)、1,400~1,600万円(10.9%)と続いた。また、実際の年収が600~1,800万円の範囲において、各年収層の半数以上が実際の年収より高い金額を希望しており、1,600~1,800円層を除く600~1,600万円の層では実年収に200万円程度上乗せした金額を希望していることが明らかになった。

お酒の種類と血圧の関係

 アルコールの摂取量が血圧と強い正の相関関係を示すことが報告されているが、アルコールの種類が血圧に及ぼす影響についてのデータは十分ではなく、赤ワインは女性において血圧を低下させる可能性、ビールは血管内皮機能に有益な効果を有する可能性が指摘されている。デンマーク・University of Southern DenmarkのGorm Boje Jensen氏らによる10万人以上を対象とした大規模研究の結果、アルコール摂取量は用量依存的に血圧の上昇と関連しており、その影響はアルコールの種類によらず同様であった。The American Journal of Medicine誌オンライン版2024年5月14日号の報告より。  アルコールの種類と摂取量はアンケートにより収集された。参加者は赤ワイン、白ワイン、ビール、スピリッツ、デザートワインの週当たりの摂取量を報告。アルコールの週当たりの総摂取量に応じ、7群に層別化された(0/1~2/3~7/8~14/15~21/22~34/35杯以上、1杯のアルコール量は約12gとして評価)。血圧はデジタル自動血圧計で測定され、週当たりのアルコール摂取量と血圧の関係の評価には、多変量線形回帰モデルを使用。年齢・性別により層別化され、関連する交絡因子が調整された。各アルコールの種類別の評価については、他の種類のアルコールについて調整済みのモデルで解析された。

くも膜下出血の発症リスクが上がる/下がる薬は?

 オランダ・ユトレヒト大学医療センターのJos P. Kanning氏らは、動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH:aneurysmal subarachnoid hemorrhage)の発症リスクを下げるとされる処方薬として、5剤(リシノプリル[商品名:ロンゲスほか]、アムロジピン[同:アムロジンほか]、シンバスタチン[同:リポバスほか]、メトホルミン[同:メトグルコほか]、タムスロシン[同:ハルナールほか])を明らかにした。一方で、aSAHの発症に関連している可能性がある薬剤についても示唆した。Neurology誌オンライン版2024年6月25日号掲載の報告。

リウマチ性心疾患、低中所得国で死亡率が高い/JAMA

 リウマチ性心疾患(RHD)成人患者の死亡率は高く、弁膜症の重症度と関連しており、一方で弁手術と弁形成術は死亡率の大きな低下と関連していることを、インド・All India Institute of Medical SciencesのGanesan Karthikeyan氏らが、国際多施設共同前向き観察研究「INVICTUS試験」の結果で報告した。RHDは、低中所得国において依然として公衆衛生上の問題となっているが、複数の流行国で患者を登録した大規模研究はほとんどなかった。今回の結果を受けて著者は、「抗菌薬による予防と抗凝固療法を中心とした現在のアプローチに加え、外科的治療とインターベンション治療へのアクセスを改善する必要性が高まっている」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年6月5日号掲載の報告。

年収額に満足している診療科は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身の年収額を妥当だと思うかどうか尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」の合計が過半数を超えておおむね満足していることが伺えたが、「まったくそう思わない」と回答した医師も10%存在した。診療科別では、満足している診療科とそうでない診療科の差が明らかとなった。   年収額の妥当性について、全体では「そう思う」が25%、「ややそう思う」が36%、「あまりそう思わない」が29%、「まったくそう思わない」が10%であった。年収別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、600~800万円が44%、800~1,000万円が46%と半数を切ったが、その後は年収が上がるにつれほぼ上昇した。なお、600万円未満の「そう思う」「ややそう思う」は55%で、うち「そう思う」が31%で満足度の高さが目立った。

HFrEF患者へのRAS阻害薬、人種間の効果差は?/JAMA

 レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬は、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者の管理において重要であるが、黒人患者に対する効果が低いとの懸念がある。中国・杭州師範大学のLi Shen氏らは、RAS阻害薬の死亡抑制効果は黒人と非黒人で同程度であり、心不全による入院の、RAS阻害薬による相対リスクの減少効果は黒人患者で小さいものの、黒人患者は心不全による入院の発生率が高いため、絶対的な有益性は非黒人患者と変わらないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年5月29日号で報告された。

閉塞性CADのない患者の予後予測、冠動脈周囲脂肪減衰指数が有用/Lancet

 冠動脈周囲脂肪減衰指数(FAI)は、とくに閉塞性冠動脈疾患(CAD)を持たない患者において、現在の臨床的リスク層別化や冠動脈コンピューター断層血管造影(CCTA)の解釈を超えた炎症リスクを捉えており、この情報を予後アルゴリズムに統合した人工知能(AI)支援リスク予測アルゴリズム(AI-Risk)とAI-Risk分類システムは、従来のリスク因子に基づくリスク評価の代替法となる可能性があることが、英国・オックスフォード大学のKenneth Chan氏らORFAN Consortiumが実施した「ORFAN試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年5月29日号に掲載された。