皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:83

B細胞除去療法はANCA関連血管炎のスタンダードな治療となるか?(コメンテーター:杉原 毅彦 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(140)より-

 主要臓器障害を伴うAntineutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)関連血管炎の治療はステロイド療法とシクロホスファミド(CY)により寛解導入を行い、再発率を減らすためにアザチオプリン(AZA)やメトトレキサートなどの免疫抑制剤で維持療法することが主流であるが、B細胞を標的とする生物学的製剤のリツキシマブとステロイドによる6ヵ月後の寛解導入率はステロイド+CYと同等であること、再発例ではリツキシマブのほうが有効であることが、2010年にランダム化比較試験(RCT)により検討された。

乾癬、にきびへのパルスダイレーザー治療はどこまで有効か

 オランダ・Amphia Hospital BredaのAngelina Erceg氏らは、炎症性皮膚疾患に対するパルスダイレーザー(PDL)治療の有効性について、系統的レビューを行った。その結果、PDL治療は、限局性慢性尋常性乾癬とざ瘡について有効かつ安全な治療であると推奨できること(推奨グレードB)、その他の炎症性皮膚疾患については、勧告レベルがレベルCを上回らなかったが、治療は有望と思われることを報告した。

小児のアトピー性皮膚炎とイボは、感染症の増加に影響するか

 先行研究において、アトピー性皮膚炎は、皮膚および皮膚以外の感染症の素因となる異常な免疫反応との関連が示唆されている。米国セント・ルークス・ルーズベルトホスピタルセンターのJonathan I .Silverberg氏らにより、小児のアトピー性皮膚炎がイボ、皮膚以外の感染症、その他のアトピー性疾患のリスク増加に影響するかどうか調査、報告された。

慢性皮膚サルコイドーシスに4剤併用の抗マイコバクテリウム療法が有望

 慢性皮膚サルコイドーシスに対して、経口抗マイコバクテリウム薬併用(CLEAR)療法が病変を有意に退縮する可能性が示された。米国・ヴァンダービルト大学医学部のWonder P. Drake氏らによる無作為化単盲検プラセボ対照試験の結果で、退縮効果は臨床症状の改善とともに180日間の追跡期間中、認められたという。JAMA Dermatology誌2013年9月号の掲載報告。

新生児のアトピーにビタミンAとBCGが関与?

 アトピー性皮膚炎またはアトピー性疾患に関して、接種時期が早期か否かにかかわらずBCGワクチンの有意な影響はなかったが、新生児へのビタミンA補給はアトピー性皮膚炎の増加と関連していることが、無作為化比較試験の長期追跡調査の結果、明らかになった。また調査ではBCG瘢痕があることとアトピー性皮膚炎減少との関連も明らかになったという。オーストラリア・Indepth NetworkのN. Kiraly氏らが報告した。Allergy誌2013年9月号(オンライン版2013年8月31日号)の掲載報告。

食後血糖値と全身性掻痒症の関連が明らかに

 食後血糖値と全身性掻痒症には正の関連性があり、糖尿病患者では良好な食後の血糖コントロールが、全身性掻痒症を軽減することに有益性をもたらす可能性があることが、台湾国立大学病院のMei-Ju Ko氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、糖尿病患者において掻痒は頻度の高い症状にもかかわらず、血糖コントロールとの関連についてはほとんど明らかにされていなかったという。European Journal of Dermatology誌オンライン版2013年9月3日号の掲載報告。

乾癬患児でもメタボのリスクは高い

 アメリカ・タフツ大学のAri M. Goldminz氏らによって、乾癬性疾患を有する患児において、メタボリックシンドロームの有病率が高いことが示された。Goldminz氏は、小児でのメタボリックシンドロームのリスク因子の評価が、将来の心疾患の罹患と死亡を防ぐために重要であると報告している。pediatric dermatology誌オンライン版2013年9月9日掲載の報告。

アトピー性皮膚炎治療に有用なタンパク質を発見

 抗菌ペプチドのhuman β-defensin-2(hBD-2)は、アトピー性皮膚炎(AD)の疾患重症度および皮膚バリア機能状態を示すマーカーとして有用である可能性が、デンマーク・コペンハーゲン大学のM.-L. Clausen氏らによる検討の結果、明らかにされた。hBD-2はADスキンに存在することが報告されており、皮膚バリア機能障害との関連が示唆されていた。British Journal of Dermatology誌2013年9月号(オンライン版2013年5月6日号)の掲載報告。