難治性にきびへのイソトレチノイン、やはり高用量がよい?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/28

 

 難治性ざ瘡患者に対するイソトレチノイン(国内未承認)治療について、累積投与量(220mg/kg未満または以上)をベースとした高用量治療群と低用量治療群の患者について比較検討した結果、高用量のほうが有意に有効で、有害事象を増大することなく再発を抑制することが示された。米国・ノースカロライナ大学のRachel C. Blasiak氏らが、前向き観察介入試験の結果、報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年10月30日号の掲載報告。

イソトレチノイン220mg/kg以上投与患者で再発リスクが有意に減少

 イソトレチノインは、最も有効なざ瘡治療薬であるが、理想的な投薬方法は明らかではない。

 研究グループは本試験において、累積投与量が高値の患者におけるざ瘡の再発およびイソトレチノイン再治療の発生割合と、副作用プロファイルの変化について調べることを目的とした。

 試験は2008年8月1日~2010年8月31日まで、3次医療を提供する大学病院で複数の医療従事者の協力を得て行われた。

 患者へのイソトレチノイン治療は、医師の判断に基づき行われ、評価は、累積投与量に基づき2群(220mg/kg未満群または以上群)に分類されて行われた。

 主要評価項目は、12ヵ月時点のフォローアップにおける再発率(イソトレチノイン治療コース後の局所または経口のざ瘡治療薬による治療が行われていた割合)または再治療率(イソトレチノインによる再治療が行われていた割合)、および12ヵ月間の治療の間または治療後に患者が経験した副作用であった。

 イソトレチノイン治療の累積投与量の主な評価は以下のとおり。

・試験に登録されたのは、合計180例のほかの治療が無効のざ瘡患者であった。そのうち116例(64.4%)が12ヵ月時点のフォローアップを受けた。
・12ヵ月時点で、患者の97.4%が「にきびが改善した」と報告した。
・全体では12ヵ月時点の再発率は32.7%、再治療率は1.72%であった。
・イソトレチノイン低用量治療群では、再発率は47.4%(95%信頼区間[CI]:32.3~63.0%)であったのに対し、イソトレチノイン高用量治療群は26.9%(同:18.3~37.8%)であった(p=0.03)。
・両群におけるほぼ100%の患者が、治療期間中に口唇炎と乾皮症を呈した。
・イソトレチノイン高用量治療群では皮膚炎が認められた患者の頻度が有意に高かった(53.8%対31.6%、p=0.02)。
・そのほかの副作用は、両群間で有意差は認められなかった。
・著者は、「本試験において投与されたイソトレチノイン量は、先行試験で使用されたものよりもかなり高値なものであった」と述べたうえで、イソトレチノイン治療完了後1年時点において、220mg/kg以上の投与を受けた患者のほうが、再発リスクが有意に減少したことが判明したことを報告した。また、高用量治療群で治療中にみられた唯一の副作用は発疹であったことも報告した。
・以上を踏まえて著者は、「今回の試験の結果は、イソトレチノインによるざ瘡治療は、高用量のほうが有意な有効性を示し、副作用を増大することなく再発を抑制することを示すものである」と結論している。

(ケアネット)